いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

小泉さんを支持したのは「精神の貴族」なのか?あるいは「紅衛兵」なのか?

2005年11月14日 19時51分02秒 | 日本事情

■このブログの小泉さんの謎に書いた問題; 小泉新自由経済体制で損するはずの雑民がなぜ小泉・自民党を支持するのか? についていんてりさんも謎だ!?といい、多くの「おサヨク」ブログはこの問題でもちきりである。

■この問題に「当事者」から直球の発言があった。
一部ブログでも話題の「竹中平蔵公式ウェブサイト」のスタッフが書いた記事;
現在リンク切れ;
 ●フリーターと新しい自民党との革命的可能性(1)

 ●フリーターと新しい自民党との革命的可能性(2)

この竹中事務所スタッフ氏は、フリーターこそ終身雇用という主張をして、フリーターは負け犬ではない。したがって、「おサヨク」が小泉を支持したフリーターを負け犬扱いするのはまちがっていると。

この竹中事務所スタッフ氏の発言にコメントすると、若者が小泉さんを支持したという調査結果はでているが、フリーター、あるいは(いわゆる)非正規雇用者、が小泉さんを支持したという調査結果はない。さらに、もし本当にフリーターこそ終身雇用と思うのであれば全然問題ない。現状に満足なのだから。問題は、例えば、(いわゆる)非正規雇用者が(いわゆる)正規雇用者と同一の労働をしても賃金がちがうとか、待遇の違いがあることである。

しかし、確かに調査結果はなくとも、旧田中派とそれに群がり甘い汁を吸って不当に既得権をもって特に努力もせずにのんべんだらりんとしている連中への鉄槌という雰囲気はあった。

旧田中派的なものばかりを標的とするのではなく、成果主義・能力主義では評価されないはずであるのに、大卒中年男性だからという理由で大卒中年男性に特権を与えてきた日本社会は改革の対象でしかないと、考える人が噴出した。こういう人たちはこれまでの日本社会の主流派ではなく、周辺あるいは下層のひとたちだ。その意味で主流派に反逆する「紅衛兵」的なものとなる。その反逆性において。

(いわゆる)正規雇用者の一部(大半?)は一度正規雇用者になったので「既得権」に守られ、高賃金が保障されている。つまり、労働生産性のわりには労賃が高い。これは、もし現在流行のネオリベ(ネオリベラリズム)・「市場原理主義」に従うのであれば、賃金が下げられるべきだし、雇用が流動化されるべきである。

竹中事務所スタッフ氏は、この市場原理主義の尖兵としての役割を若者・フリーターに期待しているらしい。竹中事務所スタッフ氏は,言う;

ここには、小泉総理と若い層が「真ん中」の層をサンドイッチにして「文化大革命」をしかけている、という新鮮な構図が。

    破壊力なし?

▼さて、この竹中事務所スタッフ氏の「フリーター・ネオリベ尖兵論」は自論を展開しているのではなく、川本三郎氏の新聞でのインタビュー記事をだしにしている。川本の「造反有理」的ものいいは、あいかわらずともいえる。ただもうすっかり馬鹿であることがばれてしまった左翼やおサヨクに則って造反有理をすることは期待できないので、小泉革命に期待したのだろう。若者を、紅衛兵のごとく、躍らせることに。

▼川本の発言のなかでおもしろいと思ったのが;

(川本氏)「・・・経済的にみれば豊かでないかもしれないが精神的には、上流階級という人たちがいるんですよ。私はその層にものすごく期待しています」

つまり、「精神の貴族」が小泉改革を支持していると。このインタビューには出てこないが、川本の最近の仕事は永井荷風だ。荷風といえばいんちき日本近代、いんちき中産階級を心底ばかにし、徹底して自分の美学のために生きた御仁である。川本は今回の小泉革命を荷風のごとき精神の貴族が支持したと幻視しているのかもしれない。

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<荷風ごっこ>ですってんてん。



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