いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

ポルノ三昧; キャリアポルノ編2、将来のノーベル学者の買い出しと落花生に関するメモ

2013年10月23日 20時48分45秒 | 日本事情

 
    ― 積み上げられた落花生 -
 

ポルノ三昧; キャリアポルノ編、 「血反吐を吐くぐらい」、体当たり五十路本番女優に関するメモ、に続く第2弾。

 

おいらはポルノ三昧で暇を潰している。 ポルノとは、それを見るものが他人の性交動画をみて、あたかも自分が性交に耽っている気分させるための、材料である。主に、センズリこくのに用いられる。

出世しそこなった出世主義者のおいらは、現実では出世の果実を享受できないので、他人の出世物語をおかずに、 つまりはポルノ=あたかも自分がやっているように幻想させる材料を以って、自涜に耽っているのだ。 どうせなら、偉大な出世人の伝記の「キャリア・ポル ノ」をおかずに、実際の人生では所を得られなかったちんけなおいらが、あたかも自分が成功に耽っている気分になるのだ。

今夜のズリネタは、将来のノーベル学者さまの若かりし日の「敗戦」日記&餓えても勉強日記である。

 疎開の荷物を出した後、ラジオは正午に重大な放送があると報じた。私は急遽、荷馬車を追って二条城に走った。私が終戦の詔書を聞いたのは二条駅の駅員詰め所の一隅である。荷物の発送を停止したことは言うまでもない。
 その後、大学は九月に再開されたが、東京で待っていたのは、すさまじいインフレーションと食糧難であった。それでも戦時中よりよほど明るい生活ができるようになった。
 買い出しの時の記録がある。
『今日は温暖。実験室に行く足を転じ、京成電車に乗ること一時間、足の向くまま印旛沼に到る。舟あり対岸に渡る。行きか買い出しの人達、明媚なる風景に気づかぬか。荷物の重たきためか。下を向いて歩くばかりである。とある農家で落花生と小豆を求む。落花生一貫(3.75キログラム)二八〇円、小豆一升(容積1.8リットル)八五円也。印旛沼にも春来たり水温む。壮快な一日であった。』
 買い出しの落花生をかじり、小豆の餡子を糧としてその頃学んでいたのは、分子や原子、ミクロの世界を支配する量子力学であった。ニュートン力学を超えるこの学問の基礎は大正の終わり、私が生まれた頃に固まったが、一九四六年当時、まだ日が浅く、習熟された先生方は物理学科や化学科の限られた教授にとどまり、秘蔵の学という感があった。

江崎玲於奈 『限界への挑戦 私の履歴書』

 

すごい! 闇米ならぬ、闇落花生で、餓えをしのぎ、勉強していたのだ!

どうすた! 暖衣飽食の現代ぬっぽん食税研究者さま! 小人閑居して不善を為す、なんだろう!

なお、江崎玲於奈センセは、今なお、筑波山麓の住民とのこと(伝聞)。


 予算乞食さまとして、責務を全うしているらしい。


(関連愚記事; 罹災の巷低く見て、 

 - - そして、この朝も、すでになじみになった例の二十五番教室で、田中務教授はいつもと少しも代わらぬ調子で、「物理実験第一」の講義を行った。私は必死に なってノートを取った。前夜のことから離れ、物理学の世界に没頭した。東大アカデミズムの存在感が身に伝わったときであった。- - (昭和20年3月10日朝[東京大空襲の翌朝]の回顧)







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