フィギュアスケート・世界ジュニア選手権2019、男子フリー(ジャッジスコア)。
<G1>
チャ・ユンヒョン(韓国) SP:61.75(21) FS:115.47(19) 合計:177.22(20)
「ダルタニヤン」♪ 茶系。暴騰の3ルッツは単独になったが、次の3フリップに3トウをつけた。この変更を後半の構成にもきちんと反映して、3ルッツを2アクセルにつなげるシークエンスに、3フリップは単独に。落ち着いている。
ステップでは剣を振るう所作を見せ、フィニッシュも剣を納めるポーズで。この調子で3アクセルや4回転が習得できれば、上位にいけそう。
バシャル・オクタル(トルコ) SP:62.82(19) FS:120.09(16) 合計:182.91(19)
「トスカ」より「星は光りぬ」♪ ワインカラーのベスト。3アクセルを軽やかに跳んでスタート。3フリップに続けたのが2トウになったが、3ルッツ+3トウも頑張る。多少のミスはあっても転倒はなく、力は出せた感じ。
要素を音に合わせようという意識があるのがいい。
ニキータ・スタロスティン(ドイツ) SP:61.61(22) FS:90.39(24) 合計:152.00(24)
「Sit Down Beside Me」♪ グレー系Vネック。冒頭のアクセルは2回転にした。ルッツ、フリップと転倒が続いて痛そう 2アクセルにオイラー+2サルコウをつける。ループ、ルッツと2回転止まりになったが、サルコウは3回転が入った。
ジャンプの調子が良ければ、もう少し表情が出せるのかな。
ガブリエレ・フランジパーニ(イタリア) SP:61.32(24) FS:109.57(23) 合計:170.89(23)
「オペラ座の怪人」♪ 黒、肩口にストーン。3ルッツ+3トウから入り、3アクセルは高く跳んだ(着氷は少し危なかった?!)。予定を変えて3フリップ転倒、2本目の3アクセルは挑まず3ループに。3ルッツ+3トウ2回目も根性で下りる。
かなり構成を変えたが、なんとかまとめた ステップはクライマックスを表現できたかな。
壷井達也 SP:62.59(20) FS:133.29(10) 合計:195.88(14)
「交響曲第9番“新世界”」♪ 濃い青にストーンで花火のような模様。3アクセル+2トウがスムーズに決まると、2本目の3アクセルも危なげない。ルッツは少し傾いたが、3ループからシットスピンに続く流れがいい。後半の3ルッツ+3トウ、2アクセル+オイラー+3サルコウもリズムよく決まった。
端正な滑りでよくまとめたプログラム、終わって笑顔が弾けた
ニコライ・マヨロフ(スウェーデン) SP:61.47(23) FS:115.46(20) 合計:176.93(21)
「アダムス・ファミリー」♪ カーキ色のスーツ、蝶ネクタイ。3ルッツ+オイラー+3サルコウ頑張る。アクセルはダブルに。後半ルッツの転倒が惜しい。
兄に似て(?!)剽軽な仕草や所作が随所にあるが、まだ作品としてまとめきれてないかも。
<G2>
イワン・シュムラトコ(ウクライナ) SP:73.31(13) FS:118.01(17) 合計:191.32(16)
「Luna」♪ 青。3アクセルがすっと入ったが、3フリップ転倒。2本目の3アクセルこらえて1トウをつける。ルッツが1回転になったがあきらめずオイラー+3サルコウをつなげた。
ターンから入っていくキャメルスピン、イリュージョンを入れるコンビネーションスピンはY字で締めくくり。
ヨナタン・ヘス(ドイツ) SP:62.93(18) FS:112.18(22) 合計:175.11(22)
「パールハーバー」♪ 肩章付き白Vネック。3ルッツ+オイラー+3サルコウから。3アクセル転倒したが、後半持ち直したのはいい印象。全体に同じリズムなので、ちょっとめりはりが欲しいかも。
マーク・ゴロドニツキー(イスラエル) SP:69.22(15) FS:116.40(18) 合計:185.62(17)
「Stop」♪ ワインカラー半袖に黒ベスト。3アクセルなんとかこらえた。2回転になるものもあったが、終盤3ルッツと2アクセル+3トウが入ってよかった。
ステップはロッカバラードの気分をうまく出せていた。
ヴラジミール・リトヴィンチェフ(アゼルバイジャン) SP:68.94(16) FS:127.99(14) 合計:196.93(13)
チャイコフスキー「くるみ割り人形」♪ 白に紫のベスト。4トウに挑戦、転倒。しかし3アクセル+3トウ、単独3アクセルがばっちり決まる。ルッツの転倒もあったが、次のループをしっかり決めて立て直す。
クラシックの定番をバレエらしい美しい所作で演じていて、好感が持てる。
ルク・マイアホファー(オーストリア) SP:70.47(14) FS:113.68(21) 合計:184.15(18)
「What a Wonderful World」♪ 水色白襟シャツ。ストリーミングのトラブルで前半はよく見てない 3ルッツ+3トウ、3フリップ+オイラー+片手上げ2サルコウなどが決まった。
背が高すぎるというか手足長すぎるというか スピンで面白い姿勢をするのは、先輩ヴィクトール・ファイファーの影響かも。
マティアス・ベロフラツキー(チェコ) SP:68.74(17) FS:125.49(15) 合計:194.23(15)
「Duelling Banjos」「Down The Road」♪ ターコイズブルー。最初の3ルッツは+オイラー+3サルコウに。アクセルはまだダブルだが、後半に+3トウを入れた。転倒もあったが、全体ではかなり頑張ったかな。
コーチのトマーシュ・ヴェルネルが得意とした曲を使って、伸び伸びと滑る。終わってドラムを叩く仕草で喜び、コーチもがっちりハグで迎えた。キス&クライでは揃って腕を前に持ってくるポーズ。
<G3>
島田高志郎 SP:74.89(12) FS:137.89(8) 合計:212.78(9)
「ブエノスアイレスの冬」♪ 黒、左胸に赤。4トウ+3トウ、下りた 3アクセルと2本目の4トウは転倒したが、4回転2本挑戦できたのは大きい。3ルッツ+オイラー+3サルコウ、3ルッツ+2トウも入る。
最後は春の息吹を感じるような軽やかな踊り。素敵なプログラムに、コーチのランビエール氏は満足げに弟子を迎えた。
スティーヴン・ゴゴレフ(カナダ) SP:77.00(10) FS:143.66(3) 合計:220.66(5)
「シャーロック・ホームズ」♪ 黒にシルバー。小さな4回転ジャンパー登場。冒頭のルッツは2回転になったが、4トウが決まり、見事な4サルコウ+3トウが入った 3アクセルで痛そうな転倒 直後に3アクセル+2トウを下りるから偉い。
ジャンプとジャンプの間は、まだ特に何もしてない感じだけど 高得点が出た。
イラクリ・マイスラゼ(ジョージア) SP:76.46(11) FS:141.32(7) 合計:217.78(7)
「アンタッチャブル」♪ 黒。シャープな所作を音にはめながらスタート。4トウ下りた!3アクセル+2トウも入り、2本目の3アクセルもややこらえたが下りる。ルッツが単独になったのはもったいなかったが、最後の3ループ+オイラー+3サルコウまで頑張った。
ゴゴレフの曲より起承転結がある曲で、盛り上げやすいのでは?選曲は正解。
アルトゥール・ダニエリアン(ロシア) SP:77.71(9) FS:142.97(5) 合計:220.68(4)
「椿姫」♪ 黒と紫。4サルコウは転倒したが、3アクセルがきれい。ストリーミングが安定しなくてよく見られなかったが、上品な表現ができている。
アダム・シャオ・ヒム・ファ(フランス) SP:77.74(8) FS:142.17(6) 合計:219.91(6)
「Take Me to Church」♪ 黒に赤。4トウ+3トウ、なんとか立った。3アクセルのスムーズさに歓声が起こる。4サルコウ、ダメかと思ったがうまく下りた。2本目の4トウは着氷乱れる。最後のフリップに片手上げ2トウをつけてリカバリー。
ボーカルが盛り上がるパートで力強くステップ。挑戦的なプログラムをよく滑り切った。
ジョゼフ・ファン(カナダ) SP:77.89(7) FS:131.13(13) 合計:209.02(12)
「ゴッドファーザー」♪ 白シャツにワインカラーのベスト。冒頭の4トウが1回転で胸から落ちた でも直後の4トウ、片手はついたが立ったのは偉い。終盤の2アクセル+3トウが+2トウになったあたり、意外と得点的には痛かったような
キス&クライにはチームクリケットでジャンプ指導のコーチ、ジスラン・ブリアンが帯同。
<G4>
ペトル・グメンニク(ロシア) SP:80.33(4) FS:131.81(11) 合計:212.14(10)
「ロミオとジュリエット」♪ 白シャツに赤を重ねて。4サルコウ、ステップアウト。3アクセル転倒。しかし崩れず、2本目の3アクセルを+2トウ+2ループとし、最後の3ルッツに3ループをつけるなど、攻めの姿勢を貫いた。
女子でもなかなかできないような美しい姿勢のドーナツスピン、魅力的。
アレクセイ・クラスノジョン(ロシア) SP:79.98(5) FS:131.49(12) 合計:211.47(11)
「コロブシュカ」♪ 赤のルパシカ風。4トウ転倒、3アクセルでステップアウト。次の3アクセルもステップアウトっぽかったが、+オイラー+3サルコウにしてなんとか。後半3フリップ+3ループは素晴らしい
いつもほど体が自在に動いてない感じで、ステップのノリも今一つだったような
ロマン・サヴォシン(ロシア) SP:78.33(6) FS:150.95(1) 合計:229.28(2)
「ピアノ協奏曲第2番」♪ 紫。4トウ、4サルコウ、一瞬危なそうに見えるのに下りる瞬間にちゃんと下りてくる、強い! 3アクセル+3トウ、単独3アクセル、3ルッツ+3トウ、空中で多少姿勢が曲がっても修正できる能力の高さ。
スケーティングもよく滑っていて、見ていて心地よかった。高得点でトップに立つ。
ダニエル・グラスル(イタリア) SP:81.19(3) FS:143.48(4) 合計:224.67(3)
「Dance Pieces」♪ 赤に黒手袋。4ルッツ、転倒。4ループ、立った! 3アクセルには余裕がある。3ルッツ+3トウ、3フリップ+オイラー+3サルコウは決めたが、予定にあった3ルッツ+3ループはやめてルッツ単独に。
ステップのあたりはかなりスピードが落ちているように見えたが、ターンはきちんとしてレベル4獲得。課題はやはり回転不足か。
カムデン・プルキネン(アメリカ) SP:82.41(1) FS:134.27(9) 合計:216.68(8)
「ウェストサイド物語」♪ ブルーのシャツ。4回転は入れない構成。3アクセルはひやっとしたがこらえる。ルッツ転倒したが、3アクセル+3トウが見事。ヤバいのはフリップが2回転になったところで 最後の3ルッツを+オイラー+2サルコウにしたが、、、
要素と要素の間に見せるちょっとした所作にほどよい色気。男前だし、人気はありそうだけど、クリーンに出来ることが少ないかも。そしてTime Violationで2点減点って
樋渡知樹(アメリカ) SP:81.50(2) FS:148.82(2) 合計:230.32(1)
「Fate of the Gods」♪ 黒にゴールド。4トウ+3トウ、決まった 3アクセル+2トウも入る。2つ目の4トウが2回転になってしまった クリムキンイーグルからバレエジャンプをして3サルコウって 後半のジャンプもしっかり決める。躍動感のあるステップ、最後のスピンはビールマンで会場を沸かせた。
フリー得点を見た時点では勝ったと思っていなくて、最終結果を見た瞬間に弾けた
結果、優勝はSPフリー共に2位とそろえられた樋渡知樹、2位にフリー1位を取ったサヴォシン、3位グラスル。4位ダニエリアン、5位ゴゴレフ、6位シャオ・ヒム・ファ、7位マイスラゼとSPより順位を上げてきた。逆にSP1位のプルキネンは8位と順位を落とした。グメンニク、クラスノジョン、ファンもかなり落とした口。
島田高志郎8位、壷井達也14位と日本勢は順位を上げ、来季の2枠を確保。アメリカ、ロシアは3枠、イタリア、カナダは2枠を守り、フランスとジョージアが2枠を得た。ウクライナ、韓国、ドイツは1枠に減った。
表彰式、最後に呼ばれた金メダルの樋渡くん、バレエジャンプ連続!3位と2位の選手たちと握手するのも忘れて表彰台に飛び乗った。あとでちゃんと握手したかな?
3人が肩を組むと真ん中が大きく凹んで(笑) Bioによると160㎝しかないので、宇野昌磨とほぼ同じだ。19歳になっているので、これが最後のジュニアの大会となる。来季はシニアのグランプリシリーズで2大会アサインしてもらえるといいな
あと残るはアイスダンス・フリーと女子フリー
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