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中国語の呼び方

2006年05月13日 02時59分57秒 | ××語
 今までこのブログで気楽に“北京語”という単語を使ってきたが、一度ちゃんと説明しておいたほうがいいかもしれない。本来、北京語は北京地方の言語のこと。現代の中国語が北京を中心とする地域の発音・語彙を基準としているので、北京語は標準的な中国語に近い。けれども、日本語の標準語と東京弁が完全に一致するわけではないように、伝統的な北京語は標準的な中国語と完全に同じものではない。私が“北京語”という単語を使うときは、中国の地方言語―主に広東語―と比較・対比する場合が多いので、「標準的な中国語」と言ってもいいのだが、長ったらしくて、、、
 そもそも、「中国語」という単語は、中国語ではあまり使わない^^; 使うのは外国語と比較するときくらい。中文に書いたように、中国は多民族国家なので、漢族以外の民族の言語も中国の言語という立場から、「漢語」[han4 yu3](漢族の言語)という単語が一般的だ。どこの地方でも通じるという意味で、「普通話」[pu3 tong1 hua4]も使われる。
 台湾では「國語」[guo2 yu3]という(大陸の中国語とは発音や語彙の点で多少違いも出てきたため、「台湾國語」という単語もある)。ポップスは一般に北京語で歌われるが、台湾語や客家語、原住民言語の音楽もあるので、「國語曲」「台語曲」などと区別される。(限りなく日本の演歌に近い曲調の台湾語ポップスは、実は根強い人気を誇る。)
 シンガポールやマレーシアでは、「華語」[hua2 yu3](中華系の人々の言語)と呼んでいる。広東語や福建語(閩南語ともいう、台湾語に近い)の話し手も多いシンガポールのCD屋では、北京語曲なら「華」(シンガポールでは簡体字が採用されているので、実際には「化/十」)、広東語曲なら「粤」(広東のことを伝統的な略語で粤という)、福建語なら「閩」(福建のことを同様に閩という)のシールをCDに貼っている。
 香港では「普通話」が多い。広東語でもこの字を広東語読みして、「イ尓識唔識講普通話呀?」(ねい しっkむしっk こん ぽうとんわー あ?)『普通話、話せる?』のように使う。
 英語なら、Mandarinという単語がある。「Do you speak Mandarin?」「No, but I speak Cantonese.」のように使える。(満大人=man da renからきているとか。清朝の役人の言葉、ということらしい)
 さて、日本語では何て呼ぶのがいいだろう? 日本語で「漢語」といえば中国由来の漢字で書く日本語のことだし、「国語」はまさに日本語のことになってしまう。「華語」で何のことかわかる人は少なそうだし、「普通話」も中国語を学んでいる人以外にはあまり知られてないだろう。「マンダリン」じゃオレンジだと思われそう。「中国語」ととっくに“中國香港”の広東語を並べて語るのもなんだかなぁ。。。
 というわけで、このブログで私が“北京語”といったら、それは「標準的な中国語」という意味だと思ってください。よろしく

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