ノービス→ジュニア→シニア

　テレビ朝日「報道ステーション」の「フィギュアＧＰ好調の日本を支える育成方法とは…」、どんな切り口かと思ったら、キーワードは「ノービス」だった。
　十数年前から始まった全日本ノービス選手権。鈴木明子や高橋大輔など、今トップの中でベテランに入る選手たちが、ちょうどノービスの年齢のころからという。
　中1の鈴木明子、小6の高橋大輔、貴重な映像が出てくる。小4の浅田真央ちゃんの可愛いこと　ノービス時代から衣装の背中にダーツだった小塚崇彦に、緊張した顔で几帳面にお辞儀をする小6の町田樹。そしてマッシュルームカットの髪をなびかせる小4の羽生結弦。いや、よく掘り出した
　ノービス年齢で将来性があると見込まれた選手たちを鍛える「野辺山合宿」は有名だが、ノービス選手権がまだ今年で16回の歴史だったということにあらためて気がついた。
　「ノービス選手権で入賞すると、小学3、4年でも海外の試合に派遣される。小さいころに世界を経験しておくことはすごく大きい」と荒川静香さん。なるほど。
　ノービスは9歳・10歳のノービスBと、11歳・12歳のノービスAに2クラスに分かれる。7月1日時点での満年齢で決まるので、Bは4月～6月生まれの小3・小4・7月以降生まれの小5、Aは4月～6月生まれの小5・小6・7月以降生まれの中1で構成される。
　全日本ノービスAの上位は、全日本ジュニア選手権に出場資格が与えられる。フリーだけのノービスと違って、ジュニアは規定のジャンプやスピンを含むショートプログラムがあるし、フリーも時間が長くジャンプの数が増える。にもかかわらず、ノービスの選手がジュニアの中でけっこう上位に食い込んでくるのだ。
　今年の全日本ジュニア選手権で、男子は4位と7位、女子は7位・8位・9位・15位に入った。すでに日本スケート連盟の強化選手に指定されてる選手もいる。ノービス年齢だと全日本選手権には出場できないが、エキシビションでは紹介されるかもしれない。今季ジュニア2年目の宇野昌磨や宮原知子が、小6、中1のノービス時代にそうだったし。
　小さい頃にいい成績を出して海外の試合を体験した選手全員が、大きくなってトップ選手になれるというわけではないけれど、たくさん機会があるということが大事なんだろうな
　番組では、「下の世代の選手たちの成長の速さが、上の世代の選手たちに刺激を与え、切磋琢磨して強くなっている」とまとめていた。若い世代にとっては、先輩たちが切り開いた道をどんどんついていけばいいから、成長が速いのは当たり前。松岡修造「男子がこれほど強くなるなんて、思ってましたか」古舘「誰に向かって挑発してるんですか」には笑った。
　私は、「条件さえ整えば、長く選手を続けられる」時代になったことも大きいと思う。昔は大学にいる間くらいが限度だったし、それ以上は経済的にも厳しかっただろう。トレーニングや体調管理の方法も進歩している。ベテランがますます進化するのを見たら、後輩たちは先輩たちの“卒業”を待っていてもトップになれないから、頑張るしかない！

　で、ジュニアの話。全日本ジュニアでは、男子は日野龍樹が優勝。日野は209.85の高得点　2位は宇野昌磨、190.58は悪くない。3位に田中刑事、189.46。日野選手と田中選手はジュニアグランプリファイナルに出場する。4回転を跳ぶ選手もいる中でシビアな戦いだけど、ぜひいい演技をしてほしい
　女子は宮原知子が圧倒的な強さで優勝。彼女もファイナル出場なので、好調を維持しているといいな。5位までが150点以上と、なかなか高水準だったようだ。
　ジュニアグランプリファイナルは、シニアと同じ会場・日程で行われる。ソチで今年滑ったジュニア選手の中から、ソチ五輪で滑る選手が出るかも　日本での放送は…ないかも＾＾；　ISUがYouTubeに順次映像をアップしてくれるので、そちらで見られる。（ネットでLive Streamingがあれば、演技前後やキス＆クライでの表情が見られて嬉しいんだけど）
　ファイナルに出ないジュニア選手たちも、このあと大きな山場がある。全日本ジュニア上位がそのまま世界ジュニア選手権代表になるわけではなく、全日本選手権に出場して好成績の選手が代表候補となるのだ。フリーの演技時間が長くなったりして大変なんだけど、全日本ジュニアでいまいちだった選手には挽回のチャンス。今季世界ジュニアは男女とも2枠なので、こちらも争いは熾烈だ、、、
　男子は日野龍樹が有利だが、2人目は宇野昌磨になるか田中刑事になるか？　女子も2人目が誰になるかは全日本次第と思われる。全日本ジュニアに出場せず、シニアのブロック大会から全日本に進むジュニア年齢の選手もいるから、ますます競争が激しくなりそう。

　忘れずに書いておきたいことがもう一つ。今、日本のアイスダンスの選手が増えている
　全日本選手権には4組がエントリー。全日本ジュニアは1組だけだったが、全日本ノービスには3組が出場した。写真を見るとけっこう大きい子がいるんだけど、ノービスは最高14歳まで出場可能なので、中学生なのかな＾＾；　今は海外でそれなりの成績を残せるのはリード姉弟組だけだが、将来は複数枠を持つような強豪になれる、かも？！
　あとはペアを育てたい。。。

　全日本選手権エントリーの詳細についてはまたあとで。