先週から、フィギュアスケートの全日本選手権・全日本ジュニア・全日本ノービスにつながる、各地のブロック大会が始まっている。シニアとジュニアは先週の中部と中四国九州、それと来週の近畿ブロックを勝ち上がると西日本選手権に、今週の関東と東北・北海道、来週の東京ブロックからは東日本選手権に進める。ノービスは各ブロック上位が全日本ノービスに出場する。
ペアとアイスダンスは競技者が少ないため、ブロック大会では競技が行われない。例年、東日本/西日本選手権からの開催となっていた。ジャッジ/テクニカルパネルを務められる人も少ないのか、東で西のペアも行う、西で東のアイスダンスも行う、といった措置がここ数年取られていた。
男女シングルは東日本/西日本でさらに上位だけが全日本/全日本ジュニアに進めるわけだが、ペアとアイスダンスは全組が全日本/全日本ジュニアに出場できる。予選というより、シーズン途中で評価の機会という感じだ。
今年から、ペアとアイスダンスは東日本選手権・西日本選手権に入らないことになった といっても、昨季までと同様、東日本または西日本選手権の会場で競技は行われる。大会名称が「第90回全日本選手権大会 兼 第90回全日本ジュニア選手権大会ペア予選会」「第90回全日本選手権大会 兼 第90回全日本ジュニア選手権大会アイスダンス予選会」となったようだ。
まあ、わざわざ東と西に分ける必要すらなかったわけで(昨季は西日本2組東日本1組、西日本ジュニア2組東日本ジュニア1組だった)
その予選会について、先日日本スケート連盟から発表があった。
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アイスダンス・ペアは海外に拠点を置いている選手や外国籍選手とカップルを組んでいる選手が多くいます。
新型コロナウイルス感染症に対する水際対策として入国制限や入国後の行動制限などが続いている状況から、外国籍選手が入国できなかったり、入出国に伴う隔離期間により全日本選手権大会に向けたトレーニング計画に支障が出ます。
このことから、今年度のアイスダンス・ペアの予選会は任意参加とし、予選会にエントリー済みの選手は予選会に参加せず全日本選手権大会に参加できるものとします。
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ということは、予選会に出てくる組は限られてきそう・・・
現在、全日本選手権及び全日本ジュニアにエントリーすると思われる選手たちの練習拠点状況を見てみよう。
<ペア>(西日本選手権11/4-7と同時開催)
三浦璃来/木原龍一(シニア) カナダ
柚木心結/市橋翔哉(シニア) 京都・大坂(おそらく)
櫛田育良/森口澄士(ジュニア) 京都(木下アカデミー)
柚木/市橋組は、先月初めに結成が発表されたばかり。柚木心結選手は昨季まで帯広FSCからジュニアに出場していたが、今年京都に引っ越したそうで、今季は京都宇治FSCから近畿ブロックのジュニアにエントリーしている。15歳になっているので、シニアにエントリーできる。
市橋翔哉選手は、三浦璃来選手の前のパートナー。解散後ずっと新パートナーを探していたようだが、見つかって何より
三浦/木原組は10/22~のスケートアメリカ、11/12~のNHK杯にエントリーしている。各国の入国制限や隔離期間との兼ね合いもあるが、NHK杯前に帰国、もし余裕があればいったんカナダに戻り、全日本前にまた日本へという形になるだろう。
櫛田/森口組は、それぞれシングルでも大会にエントリーしていて、近畿から西日本に進めば、シングルとペアの両方に出場することになりそうだ。
柚木選手も同じだが、市橋選手はペアだけなので楽?! 結成したばかりなので、大会にエントリーできるかどうかわからないが、どのくらいできるか試す意味でも出てほしい
<アイスダンス>(東日本選手権10/28-31と同時開催)
小松原美里/小松原尊(シニア) カナダ(モントリオール)
村元哉中/高橋大輔(シニア) アメリカ
深瀬理香子/張睿中オリバー(シニア) カナダ(モントリオール)
平山姫里有/立野在(シニア) 岡山
矢島榛乃/池田喜充(シニア) フィンランド(?)
高浪歩未/西山真瑚(シニア) カナダ(トロント)
高橋ニコル/シャイロー・ジャッド(シニア) アメリカ
吉田唄菜/浦野誓二(ジュニア) アメリカ・岡山(たぶん)
佐々木彩乃/田村篤彦(ジュニア) 東京・広島(詳細は不明)
山下珂歩/永田裕人(ジュニア) 名古屋
來田奈央/森田真沙也(ジュニア) 京都(木下アカデミー)
小松原組はスケートアメリカとNHK杯にエントリーなので、NHK杯前の帰国だろう。全日本までに一度カナダに戻るかどうかはわからない。村元/高橋組もNHK杯前に帰国、翌週ワルシャワカップに出場して一旦アメリカに戻る形になるか。
深瀬/張組は大会出場のチャンスが少ないが、どうするだろうか。矢島/池田組はTwitterを見るとフィンランドに滞在しているようだが、どのタイミングで帰ってくるか。高橋ニコル選手は東日本の会場である東伏見で滑るのを楽しみにしていたようだが、隔離期間がいまだにあるので無理はしないだろう。カナダ入国時に隔離で苦労した高浪/西山組は、西山選手がシングルで東京ブロックにエントリーしていたが、出場をとりやめる決断をした。
というわけで、シニア勢で確実に予選会に出てくるのは平山/立野組だけだと考えられる。
逆にジュニア勢は、浦野選手のインスタグラムによると既に日本にいるらしいので、普通に4組とも参加するのではないだろうか。
実は、アイスダンス予選会が東日本選手権の会場・東伏見とわかったとき、ちょっと心配した。予選免除が決まっていたのは小松原組だけなので、村元哉中/高橋大輔組が出場して、かつ観客が入れることになったら、恐ろしい事態になるのでは・・・
海外組はこれで出てこないことが概ねはっきりしたので、観客が入れることになっても、それほど混乱はないと思われる。もし入れるなら、私は“きりある”平山/立野と“うたじ”吉田/浦野を見に行きたい
フィギュアスケート見るのに忙しいシーズンに
先週行われたカナダの地方大会・Souvenir Georges-Éthier 2021で、高浪歩未/西山真瑚組がシニアデビュー戦を飾った
リズムダンスは68.87(技術点42.79、演技構成点26.08)。
1位のMarie-Jade Lauriault / Romain Le Gacが75.08。彼らのパーソナルベストは71.50だから、今大会はそんなに“盛った”点数ではない。技術点の基礎点合計が34.89、かなりいい 特にパターンダンス(ミッドナイトブルース)のキーポイント4つが全てY(Yes)というのは素晴らしい
パターンダンスのGOEは、レベルB(キーポイントにYなし)以外は同じなので、基礎点の差はGOEである程度取り返せるが、基礎点が高いに越したことはない
ツイズルもそろってレベル4だし、リフトもそれほど複雑な動きではないがレベルは4が取れている。あとはパターンダンスタイプステップシークエンスと、ミッドラインステップのレベルを上げるのが今季の目標かな。
PCSは6.52平均。1番ジャッジさんがめっちゃ辛い
フリーダンスは101.78(技術点59.38、演技構成点42.40)。
キャラクターステップで始まるのは“うたしん”「ドン・キホーテ」を思い出させる。ツイズルで少しだけ西山くんが足を下ろすのが早かったせいか、レベル3止まり。ワンフットステップが2人ともレベル2、ここはもう少し伸ばしたいところ。「パリのアメリカ人」、爽やかな若々しいミュージカルナンバーになっている。
フリーは極端に厳しいジャッジはなく PCS平均7.06、じわっと上がった。
正直、高浪歩未選手の実力があまりわかっていなかったんだけど、こうして見ると、西山選手との相性がよくて、いい成長をしているのだろう。北京の次のミラノ五輪をミラノ五輪を目指すと言っている2人だが、今季どこかで国際大会に派遣されてもいいはず。バーバリアンオープンとか、チャレンジカップとか、来季以降に期待される選手を派遣する大会にぜひ出してほしい。
ところで、衣装(1枚目がフリー、2枚目がリズムダンス)はこれで決まりなんだろうか? (フリーはいいとして、リズムダンスは“ストリートダンス”にしては可愛い系のような気がするんだけど
彼らの演技が次はいつ、どこで見られるか。それについては次で。