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18歳の3人、それぞれ

2016年05月09日 03時32分06秒 | スポーツ

 フィギュアスケートのシーズンが終わって、オフに入る選手、アイスショーで忙しい選手、怪我の治療に専念している選手、来季のプログラムにとりかかる選手、、、という時期。
 チームチャレンジカップ2016で、世界初の4回転フリップを成功させた宇野昌磨は、スターズオンアイスでも4回転フリップを跳んで着氷していた そうやって毎回跳んでいれば、ますます確率が上がって計算できるジャンプになっていくだろう。
 フィギュアスケートでは、6月30日時点の満年齢でノービス・ジュニア・シニアの出場資格が決まる。7月1日シーズンイン時点の同年齢が、スケート界での“同期”ということになる。(日本の場合、4月~6月生まれが“早生まれ”みたいな感じ 同学年の他の子たちより、先に上がって先に卒業)
 チームチャレンジカップ2016には、宇野と“同期”が2人いた。チーム・アジアで3種類の4回転を跳ぶ金博洋(Boyang JIN)と、羽生結弦と同じブライアン・オーサーの指導を受ける、チーム・ノースアメリカのナム・ニュエン。金博洋は1997年10月生まれ、ニュエンは1998年5月生まれでもうすぐ18歳になる。
 バンクーバー五輪のエキシビションに出演したニュエンは、8歳でジュヴナイル優勝を皮切りに、カナダ選手権の年齢別カテゴリをプレノービス、ノービス、ジュニアと順次制覇。宇野も小4・小5のノービスB、小6・中1のノービスAで全日本ノービス4連覇と同世代のスーパーエース。金博洋のジュニア以前はちょっとわからないけど^^;
 3人の歩みを、シーズンごとにまとめてみた。カッコ内はシーズンイン時点の年齢。アルファベット国名略称はジュニアグランプリシリーズ大会。世界Jは世界ジュニア、世界は世界選手権。

<2011/2012>(13) JGP  
  LAT POL ROU EST 世界J
宇野   4   3 10
ニュエン 12   3   13
金博洋   ISU大会出場なし

 宇野とニュエンは13歳でJGPデビュー、それぞれ2戦目で表彰台、世界ジュニアにも出場と悪くないスタート。ニュエンは世界ジュニア予選1位通過だった。金博洋はまだ出場させてもらえず、先輩の閻涵(Han YAN)がファイナル2位、世界ジュニア優勝とブレイク。

<2012/2013>(14) JGP    
  FRA TUR SLO GER JGPF 世界J
宇野     6 2   7
ニュエン 9 3       12
金博洋 1   2   5 4

 金博洋がデビュー戦でいきなり優勝!フリーで4回転トウループとトリプルアクセル2本を入れて、一気にファイナルへ進出。宇野はトリプルアクセルなしで頑張り、ドイツ大会2位は先輩・田中刑事のファイナル進出に援護射撃 ニュエンは大会によって出来にばらつきが^^;

<2013/2014>(15) JGP        
  LAT MEX POL EST JGPF 四大陸 世界J 世界
宇野 3     4     5  
ニュエン   4 16     10 1 12
金博洋 1     1 1   6  

 金博洋は4回転トウループのほか4回転サルコウも入れ始めてJGP2連勝。ファイナルではSP5位から、JGP2大会優勝の田中刑事やネイサン・チェンを逆転して優勝、フリーは4回転3本 宇野のトリプルアクセルはまだ成功率が低いが、ステップや演技構成点の評価が上がってきた。
 シーズン前半はトリプルアクセルを決められなかったニュエンが、四大陸でSPとフリー両方で成功、自信をつけて世界ジュニアも制した。世界選手権も一足先にデビュー。

<2014/2015>(16) JGP   GP      
  SLO JPN CRO JGPF SA CoC 四大陸 世界J 世界
宇野   2 1 1     5 1  
ニュエン         3 4 11   5
金博洋 1 1   4       2  

 (SA=スケートアメリカ CoC=中国杯)
 世界ジュニア王者となったニュエンはジュニア卒業、GP初戦で表彰台。金博洋はフリー4回転3本を標準装備 宇野と高得点の争いを繰り広げる。宇野も4回転トウループ、トリプルアクセルにも挑み、ファイナルではジュニア歴代最高得点を叩き出して優勝。
 宇野は四大陸SPで4回転トウループを成功、5位と健闘してシニアに上がる準備万端。世界ジュニアはSPで出遅れた金博洋がフリーでビシバシ4回転を決めて大接戦となったが、トリプルアクセル2本を安定して決められるようになった宇野が逃げ切って優勝した。ジュニアの中では演技構成点の突出した高さが光る
 四大陸ではジャンプにミスが出たニュエンだったが、世界選手権では4回転サルコウ、トリプルアクセルを決めて5位!国別対抗戦でも活躍した。

<2015/2016>(17)   GP          
  SA SC CoC TEB CoR NHK GPF 四大陸 世界
宇野 2     1     3 4 7
ニュエン   5     7       27
金博洋     2     2 5 2 3

 (SA=スケートアメリカ SC=スケートカナダ CoC=中国杯 TEB=エリックボンパール杯 CoR=ロステレコム杯 NHK=NHK杯)
 宇野と金博洋もシニアに上がり、3人ともGPシリーズ2大会に出場。全員別の大会となった^^; 宇野、金博洋は見事ファイナル進出。
 金博洋は世界初の4回転ルッツをSPフリー両方で着氷、SP2本フリー3種類4本の4回転で驀進 スピンやステップでもレベル4が取れるようになった。宇野は4回転はトウループだけだが、トリプルアクセル以下安定したジャンプと音楽表現で、総合力を爆上げ
 ニュエンは前シーズンと同水準の得点を出すが、周りが高得点化しているので順位はいまいち。国内選手権4位に沈んだが、3枠獲得の使命を帯びて世界選手権に出場、フリーに進めなかった 4回転とトリプルアクセルに波があるのが課題か。

 こうしてみると、金博洋は国際大会デビューこそ1年遅かったが、ジュニア3シーズンともJGPファイナル進出、世界ジュニア4位・6位・2位と好成績を続けていた。宇野はジュニア4シーズン目にして最初で最後のファイナル進出で優勝、世界ジュニアは10位・7位・5位・1位と着実に順位を上げた。一方ニュエンは1度もファイナル進出がないまま、世界ジュニア13位・12位からいきなり1位でシニアに上がった。
 3人3様の歩みだが、これからは?
 宇野は跳べるようになった4回転フリップとトウループ、トリプルアクセルを安定させながら音楽と一体になったプログラムを追及するだけで、世界のトップを狙えそうだ。さらに4回転の種類を増やすつもりのようだが、それでスケーティングを崩すことがないように、バランスをとっていってほしい。
 金博洋は4回転をたくさん跳ぶものの、今はまだ加点があまりついてない。精度を高めて、きれいに流れるジャンプを目指したい。また演技構成点が技術点に対して極端に(?!)低く、宇野と比べるとSP4~5点、フリー8~10点差が付いてしまう。基本のスケーティングを真面目にやる必要がありそう。
 ニュエンはコーチと練習拠点を変えるらしい。彼も演技構成点があまり伸びてないが、身長が伸びた分(?)少し猫背になっている感じで、トリプルアクセルの前に深くかがみこむ姿勢も気になる スケーティングとジャンプの軸を安定させたら、成績も上向いてくると思う。
 来年の今頃、この3人はどうなっているかな。平昌五輪に3人そろって出場できるか? じっくり見守りたい

コメント
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