Thank you for the music

好きな音楽のこと、あれこれ。その他諸々もあり。

森・元首相の発言

2014年02月22日 03時46分48秒 | Weblog

 問題発言
 20日(木)に福岡で行った講演で、ソチオリンピックでのフィギュアスケート競技について発言した。こちらで書き起こしが読める。前後の文脈を理解した上で読み返しても、いただけない内容だ。
 「(浅田真央選手の演技に関して)あの子、大事なときには必ず転ぶんですよね。なんでなんだろうなと。」
 (大事なときとは、どの大会のことを言っているのか不明。オリンピックに限っていえば、バンクーバーではミスはあったが転倒はしていない)

 「開会式の翌日に団体戦がありましてね、あれはね、出なきゃよかったんですよ日本は。あれは色んな種目があって、それを団体戦で。特にペアでやるアイスダンスっていうんですかね。あれ日本にできる人はいないんですね。あのご兄弟は、アメリカに住んでおられるんだと思います確か。ハーフ。お母さんが日本人で、お父さんがアメリカ人なのかな。そのご兄弟がやっておられるから、まだオリンピックに出るだけの力量ではなかったんだということですが、日本にはいないもんですから、あの方を日本に帰化させて日本の選手団で出して、点数が全然とれなかった。」
 (まだオリンピックに出るだけの力量ではなかったどころか、バンクーバーに続いて2回目のオリンピック。お母さんが日本人なので生まれたときから日本国籍も保有しており、成人後に日本国籍を選択したので帰化ではない。リード組以前に渡辺心/木戸章之組がオリンピックに出場した実績があり、ほかにも選手はいる。)

 「あともう皆ダメで、せめて浅田さんが出れば3回転半をすると、3回転半をする女性がいないというので、彼女が出て3回転半をすると、ひょっとすると3位になれるかもしれないという淡い気持ちでね。浅田さんを出したんですが。また見事にひっくり返っちゃいまして、結局、団体戦も惨敗を喫したという。」
 (あともう皆ダメ? 結成1年のペアがビリでなく下から3番目だったのはダメなのか。町田樹選手や鈴木明子選手が滑って最終結果が出たのは浅田真央選手の滑走より後、あともう皆ダメという状況にそもそもなっていない。団体戦は10チーム参加しているが、上位5チームのフリーに進出してもメダルに届かなかったら惨敗なのか?)

 「その傷が浅田さんに残ってたとしたら、ものすごくかわいそうな話なんですね。団体戦負けるとわかってる、団体戦に何も浅田さんを出して、恥かかせることなかったと思うんですよね。その、転んだということが心にやっぱ残ってますから、今度自分の本番のきのうの夜はですね、昨日というか今朝の明け方は、なんとしても転んじゃいかんという気持ちが強く出てたんだと思いますね。いい回転をされてましたけど、ちょっと勢いが強すぎたでしょうかね。ちょっと転んで手をついてしました。だからそういうふうにちょっと運が悪かったなと思って見ております。」
 (団体戦で転倒したら恥をかかされたことになるのか? 個人戦の転倒は団体戦の影響だけが原因なのか? 団体戦に出場していなかったら個人戦がうまくいったという保証があるわけではない。メダリスト12人/組のうち、団体戦に出場した選手は男子2人女子1人ペア2組アイスダンス3組。団体戦がなかったほうが有利とも結論付けられない。)

 団体戦を戦うスタンスとしては、確かにチーム日本は中途半端なところがあったかもしれない。イタリアあたりは「フリーに進めればいい、1回滑って場慣れして、あとは楽しもう」という感じだった。日本も「強豪がそろってるんだから、ダメ元で挑戦!」くらいの気楽な感じで入ってもよかったかも。
 とはいえ、森氏の発言は日頃観戦してない競技を素人が思い込みで言いたい放題、という印象。居酒屋でおじさんたちが喋ってるならいいんだけど、元首相という肩書の人が講演で話すのはどうなのか。「政治家をやめてしまいましてもう2年以上も経っちゃいました。ですから、むしろ私人であり、一スポーツ人であると私は思っております。」と言っているが、スポーツ人だと思うなら、もう少し各競技と選手に敬意を持ってほしいものだ。

 そして何より、2020年東京オリンピック組織委員会会長という立場にある人として、事実誤認したままでは困る。
 オリンピックに国の代表として参加する選手は、その国の国籍(市民権)を持っていることが必須の条件。近年、競技力向上のために他国の選手に市民権を付与して代表になってもらうケース(サッカーとか)、出場機会を求めて他国の市民権を得てその国の代表になるケース(卓球とか)が多くなり、ロンドン五輪のときも論議が起こっていた。
 今回のソチオリンピックでも、国籍変更が間に合わずに出場枠を返上したケース(フィギュアスケート・ペアのエストニア&フランス)がある。オリンピックと国籍は常に微妙な問題をはらんでいる。
 アイスダンス・リード姉弟組について「帰化させた」と認識しているのは、日本の国籍法を正確に把握してないということだ。昭和59年まで父系血統主義で父が日本人でなければ日本国籍が与えられなかったので、カタカナ苗字の日本人がいるわけないと思い込んでいるらしい。
 自国の国籍法くらい、ちゃんと理解してなくて、オリンピック関連の仕事ができるのか? 適性を疑う声が上がっているそうだが、それも当然だと思う。このままでいいのか、組織委員会は本気で考えて

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする