「蘇永康聽情歌演唱會」。詳しいレポートはこれから書いて、SO NICE(Tootieさんの蘇永康ファンサイト)にUPしてもらう予定だが、とりあえず何か書かないと気持ちの昂りがおさまりそうにないので
七三分けにゴールドのスーツで丁寧に歌う姿は、私たちファンが“信用金庫職員”と呼ぶ、デビューから数年間の生真面目な雰囲気を思い出させた。彼の歌の原点に返ろうとしているような気がした。
声が豊かに出ている。ぐいぐい乗っていく感じと抑制をきかせる感じのバランスが絶妙で、自在さが心地よい。
北京語の発音の確かさ。子音、母音の一音一音から、歌詞の意味が直接伝わってくる。曲も詞も、おそらく以前よりずっと解釈が深くなっている。これを聴いてしまったら、古いCDは聴く気になれないかも・・・。
バラードが続いても、似たような印象にならない。本のページをめくるように、ちゃんとそれぞれの曲の物語が紡がれていく。
CDではベタなバラードの「飢餓」が、ゆったりしたグルーブを醸し出すジャズのフィーリング。はっきりしたジャズのアレンジではないのに、自然に生まれてくる。以前は「これはジャズ」「これはR&B」みたいな典型的なアレンジに曲をはめ込むことが多かったけど、もうそんな必要はないのだ。彼自身の歌の中に、彼の好きな音楽の要素は全部あるから。
正直、台北で國語曲中心のコンサートという点で、私はあまり期待してなかった。広東語曲に比べると、彼の國語曲は私にはあまり面白くないというか 本人も以前「北京語アルバムは飯の種」なんて発言したこともある。ところが、香港のファンにきくと「彼の國語曲はsexyだから好き」なんだそうで私は意外に思っていた。
でも、今回の彼の歌を聴いていて、「こんなにいい曲だったんだ~」といちいち思い、香港ファンの意見にも納得するものがあった。(「我們都是貪愛的人」なんか、とろけそう)
ある年齢にならなければ、ある時期が来なければ、得られないものがある。果実が熟して落ちてくるのをじっと待つように、彼は待って、待って、今、それを手にしたんだと思う。
地道な努力は、裏切らない。そう思えることが何より嬉しい。
2日目のコンサート後に渡すプレゼントに添えたカードに書いたフレーズ、“14年做你的歌迷、就是我的驕傲”(14年間あなたのファンであることは、私の誇り)。それが今の気持ち。
会場には“経理人”の黄柏高(パコ・ウォン)のほか、「男人不該讓女人流涙」の作曲者・黄國倫、以前台湾での“経理人”李亞明、新秀に出たころからの親友・欧陽徳などが姿を見せた。2日目にシークレットで許志安(アンディ・ホイ)と梁漢文(エドモンド・リョン)が出てきたときには、本当に驚き喜んでいた(二人は5時に台湾に着く便で飛んできたそうな)。この3人が北京語で会話する様子って、めったに見られないかも
謝霆鋒(ニコラス・ツェ)張柏芝(セシリア・チョン)夫妻は来ていなかったようだ。張衛健(ディッキー・チョン)の応援ビデオは面白かった。
旧正月には、シンガポールでミュージカルに出演。3月か4月には、香港でコンサート(紅館じゃなくて、九龍湾)。彼のこれからが、楽しみ
<追記>
コンサートをささえたバンドメンバー、知っている名前はなかったが、みんな腕は確かな人ばかりだった。シンプルだが曲の新たな魅力を引き出すアレンジ。バラードが多いのでいい加減にやるとダサくなりやすいが、丁寧に歌に添うように演奏していた。メンバー紹介でバリバリにジャズなソロを披露してくれて、実力に納得!
紹介された順に名前を記しておく。
ドラム:阿文 ベース:阿池 1stギター:阿寶 2ndギター:阿中 サックス:小段 バイオリン:三洋 2ndキーボード:表哥 1stキーボード・音楽総監:阿彬 コーラス:孫安妮/庭芸