ヒュースタ日誌

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「第19回青少年支援セミナー」2日目のご案内

2013年03月20日 12時41分16秒 | ホーププロジェクト
 4週間前に発表した2012年度の標記イベント。いよいよ開幕まであと3日となりました。

 広報の浸透にともない今週に入って続々と事前申し込みをいただいており、おかげさまで2日目は事前申し込みだけで定員の半数が埋まっています。これは事前申込制の回としてはトップクラスの人数です。

 明日午後4時の〆切を過ぎたあとは当日会場でのお申し込みとなりますが、受付をスムーズに進めるため、可能な方は事前にお申し込みくださいますよう引き続きお願いいたします。

 さて、今回は『不登校・ひきこもりからの生き方を考える』という全体テーマのほかに、初めて各日ごとに小テーマを設定しました。
 講座を開講する1日目は『不登校・ひきこもりの支援再考』と、シンポジウムを実施する2日目は『バリアフリーな生き方を求めて』としています。

 つまり、1日目にこれまでの不登校・ひきこもり支援の考え方とありようを問い直して当事者側から違う考え方あり方を提示し、それを受けて2日目に当事者時代からこんにちまでを生きてきた経験者がその生きた証を示す・・・という構成になっているわけです。

 そのうち、きょうは2日目の詳しい趣旨と内容と担当者をご紹介します。1日目は2週間前の本欄に書き込んでありますので、そちらをご覧ください。

          ●

 2週間前に書き込んだように、不登校・ひきこもりの当事者を支援から遠ざけているものは、当事者の“人生という道”の先に用意されている<支援>が、当事者によっては<障壁(バリア)>になっている、と丸山は考えるようになりました。

*ある時期を過ぎたら早く「家庭訪問」や「フリースペース」などの支援の場や人間関係につなげる
*「居場所支援」→「学習支援/人間関係訓練」→「学校復帰支援/就労支援」という“階段”を昇らせる

 現在はこのような考え方が主流となっているわけですが、これらの考え方は当事者にエネルギーが回復していなければ実現しません。

 たとえて言えば、現在の状態から上がるべき“支援の階段”の段差が高すぎて「足が上がらない」のであり「それでも一所懸命足を上げようとしているうちにますますエネルギーが減って上がらなくなっている」あるいは「最初の段に上がったけど次の段に上がろうとしたら足が上がりきらずに転げ落ちて大ケガをしてしまった」などといった状況の当事者が少なくないと考えられるわけです。

 したがって「当事者の“人生という道”の先に“支援の階段”だけではなく“スロープ”を用意しよう」というのがこの日のプログラム第一の趣旨になります。

 この場合の“スロープ”とは「当事者がその状態(学校/社会に出られない状態)のままで歩みを進められるような環境」ということです。
 それは趣味のようなことを入り口にしている支援団体のみならず、支援と無関係に当事者が集まれる場や団体、さらには不登校やひきこもりにかぎらず誰でも参加できる場、そして不登校やひきこもりであることを気にしないで当事者と付き合う人、そういったものが多い環境のことではないでしょうか。

 もちろん、その先が「雇用されて経済的に自立する」だけというのも当事者が楽になれない一因でしょう。したがって「雇用されなくても経済的に自立できなくても生きていける社会を構想しよう」というのがこの日のプログラムの第二の趣旨になります。

 これについては「当事者トーク」と銘打ったパネルトークで、各パネラーから自身の人生観や将来像などとともに具体的な提言が語られることになります。

 以上の2点について、単に論じたり提案したりするだけでなく、実際に新年度からスタートする事業や“スロープ型の団体”を紹介するなど、具体像を示すこともこの日のプログラムの目的です。

 「ひきこもりの高齢化」や「雇用環境の悪化」が叫ばれるなか、当事者や経験者の声はますます重要になっています。前回に引き続き支援や社会の側ではなく当事者の側の視点に立った提言を発信する稀有なイベントです。どうぞご来場ください。


代表講演)『不登校・ひきこもりからの生き方って?~異能の人と異生の人~』

 不登校/ひきこもりという“普通でない道”から“普通の道”に戻るしか生き方の選択肢はなく、その生き方に無理があってもそうするしかないのでしょうか。ここでは、ノーベル賞受賞者やプロ野球選手などからひとりずつ取り上げ、特異な才能の活かし方を参考に不登校/ひきこもりからの無理のない生き方を提言します。

講師:丸山康彦(当スタジオ代表兼相談員)
 高校時代の不登校体験と大学卒業後のひきこもり体験に、相談員としての援助経験を肉づけした“体験的不登校・ひきこもり論”にもとづく支援システムを構築。『ごかいの部屋~不登校・ひきこもりから社会へ~』の執筆・配信は11年目に突入。

当事者トーク)『これが私の生きる道~階段ではなくスロープを造ろう~』

 不登校から学校復帰するかどうか、ひきこもりからどう社会と関わるか、人それぞれでいい。今回は前回と同じパネラーを「不登校組」と「ひきこもり組」に分け、体験を語って共通点とタイプの違いを確認したうえ、全員に共通する「雇用されない生き方」をはじめとする多様な生き方を可能にする支援や社会のあり方を、各自の将来像とともに語り合います。同じ考え方の関係団体の紹介もあります。

パネラー(案内書掲載の比較対照表から「不登校/ひきこもり体験の概略」欄を抜粋)

◎不登校編

学校に戻った人:丸山康彦(開業相談員)=司会進行を兼ねる
 高校入学後半年後くらいから3年半の間、毎年大量に欠席し4回連続留年。完全復帰後の3年間は充実した学校生活をエンジョイして卒業。

学校に行かなかった人:伊藤書佳(編集者)
 中学2年の2学期から微熱が続いて休みがちになり、その後ほとんど行かなくなる。ときどき顔を出すときがあった。

◎ひきこもり編

田舎暮らししたい人:勝山実(ひきこもり名人)
 高校3年から学校に行かなくなり2月に中退。ドロップ・インを試みようと、大検を取り大学受験するも3年連続不合格。果てしないひきこもり生活が続く。

街で生活したい人:林恭子(古書店経営)
 高校2年の春に不登校で休学後退学。通信制高校と大検を経て大学に入学するも再び不登校に。アルバイトを経て20代で2年間完全にひきこもる。


「第19回青少年支援セミナー」2日目の要項を見る

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