関東甲信越が全国で最も早く梅雨入りしましたが、皆様のところはいかがでしょうか。
さて、先月28日に開催した「不登校・ひきこもりセミナー2022」について報告いたします。
今回は広報が行き届かなかったこともあり、ご参加は過去最少人数の23人でしたが、北は北海道から西は近畿地方まで、東日本を中心に各地からご参加くださいました(西日本での知名度アップが課題です)。
第1部は代表の丸山による講演。前半で「不登校の子どもの権利宣言」と「ひきこもり人権宣言」に共通する3点を紹介したうえ、後半で丸山が講演によく盛り込んでいる内容のなかから両宣言と共通する不登校・ひきこもり対応論・支援論を語りました。
時間を30分残して終了しご意見ご質問を募ったところ、しばらく沈黙が続きましたがある参加者が思い切ってご質問くださいました。それをきっかけに堰を切ったようにご質問が続き、丸山が回答しているうちに終了時間を10分近くオーバーする盛り上がりになりました。
アンケートによると、講演に対して「エネルギーのたまり方、時間の経過など、自分の家族の様子を考えるにあたってもとても参考になりました」などとご好評をいただき、質疑応答に対して「回答にとてもホッとして、子供に怒りなく接することができました(その日)。とても助かりました」と、即効性のある方も出た第1部でした。
第2部は分散会。多くの方が「対談」をお選びくださいました。
今回の対談ゲストの聞風坊氏は、支援者としてのキャリアが私と同じくらいの方。最初に、ペンネームの由来を含めた自己紹介のあと「自助グループ運営」「相談支援」「行政との連携」という3点について、ご自身の実践経験を活かした話題提供をいただきました。
続けて、氏が見つけてくださった過去の丸山とのFacebookでのやりとりから丸山が絞った3点について、読み上げながら氏と意見交換しました。
時間が押していたため参加者に発言いただく時間がとれず申し訳なかったです。ただ、ふたりのやりとりに「上に引き上げようという努力ではなく、踏み出せる場所を横に広げていくという発想が今までなかったので、とても参考になりました」というアンケート回答が見られるなど、対応や支援のあり方を問い直す内容をご理解くださった方が多かったのではないかと思います。
「座談会」は少人数でしたが、参加者の発言も多く充実した内容だったようです。
まず、恒例のファシリテーターをつとめる割田大悟氏による「リカバリー」についての解説。続いて当スタジオの連続講座「ヒュースタゼミナール」(ヒューゼミ)修了者のうちおふた方が、受講の動機や不登校・ひきこもりについて学んだこと・今後に活かしたいことを語りました。
そのあとのフリートークでは、参加者による意見交換が行われました。
アンケートの「割田さんの進行は配慮にあふれていました。ゼミナールに参加されていたおふたりの実感のこもったお話、チャットに寄せられた参加者の方々のコミュニケーションなど、切実ですぐには解決しないけれど、こういう場があることの大切さをひしひしと感じました」というご回答に、このプログラムの良さが伝わって、毎回やっていてよかったと思わせていただきました。
全体として、第1部の講演で今回のテーマである「権利宣言・人権宣言」に込められた不登校・ひきこもり当事者の願いが第2部の内容にもつながって、前回に引き続き対応や支援のあり方を問い直す回にできたのではないかと自負しています。
ところで、今回はスマホで参加した方が例年より多かったからか「レジュメなど画面共有した文書が見えなかった」とのご指摘が聞かれました。講演やヒューゼミにご参加の方はご存じのように、丸山のレジュメは構成上字が小さくスマホの画面に適さないため、次回は事前にレジュメをお送りするなど善処いたしますので、今回はアンケートにお答えくださった方へ事後送呈することでご容赦いただきたく存じます。
また、記念写真の撮影が終了後しばらく経ってからになり、すでにスタッフのうちおひとりと座談会の登壇者おふたりが退出したあとでした(※)。エンディングのなかでやればよかったと反省しています。
これらのほかにもオンライン開催ならではの反省点がいろいろあった今回のセミナー。この教訓は1年後の第6回セミナーはもとより、今月からスタートする連続講座「ヒュースタゼミナール」や10月に開催する「メールマガジン創刊20周年記念イベント」のオンライン開催に活かしていきたいと考えています。
ご参加の皆様、ご登壇の皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。
今後とも当スタジオの公開業務(家族会・イベント・講座)をよろしくお願い申し上げます。
※写真:上段左に丸山、同真ん中にスタッフ、同右に割田氏、中段左に聞風坊氏、その右側ふたりは顔出ししていらした参加者、下段の花壇になっているのは待ち受け画面にしていらした参加者。