語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【教育】サラ金より悪質な奨学金 ~利息収入232億円~

2013年11月14日 | 社会
 (1)奨学金制度は、20世紀の終わりごろから変貌し、ここ数年で一挙に悪化している。
 中曽根政権によって、1984年、日本育英会法が改正され、有利子制度が導入された。
 橋本政権によって、無利子枠が拡大。
 小泉政権によって、日本育英会は日本学生支援機構に変えられた。
 ここ数年間、新自由主義の深まりと同時進行で、奨学金制度が激変している。

 (2)日本学生支援機構の奨学金は、
  (a)第一種・・・・成績優秀者などに無利子で貸与。
  (b)第二種・・・・有利子。
 利用する大多数は(b)だ。
 <例>毎月100,000円貸与。利息3%で、返還総額は6,460,000円。毎月27,000円返還すると、完済まで20年かかる。非正規労働にしか就けない若者には返還できない。返還の順が延滞金、利子、元金なので、いつまでたっても元金が返還できない。
 共に奨学金を借りていた2人が結婚すれば、夫婦で13,000,000円に近い借金を抱えることになる。

 (3)年配の人は、あまりにも実情を知らない。いまだに、「それなら国立大学へ行けばいい」などと言ったりする。
 子どもの教育を母親任せにする日本では、これだけ重要なことを父親が知らないことも多い。
 奨学金とは、実際はローンだ。しかるに、実態をよく知らない高校教師も多い。
 学生支援機構は、サラ金より悪質とも言える。日本育英会が母体なので、国民が信用してしまっている。【柴田武男・聖学院大学教授】

 (4)学生支援機構の利息収入は232億円、延滞料は37億円だ(2010年)。
 カネの行き先は、原資に無関係な銀行と債権回収会社だ。

□粟野仁雄(ジャーナリスト)「奨学金はサラ金より悪質 日本学生支援機構の利息収入は232億円」(「週刊金曜日」2013年11月8日号)
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