語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【原発】福島刑務所受刑者に放射能漏れ賠償金、総額1億3,600万円

2012年08月12日 | 震災・原発事故
 福島刑務所の受刑者80人余が賠償請求を行い、一律8万円の賠償金が支払われた。東電は受刑者へ周知しなかったが、一部受刑者が所内で閲覧可能な新聞やテレビで賠償の情報を知り、東電から書類を郵送で取り寄せ、賠償を請求。現金8万円が支払われると、口コミで広がり、80人超の受刑者が次々と請求した。
 昨年3月11日の震災当時、女性用の支所も含めて計約1,700人が収監されていた。全受刑者が請求した場合、賠償額は約1億3,600万円に上る。
 なお、住民賠償は、政府が指定した警戒区域、計画的避難区域などを除く福島県内23市町村の全住民が対象。自主避難したかどうかを問わず、8万円が支払われる。

 (1)<賠償を受ける権利は全受刑者にある。東電と刑務所は、受刑者に賠償請求の方法を伝えるべきではないか>【海渡雄一・弁護士/NPO法人監獄人権センター副代表】
 (2)<介護や仕事、学校の都合で避難せずやむを得ずとどまった住民と、移動の自由のない受刑者を同列に扱い、同額の賠償をすることに違和感を覚える>【奥村丈二・中央大法科大学院教授(刑事法)/元最高検検事】

 以上、記事「東電、受刑者にも一律8万円賠償 福島刑務所の80人超…全員なら1億3600万円に」【(msn産経ニュース 2012.7.4 01:30 )】に拠る。
   *

 ネットでは、前記記事の(2)に同調する意見が多い。なかには、何も考えずに適用していいのか、と憤る人もいた。
 では、この刑務所の受刑者に対する賠償は、現実にはどうなっているか。

 建前上は一律支給なのだが、刑務所内から手続きしてもなかなかスムースにはいかない。受刑者の賠償請求を刑務所当局があまり好ましく思っていたためなのか、単に事務作業が増えることを忌避したのか、刑務所側の意向は定かではない。しかし、申請しようとして、「そういうことをすると仮釈もらえないぞ」と言われた受刑者もいた。
 ある元受刑者は、出所後に東電に電話し、手続き後2週間くらいしてから補償金8万円が出た。

 以上、福島刑務所元受刑者「出所した元受刑者が語った「3・11後の福島刑務所」」(「創」2012年9・10月号)に拠る。
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン