よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

衆議院選挙:日本の新しい闇将軍 Japan's New Shadow Shogun

2009年08月30日 | 技術経営MOT
衆議院選挙。偏向国内メディアよりは海外メディアのほうが、鋭い分析を展開している。

とくにForeign Policyの論評が光っている。「日本の黒幕将軍」という記事がそれだ。この記事は民主が勝って、その後、民主党内の政治勢力がどのように形成されてゆくにかに絞って論評している。

<以下貼り付け>

Japan's New Shadow Shogun

One idea -- allegedly favored by Hatoyama -- is for Ozawa to move into the post of party secretary-general. In this role, Ozawa would discipline DPJ backbenchers and prepare the party for the next election -- a task that might perfectly suit his talents. But a Secretary-General Ozawa would surely be tempted to question the Cabinet and influence its policies from the outside. This would undercut one of the DPJ's core principles: streamlined, transparent, accountable government.

<以上貼り付け>

ただし、裏事情に対する洞察までもは流石に触れていない。

潮目は、今振り返れば今年の3月3日だった。この日、アメリカの寡頭勢力は、小沢一郎氏を、日本の検察を遠隔操作して、逮捕し、収監して汚職政治家の烙印を押して葬り去ることに失敗した。

民主が圧倒して政権を奪取してから、小沢流の二重権力政治が台頭して今まで小沢氏を苦しめてきた勢力に対していよいよ政策転換反対勢力・旧勢力への反撃を開始するだろう。民主党の友愛(fraternity)というレトリックは、なるほど、鳩山氏の口から出れば、国内向けメッセージとしては、それはそれで小泉以降、劣化した日本を修復しようとするソフトイメージの宣伝ではある。しかし、日本権力中枢に対しては実は「憎悪」(hostility)の裏返しのような表現だ。



上図でも明らかなように、分裂を繰り返し対立軸が曖昧になった末の2大政党制時代のトバ口にようやく立った末の衆議院選挙。

民主党の圧勝。中枢の官僚、検察にとってこれほど都合のよくないことはない。「友愛」が表の政策キャッチワードならば、「憎悪」こそが、裏のバズワードであり、この実行部隊長が小沢になるとForeign Policyは予測するのである。

さて、ジェイ・ロックフェラーはアメリカの名門大学にちりばめられている友愛組織(fraternity house)を熱心に支援してきた人物である。ジェイ・ロックフェラーは東京武蔵野にある国際基督教大学にも留学しており、それなりの知日家にして、小沢スポンサー。またオバマのスポンサーでもある。

民主党が唐突に友愛(fraternity)を掲げたのは、なるほど、米国寡頭勢力の権力中枢がデービッド・ロックフェラーからジェイ・ロックフェラーに移管するタイミングでジェイ・ロックフェラー寄りの姿勢を対米向けに発していると見れば納得がゆくだろう。

鳩山氏がPh.D.を取得したスタンフォード大学にも友愛組織(fraternity house)が多数存在する。fraternity houseは表向きギリシアの伝統に立脚しつつ、主流派キリスト教の伝統からは明確に距離を置く後世の欧州のフリーメーソン系の系統に立つ。したがって、友愛(fraternity)という用語は日本国内ではピンと来ないが、対外的、とくに欧州、米国、中国の留学組など知識階層向けにはプラグマティックなメッセージ性が強く出ている。

The New York Timesのweb版に鳩山氏のオピニオン記事が載っている。ここで、友愛(fraternity)とは次のように、米国主導で昂進してきたグローバル資本主義、市場主義資本主義の行き過ぎに対する調整を意味するという。

<以下貼り付け>

Fraternity as I mean it can be described as a principle that aims to adjust to the excesses of the current globalized brand of capitalism and accommodate the local economic practices that have been fostered through our traditions.

The recent economic crisis resulted from a way of thinking based on the idea that American-style free-market economics represents a universal and ideal economic order, and that all countries should modify the traditions and regulations governing their economies in line with global (or rather American) standards.

<以上貼り付け>

米国寡頭勢力の従順な傀儡でい続けた自由民主党の表裏を知悉している小沢氏は、アメリカ寡頭勢力から警戒されているし、タフな交渉相手であると評価されている。

「小沢一郎が実質の日本国王だ。帝国との厳しい交渉をして来た本当の民族指導者(ナショナリスト、the nationalist)だ」と副島隆彦教授は言う。また彼の熱心な読者でもあり、シンパでもあろう山本尚利教授も民主支持のスタンスを示している。

戦争屋=CIAの対日介入のストッパー役として小沢氏を位置付けているのは、口が裂けてもマスコミが書かないことだが、本質的な見立てである。この文脈のなかにこそ、友愛(fraternity)の戦略的な意味が込められている。

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