散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20090425ギャラリー巡り

2009年04月25日 15時56分01秒 | ART
本日は、近美→富士フィルムフォトサロン→紀伊国屋→大丸→大同→たぴお→時計台→道新→ウェストフォー→CAI02→アリアンス→趣味の郷→ARTスペース→丸井→さいとう→セントラル→三越の17か所。

■北海道立近代美術館「佐伯祐三展」。どうもヴラマンクに怒られて画風を変えた人、という情けない印象しかもっていなかったのだが、非常に真摯に絵画に向かった人だということが良く分かった。

まずはパリに行くまでの時代。
「勝浦風景」:ダイナミックな風景で、これなんか悪くない画だと思う。
「パリ遠望」:これが良くなかったのかな? ダメなローランサンのような画だ。

第1次パリ時代は、ユトリロとヴラマンクの影響受けまくりという感じだ。しかし、私の好みとしてはユトリロよりは上だと思う。佐伯の特徴である看板の文字や、意外と描かれている通りすがりの人物を見ると、人間に対して興味を持っていたのだと思う。それに対してユトリロは「人間不在」という感じがする(そこが特徴であるのだが)。

「立てる自画像」:画家として身を立てようと思ったものの、自信のない自分ということだろうか。顔の部分が削られているのだ。
「オニー牧場」:ヴラマンク的憂鬱な風景。

ところで、今回は大阪から来た作品が多いのだが、ヴラマンクの見たことのない作品が2点来ていたのも嬉しい所だ。とはいっても、大体同じ感じにまとまっているのだなあ。

続いて帰国時代。この頃の作品は非常にちぐはぐだ。描いているものは日本家屋や日本の風景なのだけれども、自分の画風と全く折り合いがついていないのだ。これは困っただろうな、佐伯。「下落合風景」等は同じような画題で描いた岸田や三岸がそれなりの作品を残しているのに、佐伯の作品は違和感があり過ぎて面白い位だ。

そして第2次パリ時代へ。
「オプセルヴァトワール付近」:パリ大好き!
「ピコン」:作品も良いが、これはアメールピコンというフランスのリキュールの広告なのだな。まさにフランスの雰囲気を良く表していると思う。ところで、ピコンというのは甘苦い味なので、ダメな人も多いかもしれない。ジンジャーエールで割ると、ちょっとコーラっぽいのでレモンを入れて飲むと美味しいと思う。

独自の画風を切り開いていた佐伯だと思えたが、死の直前3か月がまた興味深い。私には自分の死を察知して、また大好きなユトリロ+ヴラマンク調に戻っていったような気がするのだ。さらに第1次パリ時代の自作「教会」にも近い所があると思う。

「黄色いレストラン」:自分でも自信作ということだが、描かれている門・人・ポスターの文字が全て配置されるべき所に配置され、なおかつ色使いもしっくりきたということだろう(タイトルに”黄色い”とあるくらいだ)。

短い期間であったが、画家のすべての活動時期を見ると、いろいろ考えさせられることが多い。大変良い展覧会だと思う。常設展は駆け足で見たが、「北岡文雄展」はぜひもう一度見たい。

■アリアンスフランセーズ「神秘画と秘画、古版画」:連続して行われているフランス”紙モノ”シリーズの展覧会。「死」等の象徴画と、ちょっとエロチックな作品。

■丸井「畦地梅太郎展」。ちょっとユーモラスな感じで、髭のある山男を描いているのだが、どうみても「泥棒さん」に見えてしまうのだ。

■三越「現代絵画秀作展」。普段見られないような作品もあり、バラエティに富んだ感じ。それよりも、レストランが全くデパートのレストランらしからぬ感じに変わってしまいガッカリ。


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