10月も7日になると、ようやく蒸し暑くなくなってきた。台風が去った影響もあるのだろうが、気候が変動しているのを実感する毎日だ。
台湾を襲ったスーパー台風14号や日本や韓国に被害をもたらした18号は、900ヘストパスカル前後の猛烈な強さだった。このこと一つとっても地球の気候がおかしくなっていることが分かる。
筆者が子どもの頃に覚えているのが伊勢湾台風。犠牲者5千人以上を出した猛烈台風だった。それでも920ミリヘストパスカルだった。20~30年前までは、伊勢湾台風クラスの猛烈台風は10年に一度ぐらいだったのではなかろうか。これからはこのクラスの台風が毎年日本に「こんにちは」するのではないかと危惧する。
世界は地球温暖化問題を真剣に考える時期に来ていると思う。遅きに失したぐらいだろう。人間は本当に愚かな動物だ。人類の「欲」がすべての理想を打ち砕く根源である。これが素晴らしい理想を最悪の悪魔に変えている。社会主義の理想がその典型だ。「人間がみな平等の社会をつくる」と言う理想は人間の「欲」で叩き壊された。
気候変動問題も人間の「欲」に叩き壊され、人間がいずれ地球と共に自滅する可能性がある。そんな心配をしていたら、地球温暖化対策の新ルール「パリ協定」の発効が11月4日に決まった。2018年ごろの発効が見込まれていたが、採択から1年足らずの異例の早さで発効するという。
2大排出国の米中が早期締結したことが大きい、と朝日新聞は報じている。両国とも京都議定書で削減義務を負わず、後ろ向きだった。しかし、オバマ政権は「レガシー(遺産)」にしようと積極姿勢に転換。経済成長を遂げ「責任ある大国」を印象づけたい中国の習近平・国家主席を巻き込み、9月の米中首脳会談にあわせそろって協定を締結した。
動機は個人の名誉や国家の威信を先行させ、地球の気候変動を真剣に考えているようにはみえない。それが不満だが、いずれにしても両大国が協定を締結したのは歓迎すべきことだ。
太平洋の島国やアフリカ諸国が米中に足並みをそろえたことも締結の動きを加速したという。慎重だったインドも今月2日に締結した。途上国にはパリ協定に参加することで、資金支援や技術移転を受けたいという思惑がある。
人間は実感がわかないと動かない動物なのだろうか。どうも長期的な視野でものごとを洞察できない。目の前の利害ばかりを見ている。特に自分の既得権益を侵されそうになると必死に抵抗する。日本も例外ではない。それにパリ協定と言うプリズムを通して日本人の国民性も垣間見える。
安倍政権はパリ協定が早急に締結されないと高をくくっていたようだ。政権幹部はパリ協定の承認手続きを急ぐ構えもなかった。
山本公一環境相は今月4日の記者会見で「非常に焦りをもっている」と述べた。環境NGO「WWFジャパン」の小西雅子気候変動・エネルギープロジェクトリーダーは「日本は国際的に温暖化対策の消極派とみられる。今後の詳細ルールづくりで日本の意見に賛同を得にくくなる」と指摘。NGO「気候ネットワーク」の平田仁子(きみこ)理事は「締結が遅れたことに、政府が危機感を持っていないように見えることに懸念を覚える。致命的な失態だ」と話す。
これらの発言から読み取れるのは、日本人の国民性の短所である「横並び意識」「受け身で主体性がない」「他人にどう見られているかを非常に気にする」が露骨に出ている。
困ったことだと筆者は思う。全人類にとっての生命に直結する問題は日本人が率先してやるべきことではないのか。「的は幾万ありとても、すべて烏合の衆なるぞ」の気概がない。
気候変動問題は各国の利害が複雑に入り乱れている。日本のイニシアチブを批判してくる国もあるだろう。それでも率先して行動してほしい。
「批判される」ということは、注目されているということだ。一目置かれているからこそ批判されるのだ。
日本政府と日本人が「横並び意識」を脇に置いて、率先して遠い将来の人々のために「遠大な目的」を心に抱いて問題解決のために漸進してほしいと願う。もちろん現実を直視して、それを受け入れながら理想に向かう心構えで・・・。
台湾を襲ったスーパー台風14号や日本や韓国に被害をもたらした18号は、900ヘストパスカル前後の猛烈な強さだった。このこと一つとっても地球の気候がおかしくなっていることが分かる。
筆者が子どもの頃に覚えているのが伊勢湾台風。犠牲者5千人以上を出した猛烈台風だった。それでも920ミリヘストパスカルだった。20~30年前までは、伊勢湾台風クラスの猛烈台風は10年に一度ぐらいだったのではなかろうか。これからはこのクラスの台風が毎年日本に「こんにちは」するのではないかと危惧する。
世界は地球温暖化問題を真剣に考える時期に来ていると思う。遅きに失したぐらいだろう。人間は本当に愚かな動物だ。人類の「欲」がすべての理想を打ち砕く根源である。これが素晴らしい理想を最悪の悪魔に変えている。社会主義の理想がその典型だ。「人間がみな平等の社会をつくる」と言う理想は人間の「欲」で叩き壊された。
気候変動問題も人間の「欲」に叩き壊され、人間がいずれ地球と共に自滅する可能性がある。そんな心配をしていたら、地球温暖化対策の新ルール「パリ協定」の発効が11月4日に決まった。2018年ごろの発効が見込まれていたが、採択から1年足らずの異例の早さで発効するという。
2大排出国の米中が早期締結したことが大きい、と朝日新聞は報じている。両国とも京都議定書で削減義務を負わず、後ろ向きだった。しかし、オバマ政権は「レガシー(遺産)」にしようと積極姿勢に転換。経済成長を遂げ「責任ある大国」を印象づけたい中国の習近平・国家主席を巻き込み、9月の米中首脳会談にあわせそろって協定を締結した。
動機は個人の名誉や国家の威信を先行させ、地球の気候変動を真剣に考えているようにはみえない。それが不満だが、いずれにしても両大国が協定を締結したのは歓迎すべきことだ。
太平洋の島国やアフリカ諸国が米中に足並みをそろえたことも締結の動きを加速したという。慎重だったインドも今月2日に締結した。途上国にはパリ協定に参加することで、資金支援や技術移転を受けたいという思惑がある。
人間は実感がわかないと動かない動物なのだろうか。どうも長期的な視野でものごとを洞察できない。目の前の利害ばかりを見ている。特に自分の既得権益を侵されそうになると必死に抵抗する。日本も例外ではない。それにパリ協定と言うプリズムを通して日本人の国民性も垣間見える。
安倍政権はパリ協定が早急に締結されないと高をくくっていたようだ。政権幹部はパリ協定の承認手続きを急ぐ構えもなかった。
山本公一環境相は今月4日の記者会見で「非常に焦りをもっている」と述べた。環境NGO「WWFジャパン」の小西雅子気候変動・エネルギープロジェクトリーダーは「日本は国際的に温暖化対策の消極派とみられる。今後の詳細ルールづくりで日本の意見に賛同を得にくくなる」と指摘。NGO「気候ネットワーク」の平田仁子(きみこ)理事は「締結が遅れたことに、政府が危機感を持っていないように見えることに懸念を覚える。致命的な失態だ」と話す。
これらの発言から読み取れるのは、日本人の国民性の短所である「横並び意識」「受け身で主体性がない」「他人にどう見られているかを非常に気にする」が露骨に出ている。
困ったことだと筆者は思う。全人類にとっての生命に直結する問題は日本人が率先してやるべきことではないのか。「的は幾万ありとても、すべて烏合の衆なるぞ」の気概がない。
気候変動問題は各国の利害が複雑に入り乱れている。日本のイニシアチブを批判してくる国もあるだろう。それでも率先して行動してほしい。
「批判される」ということは、注目されているということだ。一目置かれているからこそ批判されるのだ。
日本政府と日本人が「横並び意識」を脇に置いて、率先して遠い将来の人々のために「遠大な目的」を心に抱いて問題解決のために漸進してほしいと願う。もちろん現実を直視して、それを受け入れながら理想に向かう心構えで・・・。