「この5カ国は、外国人を温かく歓迎し、ヘルプの手と優しい微笑みを見せてくれる」
英国の公共放送「BBC」はこう報じている。残念ながら日本は入っていない。私は一人の日本人として、「おかしいじゃないか」と「BBC」に抗議したくなるが、民主主義を支える放送局は続けてこう述べる。
「外国に住み、その国の生活に合わせようと努力する多くの異邦人にとって、その国の人々と友人になることほど心の安らぎはない。しかし多種多様な文化と言語をもった国はほかの国よりも居心地が良いのではなかろうか」
この5カ国は、東アフリカのウガンダ、中米のコスタリカ、南米のコロンビア、中東のオマーン、アジアのフィリピン。
「BBC]は、世界中のコミュニティーを結ぶ活動をしているネットワーク「インターネーション」の調査を引用する。このネットワークは世界161カ国の1万4千人の異邦人(外国の長期滞在者)から、「生活に慣れるのが容易いか」「自分が住む国の人々と直ぐに友人になれるか」「その国の居心地はどうか」などの質問に対して答えを得た。
調査結果によれば、まずウガンダ人は「フレンドリー」で最高の評価を外国人から得た。ウガンダの首都カンパラに住む英国人のシャルロット・ボーヴォワザンさんは「外国人を歓迎する態度はこの国の固有の文化から来ているのよ。隣人は新しい入居者を笑顔で迎え入れるの」。この国の人々は驚くほど「フレンドリー」だという。
次にコスタリカ人はどうか。調査に応じた10人中9人の異邦人がこの国の人々は本当に「フレンドリー」だと認める。10人中8人は「故国に住んでいるみたいだよ」と話す。大多数のコスタリカ人はのんびりと過ごし、あくせくしていないという。社会主義政権がこの国を支配していることもあるのかもしれないが、皆が食べるのに困らない、と福祉財団「リトリート・コスタリカ」のダイアナ・ストーブさんは話す。「コスタリカの文化を理解して好きになれば、大歓迎されるわ」
コスタリカを日本語に訳せば「豊かな浜」。素晴らしい海岸がそこらじゅうにある。この10年で物価が上がり、首都サンホセの一部は英国のロンドンと同じ物価だが、それでもロンドンと比べて安い場所が多いという。
残りの3カ国の国民も開けっぴろげな国民性で、外国人は溶け込めやすい、と「BBC]は「インターネーション」の調査を引用する。
コスタリカを除いて、ほかの4カ国の治安が良いかというと、一概に「良い」とは言えない。フィリピンでは、総選挙の期間中、与野党や立候補者の陣営の言い争いから、50~60人が殺される、とフィリピンの新聞は報じている。
治安と友情は別らしい。言い換えれば、心豊かで感情豊かだからこそ、外国人へのホスピタリティーが行きとどく反面、対立が直ぐに殺人に発展するのだろう。
日本政府は観光に力を入れている。2016年には、約2千4百万人に到達した。安倍政権は訪日外国人観光客の拡大に向けた具体策をまとめ、2020年に4千万人、2030年に6千万人にすると決めた。ただ、コスタリカやウガンダの人々のように、日本人が両腕を開いて歓迎するかとなると、どうだだろうか。もちろん日本人は外国人を心の中で歓迎する。しかし国民性が開けっぴろげでないため、外国人になかなか自分の気持ちを伝えられない。言い換えれば、長期外国人滞在者が日本社会に溶け込むには相当の努力が必要。批判しているのではない。それが日本人の国民性なのだから。
英語ができなくても、通りゆく外国人に「Can I help you(何かしましようか)」と気楽に声をかけたいものだ。清潔な国。秩序の国。優しい国。そんな国が日本。多くの外国人は日本を旅行し、こんな感慨を抱いて帰国する。その上、シャイな日本人がもっとホスピタリティーの気持ちを表に出すことができれば、外国人はいっそう良い印象を抱いて帰りの飛行機に乗り込むだろう。
写真はコスタリカ
英国の公共放送「BBC」はこう報じている。残念ながら日本は入っていない。私は一人の日本人として、「おかしいじゃないか」と「BBC」に抗議したくなるが、民主主義を支える放送局は続けてこう述べる。
「外国に住み、その国の生活に合わせようと努力する多くの異邦人にとって、その国の人々と友人になることほど心の安らぎはない。しかし多種多様な文化と言語をもった国はほかの国よりも居心地が良いのではなかろうか」
この5カ国は、東アフリカのウガンダ、中米のコスタリカ、南米のコロンビア、中東のオマーン、アジアのフィリピン。
「BBC]は、世界中のコミュニティーを結ぶ活動をしているネットワーク「インターネーション」の調査を引用する。このネットワークは世界161カ国の1万4千人の異邦人(外国の長期滞在者)から、「生活に慣れるのが容易いか」「自分が住む国の人々と直ぐに友人になれるか」「その国の居心地はどうか」などの質問に対して答えを得た。
調査結果によれば、まずウガンダ人は「フレンドリー」で最高の評価を外国人から得た。ウガンダの首都カンパラに住む英国人のシャルロット・ボーヴォワザンさんは「外国人を歓迎する態度はこの国の固有の文化から来ているのよ。隣人は新しい入居者を笑顔で迎え入れるの」。この国の人々は驚くほど「フレンドリー」だという。
次にコスタリカ人はどうか。調査に応じた10人中9人の異邦人がこの国の人々は本当に「フレンドリー」だと認める。10人中8人は「故国に住んでいるみたいだよ」と話す。大多数のコスタリカ人はのんびりと過ごし、あくせくしていないという。社会主義政権がこの国を支配していることもあるのかもしれないが、皆が食べるのに困らない、と福祉財団「リトリート・コスタリカ」のダイアナ・ストーブさんは話す。「コスタリカの文化を理解して好きになれば、大歓迎されるわ」
コスタリカを日本語に訳せば「豊かな浜」。素晴らしい海岸がそこらじゅうにある。この10年で物価が上がり、首都サンホセの一部は英国のロンドンと同じ物価だが、それでもロンドンと比べて安い場所が多いという。
残りの3カ国の国民も開けっぴろげな国民性で、外国人は溶け込めやすい、と「BBC]は「インターネーション」の調査を引用する。
コスタリカを除いて、ほかの4カ国の治安が良いかというと、一概に「良い」とは言えない。フィリピンでは、総選挙の期間中、与野党や立候補者の陣営の言い争いから、50~60人が殺される、とフィリピンの新聞は報じている。
治安と友情は別らしい。言い換えれば、心豊かで感情豊かだからこそ、外国人へのホスピタリティーが行きとどく反面、対立が直ぐに殺人に発展するのだろう。
日本政府は観光に力を入れている。2016年には、約2千4百万人に到達した。安倍政権は訪日外国人観光客の拡大に向けた具体策をまとめ、2020年に4千万人、2030年に6千万人にすると決めた。ただ、コスタリカやウガンダの人々のように、日本人が両腕を開いて歓迎するかとなると、どうだだろうか。もちろん日本人は外国人を心の中で歓迎する。しかし国民性が開けっぴろげでないため、外国人になかなか自分の気持ちを伝えられない。言い換えれば、長期外国人滞在者が日本社会に溶け込むには相当の努力が必要。批判しているのではない。それが日本人の国民性なのだから。
英語ができなくても、通りゆく外国人に「Can I help you(何かしましようか)」と気楽に声をかけたいものだ。清潔な国。秩序の国。優しい国。そんな国が日本。多くの外国人は日本を旅行し、こんな感慨を抱いて帰国する。その上、シャイな日本人がもっとホスピタリティーの気持ちを表に出すことができれば、外国人はいっそう良い印象を抱いて帰りの飛行機に乗り込むだろう。
写真はコスタリカ