本論に入る前に尖閣問題で、与党自民党の高村正彦副総裁がTBS番組の収録で「『現状維持』でお互いの国民感情を刺激しないように落とす以外にない」と述べた。(2日付朝日新聞) また、日中間で『現状認識』が異なるので「『現状とは何か』ということについて日中両国で議論しなければならない」とも述べている。筆者は現状では正しい意見だと思う。時の流れの変化を待つことがこの問題では必要。時はわれわれに味方していることを認識しなければならない。中国共産党はいずれ、自己改革に迫られるか、自壊するか、どちらかだろう。中国軍もこのまま進めば、旧日本軍の関東軍と同じ運命をたどるのは必至。警戒を怠らずに、時の変化を待つことだ。
さてAKB48問題について私見を述べたい。60歳半ばの筆者にはAKB48そのものには興味がない。名前ぐらいは知っていたが、今回の峯岸さんの「涙の会見」でAKBとは何かを少しばかりインターネットで調べた。その理由は英紙ガーディアンがこの問題を取り上げたからだ。昼のワイドショーで偶然彼女の涙の会見を拝見したが、そのことだけならブログに書き込まなかった。
ガーディアンは英国では俗にいう高級紙。高級紙は大衆紙と違って、芸能人の話やゴシップは載せない。今回載せた。それもユーラシア大陸の東端の日本の芸能界のことを載せた。ユーラシア大陸の西端の英国から眺めれば日本は遠い国だ。それなのに載せた。載せるだけのニュースバリューがあると編集長は感じたからにほかならない。日本人の特異性を峯岸さんを通して見たのだろう。
「外国人は理解できません」。NHKの9時のニュースで、外国人が峯岸みなみさんの丸刈りについてコメントしていた。峯岸さんは、31日に発売された「週刊文春」で男性との「お泊まり」が報じられたことに対して、動画サイト「YouTube」に投稿、映像に登場して謝罪した。
1月31日付英紙ガーディアンはこう述べている。「彼女の謝罪をめぐりもっとも目を見張ったのは、彼女が丸刈りで登場したことだ。日本の伝統的な悔い改める行為だった。20歳の女性にとり、多分あまりにも過激な行動だったにちがいない。彼女の“罪”は、ボーイ・バンドの白濱 亜嵐(19歳)の自宅に宿泊したことだった。彼女のドラマチックな行動は、日本の若いポップスターが非の打ちどころのない道徳心というイメージを大衆に見せなければならないことを映し出している。執拗にそうしなければならなかった」(抜粋)
「ユー・チューブで会見した3分以上の映像で、峯岸さんは私の行動(ボーイフレンドの自宅で泊まったこと)は「“無思慮で未熟”」だったと話した。
ガーディアンは英国民にAKB48を説明。10代から20代初めまでの約230人以上がAKB48に所属している。またいくつかのメインバンドといくつかのグループからなっている。彼女ら(峯岸さんら)の行動は性的というよりむしろひどく感傷的だ。
同紙は続いて、アイドルグループ「AKB48」のメンバー、河西智美さんが制作した写真集の一部の不適切な表現をめぐり発行元の講談社が発売を延期したことについて記し、警視庁少年育成課が児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、同社の編集幹部から事情聴取していたことも報道した。
映像を通して、丸刈りになった峯岸さんはファンに向けて「申し訳ありません」と涙を流し、深々と頭を下げた。
丸刈りにした理由は「いてもたってもいられず、メンバーにも事務所の方にも誰にも相談せずに、坊主にすることを自分で決めました」と説明した。「こんなことで今回のことが許していただけるとはとても思っていません」と前置きしながら、「まだAKB48の峯岸みなみでいたいです」と泣きながら残留を希望。「今後のことは、秋元先生や運営のみなさんの判断にお任せします」と締めくくった。
また、読売新聞などによれば、AKB48の公式ホームページでは、同日、今回の報道でファンに多大な迷惑をかけたとして、峯岸さんを2月1日付で研究生に降格処分とすることを発表した。
筆者は思う。峯岸さんの謝罪はAKB48に残りたい一心から出た行為だろう。20歳の乙女心は察するにあまりある。そこをガーディアン紙は「感傷的」と報じた。AKBの幹部は、峰岸さんが男のところに外泊して恋愛禁止のルールに触れたため降格処分にしたと思われる。また世間を騒がせたことも一因なのだろう。
筆者は日本人なので峯岸さんとAKB48の幹部の行動は理解できるが、一方で滑稽だと思うし、首をかしげたくなる。またまた日本人の感性が悪い形で出てしまった。
峯岸さんは「AKB48のルール」を守らなかった。ルールを守らなかったことは遺憾だ。ただAKBのルールがルールに値するのか、不思議に思う。個人的には、初老のたわごとだが、夜、女性が、のこのこと男性の家に泊まりに行くのは良いことだとは思わない。ただ、これは私個人の意見であり、現在では過半数以上の人々が賛同する意見ではない。20歳になれば大人だ。大人の責任で峯岸さんがそのような行動をしたのなら、それでよいではないか。ことを荒立てることもない。ニュース価値もない。
週刊誌にとっては確かにニュース価値がある。虚実をちりばめて面白おかしく書くのが商売だ。捨てておけばよいのだ。ただ問題はAKBの幹部だ。こんなわけのわからないルールを作ること自体異常だ。ガーディアン紙はここを問題にしたことは明らかだ。峯岸さんよりAKB幹部を暗に批判しているのだ。
AKBの幹部は、AKB48に対する良いイメージをつくりだそうとしのだ。道徳的な観点からではなく、あくまで商売上、良いイメージを作り上げるためにそうしたと思われる。彼らの行動を見ていると、若い女性を護ろうとして道徳ルールをつくったとはとうてい感じられない。
ガーディアン紙の記事の裏を読めば、AKB幹部の行動の不可思議さを書いているのだ。AKB幹部は、年端もいかない、一般女性を全国からかき集め、訳の分からないルールをつくって、女性たちに競争させている。「有名になりたい」「テレビに出たい」と思い、スターになることを夢見る10代後半から20歳代前半の女性心に付け込んでいると同紙の記者は感じたのだろう。筆者も同じ考えだ。ある意味で、AKB幹部は若い女性を支配しているとしか考えられない。あえていえば、「人格を否定し、独占」しているのだ。 AKBの最高幹部は秋元康氏のようだ。芸能界に疎い初老の筆者は秋元氏をあまり知らない。きょうのNHKの9時のニュースの前に放送された「テレビ放送開始から60年」に登場していた。放送作家の永六輔氏と対談していた。両者ははじめて会ったという。
秋元氏は英国人の社会基準からすれば、”異常”な人間だ。英国人には奇異に映ったことだろう。日本では有名な放送作家兼映画監督のようだが、英国人は彼を理解できないだろう。放送作家でありながら、なぜこんなブローカーまがいのことをしているのだろうかと疑問に思ったことだろう。秋元氏はAKBというシステムをつくり上げ、その中にいる、自考しない若い女性をコマのように動かしている。英国人は秋元氏の中に独裁を見たのだ。反自由を見たのだ。秋元氏は、自分の意のままに動く女性に対して独裁者のような心理に落ちいっているのだろうか?
英紙ガーディアンは「日本の伝統的な悔い改める行為」「彼女の“罪”は、ボーイ・バンドの白濱 亜嵐(19歳)の自宅に宿泊したこと」「非の打ちどころのない道徳心というイメージを大衆に見せなければならないことだった」「峯岸さんは私の行動(ボーイフレンドの自宅で泊まったこと)は“無思慮で未熟”だったと話した」と記した。
すべてが同紙の記者にとり、理解できないことだったと思う。このなかで「悔い改める」は日本語に訳すとこうなるが、もっと深い意味がある。「神の刑罰を恐れた懺悔、痛悔」という神学的な意味がそこに横たわっている。キリスト教国の人々が「CONTRITION」を使った。峯岸さんの行動の背景に横たわる闇を皮肉くっているとしか考えようがない。 「“”」を使っているのも意味がある。峯岸さんの行為は罪でもない、と英国紙は主張しているのだ。無思慮でも未熟でもない、と言外に、この記事を書いた英国人記者は述べている。
英国人には異常に映った。峯岸さんの「丸刈り」と「謝罪」はまったく理解できなかった。それ以上に異常なのは、秋元氏やほかのAKBの幹部の対処の仕方だ。英国人は、AKB幹部がファンに多大な迷惑をかけたとして峯岸さんを2月1日付で研究生に降格処分にすると発表したことを奇異に感じた。日本文化から生まれた考え以外の何ものでもない。
筆者は日本文化を愛する。広重を愛する。北斎を愛する。日本文化はすばらしい。ただ、このような社会問題を分析するときに感性先行であってほしくない。英国人には日本人の恐ろしいほどまでの「形式主義」と「なぜを問わない体質」「横並びと人格否定主義」を垣間見ただろう。それにAKB幹部のファンへの迎合だろう。英紙の記者はそう感じたはずだ。
同じTBSの昼のワイドショーで、柔道の園田氏問題を取り上げていた。「疲れているのに練習し続ける。コーチの非合理な要求や命令にも唯々諾々と従う。これが日本選手だ。これに対して英国の選手は、コーチが非合理な要求をすれば、『なぜ』と尋ね、話し合いを求める。疲れていれば、あすは休みます、とコーチに言い、コーチもOKを出す」。ワイドショーは、練習をめぐる日英コーチの違いを説明していた。筆者は思わず笑った。
峯岸さんの問題はあくまで個人的な問題だ。これを社会的な問題だとした週刊誌にも問題がある。売るためには何でもありだ。筆者は、この日本人の体質の中に依然として全体主義への病根を見る。軍国主義を批判するマスコミでさえこの体質があるように思う。われわれ日本人が、筆者を含めていつも心しておかなければならない戒めである。
また、偉そうな言い方だが、秋元氏にも助言したい。自らの頭で思考してほしい、と。自分の頭で沈思黙考せず、判断もしない。判断能力がないと英国人に言われても弁解の余地はない。この問題は峯岸さんを降格するような重大な問題でもあるまい。
50歳半ばの秋元氏は、人生経験を積んでいない20歳の女性に諭すべきだった。「丸刈りにしてはいけない。狭い視野で物事を判断してはいけない。他の目で見なさい。広い視野を持ちなさい。君の行動はルール違反だが、どうしてルールを犯したのか話しなさい」。このようにたしなめるのが大人の行動ではあるまいか。
峯岸さんを「降格処分」にしたことは、秋元氏らが明らかに年端もいかない女性を商売道具にしか使っていないことを白日の下にさらした。そこをガーディアン紙は憂い、問題にしたのだ。
皮肉を込めて言えば、秋元氏やAKB幹部らこそ「降格処分」に値する。 英国人をはじめ世界の人々に日本人の醜さをさらしたのだから。「醜さ」が過激なら、「不思議な行動」とでも言い換えよう。秋元氏は2007年より京都造形芸術大学副学長を務めているという。教育者ならなおさら真摯に反省してほしい。秋元氏は放送作家として本業に精を出すべきだ。あまり副業をしないように。
◆研究生への降格(サイトから転用) これまで、AKB48の正規メンバーから研究生に降格したのは3期生の早乙女美樹のみ。09年、AKB48の公式ブログで「チーム、そしてメンバーとして自覚に欠けており、本人と話し合いをした」と降格を発表。早乙女は同年4月に卒業している。峯岸はAKB48で2人目の降格経験者となった。
さてAKB48問題について私見を述べたい。60歳半ばの筆者にはAKB48そのものには興味がない。名前ぐらいは知っていたが、今回の峯岸さんの「涙の会見」でAKBとは何かを少しばかりインターネットで調べた。その理由は英紙ガーディアンがこの問題を取り上げたからだ。昼のワイドショーで偶然彼女の涙の会見を拝見したが、そのことだけならブログに書き込まなかった。
ガーディアンは英国では俗にいう高級紙。高級紙は大衆紙と違って、芸能人の話やゴシップは載せない。今回載せた。それもユーラシア大陸の東端の日本の芸能界のことを載せた。ユーラシア大陸の西端の英国から眺めれば日本は遠い国だ。それなのに載せた。載せるだけのニュースバリューがあると編集長は感じたからにほかならない。日本人の特異性を峯岸さんを通して見たのだろう。
「外国人は理解できません」。NHKの9時のニュースで、外国人が峯岸みなみさんの丸刈りについてコメントしていた。峯岸さんは、31日に発売された「週刊文春」で男性との「お泊まり」が報じられたことに対して、動画サイト「YouTube」に投稿、映像に登場して謝罪した。
1月31日付英紙ガーディアンはこう述べている。「彼女の謝罪をめぐりもっとも目を見張ったのは、彼女が丸刈りで登場したことだ。日本の伝統的な悔い改める行為だった。20歳の女性にとり、多分あまりにも過激な行動だったにちがいない。彼女の“罪”は、ボーイ・バンドの白濱 亜嵐(19歳)の自宅に宿泊したことだった。彼女のドラマチックな行動は、日本の若いポップスターが非の打ちどころのない道徳心というイメージを大衆に見せなければならないことを映し出している。執拗にそうしなければならなかった」(抜粋)
「ユー・チューブで会見した3分以上の映像で、峯岸さんは私の行動(ボーイフレンドの自宅で泊まったこと)は「“無思慮で未熟”」だったと話した。
ガーディアンは英国民にAKB48を説明。10代から20代初めまでの約230人以上がAKB48に所属している。またいくつかのメインバンドといくつかのグループからなっている。彼女ら(峯岸さんら)の行動は性的というよりむしろひどく感傷的だ。
同紙は続いて、アイドルグループ「AKB48」のメンバー、河西智美さんが制作した写真集の一部の不適切な表現をめぐり発行元の講談社が発売を延期したことについて記し、警視庁少年育成課が児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、同社の編集幹部から事情聴取していたことも報道した。
映像を通して、丸刈りになった峯岸さんはファンに向けて「申し訳ありません」と涙を流し、深々と頭を下げた。
丸刈りにした理由は「いてもたってもいられず、メンバーにも事務所の方にも誰にも相談せずに、坊主にすることを自分で決めました」と説明した。「こんなことで今回のことが許していただけるとはとても思っていません」と前置きしながら、「まだAKB48の峯岸みなみでいたいです」と泣きながら残留を希望。「今後のことは、秋元先生や運営のみなさんの判断にお任せします」と締めくくった。
また、読売新聞などによれば、AKB48の公式ホームページでは、同日、今回の報道でファンに多大な迷惑をかけたとして、峯岸さんを2月1日付で研究生に降格処分とすることを発表した。
筆者は思う。峯岸さんの謝罪はAKB48に残りたい一心から出た行為だろう。20歳の乙女心は察するにあまりある。そこをガーディアン紙は「感傷的」と報じた。AKBの幹部は、峰岸さんが男のところに外泊して恋愛禁止のルールに触れたため降格処分にしたと思われる。また世間を騒がせたことも一因なのだろう。
筆者は日本人なので峯岸さんとAKB48の幹部の行動は理解できるが、一方で滑稽だと思うし、首をかしげたくなる。またまた日本人の感性が悪い形で出てしまった。
峯岸さんは「AKB48のルール」を守らなかった。ルールを守らなかったことは遺憾だ。ただAKBのルールがルールに値するのか、不思議に思う。個人的には、初老のたわごとだが、夜、女性が、のこのこと男性の家に泊まりに行くのは良いことだとは思わない。ただ、これは私個人の意見であり、現在では過半数以上の人々が賛同する意見ではない。20歳になれば大人だ。大人の責任で峯岸さんがそのような行動をしたのなら、それでよいではないか。ことを荒立てることもない。ニュース価値もない。
週刊誌にとっては確かにニュース価値がある。虚実をちりばめて面白おかしく書くのが商売だ。捨てておけばよいのだ。ただ問題はAKBの幹部だ。こんなわけのわからないルールを作ること自体異常だ。ガーディアン紙はここを問題にしたことは明らかだ。峯岸さんよりAKB幹部を暗に批判しているのだ。
AKBの幹部は、AKB48に対する良いイメージをつくりだそうとしのだ。道徳的な観点からではなく、あくまで商売上、良いイメージを作り上げるためにそうしたと思われる。彼らの行動を見ていると、若い女性を護ろうとして道徳ルールをつくったとはとうてい感じられない。
ガーディアン紙の記事の裏を読めば、AKB幹部の行動の不可思議さを書いているのだ。AKB幹部は、年端もいかない、一般女性を全国からかき集め、訳の分からないルールをつくって、女性たちに競争させている。「有名になりたい」「テレビに出たい」と思い、スターになることを夢見る10代後半から20歳代前半の女性心に付け込んでいると同紙の記者は感じたのだろう。筆者も同じ考えだ。ある意味で、AKB幹部は若い女性を支配しているとしか考えられない。あえていえば、「人格を否定し、独占」しているのだ。 AKBの最高幹部は秋元康氏のようだ。芸能界に疎い初老の筆者は秋元氏をあまり知らない。きょうのNHKの9時のニュースの前に放送された「テレビ放送開始から60年」に登場していた。放送作家の永六輔氏と対談していた。両者ははじめて会ったという。
秋元氏は英国人の社会基準からすれば、”異常”な人間だ。英国人には奇異に映ったことだろう。日本では有名な放送作家兼映画監督のようだが、英国人は彼を理解できないだろう。放送作家でありながら、なぜこんなブローカーまがいのことをしているのだろうかと疑問に思ったことだろう。秋元氏はAKBというシステムをつくり上げ、その中にいる、自考しない若い女性をコマのように動かしている。英国人は秋元氏の中に独裁を見たのだ。反自由を見たのだ。秋元氏は、自分の意のままに動く女性に対して独裁者のような心理に落ちいっているのだろうか?
英紙ガーディアンは「日本の伝統的な悔い改める行為」「彼女の“罪”は、ボーイ・バンドの白濱 亜嵐(19歳)の自宅に宿泊したこと」「非の打ちどころのない道徳心というイメージを大衆に見せなければならないことだった」「峯岸さんは私の行動(ボーイフレンドの自宅で泊まったこと)は“無思慮で未熟”だったと話した」と記した。
すべてが同紙の記者にとり、理解できないことだったと思う。このなかで「悔い改める」は日本語に訳すとこうなるが、もっと深い意味がある。「神の刑罰を恐れた懺悔、痛悔」という神学的な意味がそこに横たわっている。キリスト教国の人々が「CONTRITION」を使った。峯岸さんの行動の背景に横たわる闇を皮肉くっているとしか考えようがない。 「“”」を使っているのも意味がある。峯岸さんの行為は罪でもない、と英国紙は主張しているのだ。無思慮でも未熟でもない、と言外に、この記事を書いた英国人記者は述べている。
英国人には異常に映った。峯岸さんの「丸刈り」と「謝罪」はまったく理解できなかった。それ以上に異常なのは、秋元氏やほかのAKBの幹部の対処の仕方だ。英国人は、AKB幹部がファンに多大な迷惑をかけたとして峯岸さんを2月1日付で研究生に降格処分にすると発表したことを奇異に感じた。日本文化から生まれた考え以外の何ものでもない。
筆者は日本文化を愛する。広重を愛する。北斎を愛する。日本文化はすばらしい。ただ、このような社会問題を分析するときに感性先行であってほしくない。英国人には日本人の恐ろしいほどまでの「形式主義」と「なぜを問わない体質」「横並びと人格否定主義」を垣間見ただろう。それにAKB幹部のファンへの迎合だろう。英紙の記者はそう感じたはずだ。
同じTBSの昼のワイドショーで、柔道の園田氏問題を取り上げていた。「疲れているのに練習し続ける。コーチの非合理な要求や命令にも唯々諾々と従う。これが日本選手だ。これに対して英国の選手は、コーチが非合理な要求をすれば、『なぜ』と尋ね、話し合いを求める。疲れていれば、あすは休みます、とコーチに言い、コーチもOKを出す」。ワイドショーは、練習をめぐる日英コーチの違いを説明していた。筆者は思わず笑った。
峯岸さんの問題はあくまで個人的な問題だ。これを社会的な問題だとした週刊誌にも問題がある。売るためには何でもありだ。筆者は、この日本人の体質の中に依然として全体主義への病根を見る。軍国主義を批判するマスコミでさえこの体質があるように思う。われわれ日本人が、筆者を含めていつも心しておかなければならない戒めである。
また、偉そうな言い方だが、秋元氏にも助言したい。自らの頭で思考してほしい、と。自分の頭で沈思黙考せず、判断もしない。判断能力がないと英国人に言われても弁解の余地はない。この問題は峯岸さんを降格するような重大な問題でもあるまい。
50歳半ばの秋元氏は、人生経験を積んでいない20歳の女性に諭すべきだった。「丸刈りにしてはいけない。狭い視野で物事を判断してはいけない。他の目で見なさい。広い視野を持ちなさい。君の行動はルール違反だが、どうしてルールを犯したのか話しなさい」。このようにたしなめるのが大人の行動ではあるまいか。
峯岸さんを「降格処分」にしたことは、秋元氏らが明らかに年端もいかない女性を商売道具にしか使っていないことを白日の下にさらした。そこをガーディアン紙は憂い、問題にしたのだ。
皮肉を込めて言えば、秋元氏やAKB幹部らこそ「降格処分」に値する。 英国人をはじめ世界の人々に日本人の醜さをさらしたのだから。「醜さ」が過激なら、「不思議な行動」とでも言い換えよう。秋元氏は2007年より京都造形芸術大学副学長を務めているという。教育者ならなおさら真摯に反省してほしい。秋元氏は放送作家として本業に精を出すべきだ。あまり副業をしないように。
◆研究生への降格(サイトから転用) これまで、AKB48の正規メンバーから研究生に降格したのは3期生の早乙女美樹のみ。09年、AKB48の公式ブログで「チーム、そしてメンバーとして自覚に欠けており、本人と話し合いをした」と降格を発表。早乙女は同年4月に卒業している。峯岸はAKB48で2人目の降格経験者となった。