昨年の12月から中国で始まったコロナ戦、日本はこれから悲惨な”敗走”が始まるのだろうか。コロナとの戦いで、安倍政権と日本の”優秀”な官僚機構の能力の程度が世界にばれてしまった。7月25日付朝日新聞のインターネットサイトを読んで、思わず失笑した。読者の皆さんも抜粋を読んでほしい。
政府が新型コロナウイルスの感染防止策として始めた布マスクの配布事業で、介護施設や保育所など向けの布マスクの発注と製造が続き、今後さらに約8千万枚を配る予定であることが厚生労働省などへの取材でわかった。全戸向けの配布は6月に終わり、すでに店頭でのマスク不足も解消されて久しい。配布はいつまで続くのだろうか。「忘れた頃に突然、という感じだった」。東海地方にある保育園には、4月に続いて6月にも、職員用の布マスクが届いた。園長(53)は「万が一の時のために備蓄しているが、今のところ出番はない。自分で使うなら、もう少し呼吸しやすい形のマスクを選びます」と困惑気味だ。
国民への10万円給付といい、全世帯に配ったマスクといい、的外れな戦術に、さぞかしコロナも喜んでいるだろう。今年2月から半年、政府と官僚は何をしていたのかと問いたい。貴重な時間を失い、コロナは退却したと見せかけて、現在、われわれに総攻撃を仕掛けている。 それに対して政府は「いまだ重症者は少ない。この春とは違う」とのんきな言葉を繰り返す。
まるで、児童が遊園地の「モグラの遊具」をたたいているようだ。モグラが出てくれば、それを叩く。児童はそれを繰り返して楽しむ。児童の行為と政治家や官僚の行動は似ている。
政治家や官僚は、目の前に起こったことに対して対処するだけ。あとは、ひたすら国民に「現状を話し、ひたすら不要不急の外出をするな」と要請するだけ。それ以外はただただコロナウィルスの攻撃を指をくわえてみているだけのようだ。
2月から半年、欧州は日本の数十倍、数百倍の死者を出しながらも、必死になってPCRキッド増産と、それを扱うことができる医療従事者の訓練に邁進した。 ニューヨーク市は今月22日には「死者ゼロ」、感染者数もほぼ10人前後にまで減っている。激減させたのは検査の徹底である。感染者の蔓延と死者数の増大で医療崩壊が起こっていたにもかかわらず、 それを横目に見ながらもクオモ市長とニューヨーク市民は必死になってPCRキッドを増産し、コロナの陽性者と陰性者を分け、陽性者を隔離することに成功した。
クオモ市長は経済活動の再開にも慎重だ。クオモ知事は再開の条件として、「検査、追跡、隔離の徹底が重要。多くの住民が検査を受けることが経済活動再開の条件」としている。レストラン店内の飲食は今も禁止。違反すると約1000万円の罰金か営業停止だ。
クオモ市長は勇気を出して、住民からの訴訟のリスクをものともせず、勇敢にコロナと戦った。市民に「市民の権利を制約する、さまざまな措置を、市民に理解させ納得」させた。
吉永みち子(作家)さんは「(ニューヨークは)日本と比べて悲惨な状況から新型コロナ対策始めましたが、いま、同じ時間が経ってみると、この開きが出ているわけです。やるべきことを懸命にやったかどうかの違いでしょう」と冷ややかに語っている。
日本の指導者である安倍首相ら政治家や官僚はこの段になっても「我が身」が大切らしい。特に厚生労働省の医学系技官の保身のすさまじさは想像を絶する。テレビの専門家の話を聞いていると、彼らはPCR検査の増産に消極的だという。
PCR検査器機の精度が完全でないものは使えない、と言っている。本当に硬直している。旧陸軍の高級参謀と同じ態度だ。またハンセン病患者の隔離について、最高裁で敗訴して隔離は「懲りた」という。PCR検査から派生するかもしれない偽陽性のため、偽陽性者から訴えられるのを「恐れている」という。
太平洋戦争で、連戦連敗のアメリカ軍が初めて勝利したガダルカナルの戦いでの日本陸軍参謀本部の硬直した作戦、場当たり的作戦、敵の急所はどこなのか、敵の戦略は何かを深く考えない姿勢は、現在の安倍政権と官邸に巣食う高級官僚や厚生労働省の医学系官僚(技官)の姿勢と同じだ。
戦略は何か。コロナとの戦いに勝利するには何をすべきか。ワクチンや薬がない現状では、政府と官僚がすべきことは、PCRキッドを増産し、器機を取り扱う医療者を訓練することではないのか。そして医療体制を充実し、そこに多くの資金をつぎ込み、物心両面で、最前線で戦っている医師や看護婦を支援することではないのか。偏差値教育の結末なのか。これが本当なら、国民がかわいそうだ。
現状において取り得る道はPCRキッドの増産と医療体制のてこ入れではないのか。それがいやなら「緊急事態宣言」を出すべきだろう。これが劇薬であり、経済を破壊すると政治家と官僚が認識しているのなら、PCRキッドで、感染地域の住んでいる何万人もの人々を検査する以外に、コロナに大打撃を与える方法はあるのか。あるなら、われわれ国民に説明してくれ。小池東京都知事のように、毎日、「患者は何人だ」と言うだけでは国民の不安は、都民の不安は解消されない。
政治家も官僚も、私が今まで言ってきたことを知っているはずだ。日本の官僚は有能な村社会の人々だ。当然知っている。彼らに足りないのは勇気だ。自己犠牲を覚悟する勇気だ。コロナ検査を大量にすることによる不慮の災害(ワクチンと違って生命に及ぼす危害はない)を引き受ける勇気がないのだ。この壊滅の危機に至っても自らの保身だけを考えるのか!
第2次政界大戦中、20世紀の大政治家ウィンストン・チャーチル首相は国民に「きびしい現状を話し、政府の戦略と当面の措置を話し、国民を鼓舞」した。チャーチルは言う。「政治家には、これから何が起こるか予知する能力が不可欠だ。そして自分が国民に言った予見が起こらなかった場合、なぜ起こらなかったかを説明する能力をも持たなければならない」と。
8月下旬から9月初めに、コロナウィルスが全国に蔓延し、どうしようもなくなって、打つ手がなくなることを恐れる。いまからでも遅くはない。政治家も高級官僚も「勇気」を出し、コロナを直撃するため、ワクチンができあがるまで、PCR検査を充実させて戦うことだ。これしか手持ちの戦力はないではないか。マスクを国民に配ったところで、10万円をわれわれに配ったところで、「Go To トラベル」事業をやったところで、コロナは元気一杯だ。「Go To トラベル」事業は観光業者の破産を時間的に延ばすにすぎない。コロナを撲滅しないかぎり、経済は破たんし、観光業者もわれわれも海の藻屑と消えるだろう。
政府が新型コロナウイルスの感染防止策として始めた布マスクの配布事業で、介護施設や保育所など向けの布マスクの発注と製造が続き、今後さらに約8千万枚を配る予定であることが厚生労働省などへの取材でわかった。全戸向けの配布は6月に終わり、すでに店頭でのマスク不足も解消されて久しい。配布はいつまで続くのだろうか。「忘れた頃に突然、という感じだった」。東海地方にある保育園には、4月に続いて6月にも、職員用の布マスクが届いた。園長(53)は「万が一の時のために備蓄しているが、今のところ出番はない。自分で使うなら、もう少し呼吸しやすい形のマスクを選びます」と困惑気味だ。
国民への10万円給付といい、全世帯に配ったマスクといい、的外れな戦術に、さぞかしコロナも喜んでいるだろう。今年2月から半年、政府と官僚は何をしていたのかと問いたい。貴重な時間を失い、コロナは退却したと見せかけて、現在、われわれに総攻撃を仕掛けている。 それに対して政府は「いまだ重症者は少ない。この春とは違う」とのんきな言葉を繰り返す。
まるで、児童が遊園地の「モグラの遊具」をたたいているようだ。モグラが出てくれば、それを叩く。児童はそれを繰り返して楽しむ。児童の行為と政治家や官僚の行動は似ている。
政治家や官僚は、目の前に起こったことに対して対処するだけ。あとは、ひたすら国民に「現状を話し、ひたすら不要不急の外出をするな」と要請するだけ。それ以外はただただコロナウィルスの攻撃を指をくわえてみているだけのようだ。
2月から半年、欧州は日本の数十倍、数百倍の死者を出しながらも、必死になってPCRキッド増産と、それを扱うことができる医療従事者の訓練に邁進した。 ニューヨーク市は今月22日には「死者ゼロ」、感染者数もほぼ10人前後にまで減っている。激減させたのは検査の徹底である。感染者の蔓延と死者数の増大で医療崩壊が起こっていたにもかかわらず、 それを横目に見ながらもクオモ市長とニューヨーク市民は必死になってPCRキッドを増産し、コロナの陽性者と陰性者を分け、陽性者を隔離することに成功した。
クオモ市長は経済活動の再開にも慎重だ。クオモ知事は再開の条件として、「検査、追跡、隔離の徹底が重要。多くの住民が検査を受けることが経済活動再開の条件」としている。レストラン店内の飲食は今も禁止。違反すると約1000万円の罰金か営業停止だ。
クオモ市長は勇気を出して、住民からの訴訟のリスクをものともせず、勇敢にコロナと戦った。市民に「市民の権利を制約する、さまざまな措置を、市民に理解させ納得」させた。
吉永みち子(作家)さんは「(ニューヨークは)日本と比べて悲惨な状況から新型コロナ対策始めましたが、いま、同じ時間が経ってみると、この開きが出ているわけです。やるべきことを懸命にやったかどうかの違いでしょう」と冷ややかに語っている。
日本の指導者である安倍首相ら政治家や官僚はこの段になっても「我が身」が大切らしい。特に厚生労働省の医学系技官の保身のすさまじさは想像を絶する。テレビの専門家の話を聞いていると、彼らはPCR検査の増産に消極的だという。
PCR検査器機の精度が完全でないものは使えない、と言っている。本当に硬直している。旧陸軍の高級参謀と同じ態度だ。またハンセン病患者の隔離について、最高裁で敗訴して隔離は「懲りた」という。PCR検査から派生するかもしれない偽陽性のため、偽陽性者から訴えられるのを「恐れている」という。
太平洋戦争で、連戦連敗のアメリカ軍が初めて勝利したガダルカナルの戦いでの日本陸軍参謀本部の硬直した作戦、場当たり的作戦、敵の急所はどこなのか、敵の戦略は何かを深く考えない姿勢は、現在の安倍政権と官邸に巣食う高級官僚や厚生労働省の医学系官僚(技官)の姿勢と同じだ。
戦略は何か。コロナとの戦いに勝利するには何をすべきか。ワクチンや薬がない現状では、政府と官僚がすべきことは、PCRキッドを増産し、器機を取り扱う医療者を訓練することではないのか。そして医療体制を充実し、そこに多くの資金をつぎ込み、物心両面で、最前線で戦っている医師や看護婦を支援することではないのか。偏差値教育の結末なのか。これが本当なら、国民がかわいそうだ。
現状において取り得る道はPCRキッドの増産と医療体制のてこ入れではないのか。それがいやなら「緊急事態宣言」を出すべきだろう。これが劇薬であり、経済を破壊すると政治家と官僚が認識しているのなら、PCRキッドで、感染地域の住んでいる何万人もの人々を検査する以外に、コロナに大打撃を与える方法はあるのか。あるなら、われわれ国民に説明してくれ。小池東京都知事のように、毎日、「患者は何人だ」と言うだけでは国民の不安は、都民の不安は解消されない。
政治家も官僚も、私が今まで言ってきたことを知っているはずだ。日本の官僚は有能な村社会の人々だ。当然知っている。彼らに足りないのは勇気だ。自己犠牲を覚悟する勇気だ。コロナ検査を大量にすることによる不慮の災害(ワクチンと違って生命に及ぼす危害はない)を引き受ける勇気がないのだ。この壊滅の危機に至っても自らの保身だけを考えるのか!
第2次政界大戦中、20世紀の大政治家ウィンストン・チャーチル首相は国民に「きびしい現状を話し、政府の戦略と当面の措置を話し、国民を鼓舞」した。チャーチルは言う。「政治家には、これから何が起こるか予知する能力が不可欠だ。そして自分が国民に言った予見が起こらなかった場合、なぜ起こらなかったかを説明する能力をも持たなければならない」と。
8月下旬から9月初めに、コロナウィルスが全国に蔓延し、どうしようもなくなって、打つ手がなくなることを恐れる。いまからでも遅くはない。政治家も高級官僚も「勇気」を出し、コロナを直撃するため、ワクチンができあがるまで、PCR検査を充実させて戦うことだ。これしか手持ちの戦力はないではないか。マスクを国民に配ったところで、10万円をわれわれに配ったところで、「Go To トラベル」事業をやったところで、コロナは元気一杯だ。「Go To トラベル」事業は観光業者の破産を時間的に延ばすにすぎない。コロナを撲滅しないかぎり、経済は破たんし、観光業者もわれわれも海の藻屑と消えるだろう。