大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

浜御殿を彩る白銀の世界~雪に覆われた徳川将軍家のお庭(浜離宮)~

2012年01月24日 16時10分59秒 | 中央区・歴史散策
昨夜来から降り始めた東京の雪は久しぶりに積雪4cmを記録しました。朝のワイドショーでは都内の雪景色の映像をしきりに流し、いつものように雪に弱い東京をやたらと報道したがるテレビ局の意図がありありと感じます。

幸いに今回の積雪は交通機関にさほど大きな影響を与えていないとのことで、電車に乗って都内にある名園の雪景色を堪能することとしました。

汐入池畔の松の茶屋

その名園は徳川将軍家のプライベートの御殿として第六代将軍家宣公が整備した御浜御殿(浜離宮)ですが、かねてより雪に覆われた浜離宮の美しい姿を一度見てみたいと思い、開園時間に合わせ出掛けました。

汐留のビル群

到着したのは開園時間をちょっと過ぎた頃、大手門から眺める園内には人影はまったくありません。はやる気持ちを抑えつつ、まだ誰も歩いていない真っ白な雪の上を歩きながら、冬ならではの名園散策を楽しむことにしました。

汐留のビル群

雪化粧をした御浜御殿を散策できることはめったにありません。しかもほとんど人気のない園内を独り占めしているようなチャンスもめったにありません。大寒を過ぎたこの季節には、園内を彩る花はせいぜい寒椿ぐらいなものです。落葉樹の葉はなく、寒々とした枝だけの景色が広がるのが冬の庭園なのですが、そんな味気のない冬の庭園がひとたび美しい白銀の衣装を纏うやいなや、人の手ではけっして描くことができない別の世界が現出していることがはっきりと判ります。

空と雪とビル群

まるで借景のように園の背後に林立する汐留地区の高層ビル群がターコイズブルーの空と地表に降り積もった白い雪の間で鮮やかなコントラストを見せています。

松の茶屋

御浜御殿を代表する絶景ポイントはなんといっても汐入りの池周辺の景色でしょう。その池の畔に復元なった茶屋(松の茶屋)が屋根に雪をあしらい佇んでいます。

>鏡面のような汐入池

波一つない汐入の池はまるで鏡面のように輝き、周囲の景色を見事に映し出しています。その池を囲む遊歩道にも一面に雪が降り積もり、白い絨毯を上を歩いているかのような錯覚に陥ります。遊歩道の脇の雪に覆われたなだらかなスロープに趣きを感じさせてくれるかのように松の木が青い空に映えています。

お伝い橋と中ノ島
松の茶屋遠望
汐入池の畔
青空に映える松ノ木
青空に映える松ノ木

御浜御殿名物の梅園の木々も枝々に雪を纏い趣きある風情を醸し出しています。

梅林

梅園脇の遊歩道を進むと網に覆われた広場が現れます。この場所は春の季節には数十万株の菜の花が黄色の絨毯を敷き詰めたように咲き誇ります。地表にはもう菜の花の若葉が顔を出していますが、昨夜来の雪がその若葉の上に痛々しく降り積もっていました。

菜の花畑とビル群

雪のあしたは裸で洗濯、と良く言われますが、真っ白い雪の上に降り注ぐ冬の陽射しが優しく感じる御浜御殿でのひとときでした。

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