大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

大江戸桜だより・江東水辺の桜景色(4月8日現在)

2011年04月08日 18時09分16秒 | 2011大江戸桜だより
私が住む江東区は水彩都市といわれるほど水辺が多いところです。東京湾沿いのベイエリアをはじめ、荒川や隅田川といった一級河川に挟まれています。そしてこの荒川と隅田川を結んでいるのが小名木川、さらに小名木川を横切るように開削された仙台掘川と横十間川といった運河が水彩都市・江東区内を縦横に巡っています。

これら区内の内陸に流れる水辺には隠れた桜の名所が点在しています。今日は前述の横十間川から小名木川そして仙台掘川の河畔を巡り、今を盛りに咲き誇る「桜景色」をお伝えいたします。

まずは最初に横十間川畔の桜並木をご紹介いたしましょう。都営地下鉄新宿線の菊川駅と住吉駅のちょうど中間辺りに南北に流れる川が横十間川です。河畔の両側の桜並木は小名木川と交差するところまで延々と続いています。途中の猿江橋の上から眺める横十間川両岸の桜並木の光景はまさに江東区を代表する桜の名所といっても過言ではありません。

横十間川沿いの桜
猿江橋袂の桜
横十間川沿いの桜

猿江橋から高橋商店街を抜け、清澄通りを渡ると「芭蕉通り」の桜並木が見えてきます。芭蕉通りは清澄通りの入口から萬年橋通りまでの道の両側に見事な桜の木が並んでいます。

芭蕉通りの桜並木
芭蕉通りの桜並木

芭蕉通りを抜け、萬年橋通りに突き当たって左折すると前方に萬年橋が見えてきます。萬年橋の下を流れる川が小名木川です。

この小名木川の河畔にも見事な桜並木があります。萬年橋を渡り最初の角を左折してください。相撲部屋「高田川部屋」のビルを過ぎると、左手に折れる道があります。この道を入っていくと小名木川畔の遊歩道へ進むことができます。この小名木川畔の観桜は萬年橋側にある第一水門から次の橋「高橋」までの間で愉しむことができます。

小名木川畔の桜並木
第一水門と桜
小名木川畔の桜並木


高橋で清澄通りを南下し、仙台掘川に架かる「海辺橋」へと進みましょう。海辺橋の袂にはあの芭蕉の庵「採茶庵」があった場所です。海辺橋を挟んで仙台掘川の両岸にも見事な桜の景色が広がっています。
この仙台掘川が隅田川方向へ流れる左側の遊歩道は「芭蕉俳句の散歩道」と名付けられています。芭蕉の代表的な俳句を読みながら花見を愉しむことができます。

芭蕉俳句の散歩道



このように江東区には水辺を彩る桜の名所が点在しています。是非、江東区の観桜水辺めぐりにお越しください。




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大江戸桜だより・飛鳥山公園(4月7日現在)

2011年04月07日 16時59分59秒 | 2011大江戸桜だより
飛鳥山公園は江戸ご府内の上野、墨提とならぶ観桜の名所としてよく知られています。昨日6日にお江戸の処々で桜満開の便りが寄せられています。当ブログではすでに墨提、千鳥ヶ淵、靖国神社、佃リバーシティと今年の桜だよりを掲載いたしました。

ということで、ものはついでと今日7日はご府内で一二を争う桜の名所である「飛鳥山公園」へ出掛けました。JR王子駅側の長い石段を登り、飛鳥山の頂きへと進みます。かなりの勾配があるためお年寄りの方々は難儀のご様子。



その甲斐あって山頂は桜のタペストリーを敷きつめたような別世界が広がっています。飛鳥山の一番北の端からは明治通りを挟んで音無親水公園の満開の桜を遠望できます。

飛鳥山から見る音無親水公園の桜

それではゆっくりと歩を進めて飛鳥山公園の桜めぐりを愉しむことにしましょう。全山桜一色とはこのこと。まるで途切れない花の雲に包まれているといった表現がピッタリです。初夏を思わせる爽やかな風に乗って、桜の花弁がひとひら、ひとひら散っていくさまに、春が足早に駆け抜けていく寂しさを感じます。

飛鳥山の桜(1)
飛鳥山の桜(2)
飛鳥山の桜(3)
飛鳥山の桜(4)

三百年余り前に八代将軍吉宗公が庶民の遊山地として、ここ飛鳥山に桜の木を植えた事が飛鳥山の桜名所の始まりです。江戸時代の春の花見は江戸庶民にとって最高の娯楽であり、幕府もこの時ばかりは無礼講を装い、飲めや歌えの乱痴気騒ぎを許したといいます。まあ!ある種のガス抜きとして、幕府は春の花見を利用したようです。

時は下り平成の世、今年の花見は大震災後の自粛ムードの中で、どこも静かな雰囲気に包まれています。それでも私たち多くの庶民が年に一度の観桜を愉しんでいるのは、連日の原発報道やたび重なる余震情報のストレスを少しでも和らげたいという気持ちの表れではないでしょうか?

圧倒的な飛鳥山の桜の下を歩きながら、滝野川口の渋沢邸の桜へと辿りつきました。洋館の脇に咲く満開の桜が静かな庭にアクセントを付けています。

渋沢邸の桜

このあと、飛鳥山に沿って走る本郷通りの桜並木を見ながら音無親水公園の桜を目指します。枝ぶりのいい桜がまるでトンネルのように渓谷を覆っています。音無親水公園の桜四景です。

 

 

 






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大江戸桜だより・佃リバーシティ21(4月6日現在)

2011年04月06日 22時57分52秒 | 2011大江戸桜だより
隅田川の流れは永代橋を過ぎるとまもなく大きく2つに分かれます。その流れの前方には天を突き刺すように林立する高層ビルが現れてきます。ここがかつての石川島ですが、あの石川島播磨重工があった場所です。江戸時代の寛政の改革当時、あの鬼平こと長谷川平蔵が時の老中、松平定信に具申し人足寄場を造ったのがこの石川島なのです。

この石川島に隣接して、佃煮で知られる「佃島」があります。この2つの島は現在では地つづきとなっていますが、かつての佃地区は昔ながらの静かな佇まいを残し、下町の風情に溢れています。そして石川島地区はIHIの跡地の再開発が進み、現在では佃リバーシティ21と名付けられ高層マンション群の町となっています。

そんな佃リバーシティ21は都内有数の桜の名所として知られています。河岸のテラスを飾る桜並木は隅田墨堤のそれと引けをとらないほど見事なものです。今日4月6日のリバーシティの桜はほぼ満開に近い状態です。場所柄なのか、平日のためか、花見客は多くありません。都内でも混雑しない花見スポットとしてお薦めしたい場所です。

 

 

 



そしてリバーシティ21からかつての佃島地区へ向いましょう。佃地区には桜の木がほとんどありません。唯一あるのが住吉神社の境内の「しだれ桜」です。静かな境内の一角に植えられたこの「しだれ桜」のことはあまり知られていないようです。満開を向え美しい花弁を春の風に揺らす「しだれ桜」は静かな境内の中ではひときわ目立つ存在のようです。

佃・住吉神社のしだれ桜
狛犬としだれ桜
住吉社殿としだれ桜

※佃リバーシティ21へは地下鉄大江戸線、東京メトロ有楽町線の月島駅からが便利です。
※地下鉄日比谷線の築地駅から徒歩にて聖路加タワーへ。河岸を歩いて、佃大橋を渡り佃へ。




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大江戸桜だより・靖国の杜の桜(4月6日現在)

2011年04月06日 18時27分53秒 | 2011大江戸桜だより
千鳥ヶ淵の観桜にひきつづいて、是非ご覧いただきたいのが「靖国神社」の桜です。いつもなら境内の参道にはたくさんの屋台が出店するのですが、今年は東日本大震災のため静かな雰囲気を漂わせています。

また旅行会社のバスツアーも自粛気味のようで、バス駐車場には観光バスも数えるほどしか停まっていません。そのためか境内は団体客の賑わいも少ないようです。

第二鳥居から神門へと進むと、神門の菊のご紋章の向こうに満開の桜の様子が覗えます。神門を抜け拝殿までの間の境内敷地が靖国神社の桜の名所です。能舞台の脇に植えられている桜の「標準木」は見事に満開状態です。

第二鳥居
神門
境内の桜
境内の桜
桜の標準木

そして参集殿を左に見ながらお社の裏手にある神池へと進んでいきましょう。この道すがらにも満開の桜の木が私たちを迎えてくれます。皆行社の建物の脇にはひときわ色合いの濃い桜が美しい花弁を見せています。

偕行社と桜
偕行社と桜

境内の花見を終えて、靖国神社の塀に沿って靖国通りを歩いてみましょう。通りに沿って植えられている桜も今を盛りに咲き誇っています。

境内の桜俯瞰
靖国通り沿いの桜並木

今週末は是非、千鳥ヶ淵と靖国の桜をお楽しみください。




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大江戸桜だより・皇居千鳥ヶ淵の桜(4月6日現在)

2011年04月06日 17時58分28秒 | 2011大江戸桜だより
都内で最も見事な桜並木がつづく場所の代表格・皇居千鳥ヶ淵は今まさに見ごろを迎えています。九段下駅からは観桜の人波がつづき例年の賑わいを見せています。



千鳥ヶ淵の遊歩道はまるで桜の雲に覆われたように、桜花乱舞といった様相を呈しています。お濠を挟んだ対岸の桜も今を盛りに咲き誇っています。下の写真のような美しい光景が広がっています。









今週末までは十分に愉しめると思います。是非行かれてください。尚、田安門の桜もちょうど見ごろです。




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大江戸桜だより・春爛漫の隅田墨堤

2011年04月05日 18時41分01秒 | 2011大江戸桜だより
待ちわびた春の陽射しに誘われて、隅田左岸の墨堤のそぞろ歩きを楽しみました。例年、この季節は堤に延々と屋台が軒を連ね、たこ焼き、焼そばの香りが漂い、花をゆっくりと愛でるという風情よりも、「花より団子」を楽しむといった雰囲気が強かったのですが、今年は東日本大震災で被災された方々や今なお、復旧に苦労されている方々を思い、派手な催しが自粛され墨堤には一軒の屋台もなく、堤を飾る「ぼんぼり」もありません。



隅田左岸にある言問団子と長命寺の桜餅のお店あたりから堤へあがると、ちょうど墨提の桜並木が始まります。
江戸時代からある常夜燈と桜のコラボは妙に風情を感じさせてくれます。桜橋(X橋)を右手に見ながら左岸を進むと、満開に近い彩りの桜並木が遥か彼方までつづいています。屋台の軒で邪魔されず、まるで花の雲を見るような光景が広がっています。

常夜燈と桜
墨提の桜
屋台のない桜並木

三囲の社を堤下に見ながら進むとまもなく牛嶋の鎮守様の社が見えてきます。そして隣接する隅田公園にも満開の桜の木が美しい姿を見せています。スカイツリーと目と鼻の先に位置するここ隅田公園からは美しい桜の花弁越しにタワーの姿がひときわ大きく見えてきます。

スカイツリーと桜
スカイツリーと桜
隅田公園の満開の桜
牛嶋様の鳥居と桜

自然の営みがあればこそ、私たちは毎年美しい桜の花を見ることができるのですが、時として自然は私たちに過酷な試練を与えます。それが大災害という形で牙をむく自然の恐ろしさと、春を彩る艶やかな桜の優しい姿とは同じ自然の営みとはいえ、あまりにも相反した事象ではないでしょうか。



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