晩秋の彩が最盛期を迎えたお江戸は師走を迎え、ほんの少し冬の気配を感じるような冷たい風が吹いています。
雲一つない晴天に恵まれた今日(12月6日)、誘われるままに上野の山の紅葉を見に出掛けてきました。
上野東照宮拝殿
実は上野の山の紅葉もさることながら、実は修復なった「東照宮」の参拝が目的なのです。東照宮へ向かう途中、文化会館前の銀杏の木は見事に黄葉し、青空を背景に黄金色の葉が映えています。
黄葉した銀杏
まずは広い上野公園を横切り、東照宮の「大石鳥居」へと向かいます。
大石鳥居
この鳥居は国指定の重要文化財に指定されているもので、江戸時代の寛永10年(1633)に上州厩橋(現在の前橋)藩主で老中を勤めた酒井忠世が奉納したものです。石鳥居の左側の柱に寛永10年 酉四月十七日 厩橋侍従酒井雅楽頭源朝臣忠世(さかいうたのかみ)と刻まれています。 尚、江戸を襲った幾多の地震にも耐えたことで、当時の基礎工事の素晴らしさを物語っています。
大石鳥居をくぐると、前方に見えてくるのが参道入り口に置かれた「水舎門(みずのやもん)」です。
水舎門
ここ東照宮はお寺ではないので、山門とは呼ばないのですが、楼門にしては貧弱きわまりない代物です。実は水舎という文字が使われていることから、この門は本来の目的とは異なる建造物です。というのは、神社には必ずといってある「手水舎」の屋根を門として代用したものなのです。
水舎門をくぐると東照宮の唐門へとまっすぐに参道がのびています。そしてどこの東照宮でもあるように、大名家が寄進した多くの石灯籠や銅燈籠が置かれています。銅燈籠は全部で50基ほどあります。日曜日の午前中なのですが、東照宮に訪れる参拝客はまばらで、参道は静かな雰囲気に包まれています。
参道の風景
参道の風景
参道の右側は上野動物園の敷地ですが、その敷地に寛永寺の五重塔が建っています。
五重塔
五重塔
さあ!参道を進んで行くと、ドンツキに構えるのが東照宮の「唐門」です。さて上野東照宮ですが、実は平成21年1月12日から長期間の修復工事に入り、平成25年12月31日まで唐門を含み拝殿、幣殿、本殿すべてが足場で隠されていました。そして平成26年1月初めから再び一般公開されたのです。
それから1年近く経ってしまいましたが、かねてからご府内にある東照宮の中でも一番素晴らしいと評判の上野東照宮の生まれ変わった姿を見るのを楽しみにしていました。その念願叶って、本日参拝をした次第です。
唐門
唐門
唐門
唐門
見事なまでにキンキラキンの姿になった唐門は、総金箔仕上げでいったいどれほどの量の金箔を使ったのでしょうか。これまで全国各地の東照宮を訪れ、それぞれに東照宮の美しさに感動してきました。
圧巻なのはもちろん、日光東照宮ですが、これは別格です。また久能山東照宮(国宝)も日光に劣らず見事なものでした。
そして蘇ったここ上野東照宮も久能山東照宮に匹敵するくらいの絢爛さを誇っています。
さあ!唐門も向こう側にある拝殿、幣殿そして本社殿がどのように蘇ったかを見るのが楽しみになってきます。
拝観料は唐門の左手にある「お札授与所」で支払います。一人500円の拝観料を納めて、社殿を取り囲んでいる「透塀」の外側(外陣)へと進んでいきます。
東照宮のパンフレット
外陣部分の石灯籠
外陣部分の石灯籠
外陣部分の土道を進んで行くと、ここにもあまたの石灯籠が整然と並んでいます。はじめて入る場所だったので、こんな風になっているんだと改めて感動してしまいます。
そして社殿を取り囲む見事な「透塀」が長くつづいています。
透塀(重文)
そして外陣の石灯籠の傍らには見事な「楠木」が1本。樹齢600年以上と言われているもので、幹回りがなんと8m以上の御神木です。
楠木
楠木
それではお待ちかねの内陣へ進んでいきましょう。内陣への入口は透塀の一部分に取り付けられた門から入っていきます。
内陣への入口
内陣への入口
内陣に入ると、これまたキンキンキラキラの総金箔張の本社殿部分が目の前に現れます。
本社殿部分
本社殿と拝殿
上野東照宮の色彩は金箔の金色と黒漆のコントラストが絶妙なバランスで配色されていて、極彩色の色付けは向背部分に限られているような気がします。このため、日光東照宮や久能山の東照宮に見られるような極彩色の美しさより、「静」の美しさを醸し出しています。
本社殿部分
本社殿の切り妻
内陣を回り込むようにして拝殿へ進む途中、蜜柑の木が植えられ、実がなっています。そんな蜜柑と拝殿の向背のコラボ写真を撮ってみました。
蜜柑と向背
そしていよいよ正面拝殿が現れます。拝殿正面に置かれた4本の柱も金箔、拝殿正面の見事なまでの金箔張です。
拝殿
拝殿
拝殿
拝殿
拝殿前には先ほどの唐門を裏側から見ることができます。
唐門
唐門
唐門
拝殿
拝殿
拝殿の向背
拝殿の向背
拝殿
上野東照宮は社殿内部への昇殿はできませんが、重文指定の建造物を間近に見ることができるだけで十分に満足できます。
これほどまでに蘇った上野東照宮が国宝指定にならず重文であることに若干の疑問を感じます。
神君家康公の御威光を肌で感じる上野東照宮でのひとときを過ごし、辞することにしました。東照宮周辺の木々は晩秋の空の下、美しく彩られています。
黄葉
黄葉
黄葉
黄葉
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雲一つない晴天に恵まれた今日(12月6日)、誘われるままに上野の山の紅葉を見に出掛けてきました。
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実は上野の山の紅葉もさることながら、実は修復なった「東照宮」の参拝が目的なのです。東照宮へ向かう途中、文化会館前の銀杏の木は見事に黄葉し、青空を背景に黄金色の葉が映えています。
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まずは広い上野公園を横切り、東照宮の「大石鳥居」へと向かいます。
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この鳥居は国指定の重要文化財に指定されているもので、江戸時代の寛永10年(1633)に上州厩橋(現在の前橋)藩主で老中を勤めた酒井忠世が奉納したものです。石鳥居の左側の柱に寛永10年 酉四月十七日 厩橋侍従酒井雅楽頭源朝臣忠世(さかいうたのかみ)と刻まれています。 尚、江戸を襲った幾多の地震にも耐えたことで、当時の基礎工事の素晴らしさを物語っています。
大石鳥居をくぐると、前方に見えてくるのが参道入り口に置かれた「水舎門(みずのやもん)」です。
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ここ東照宮はお寺ではないので、山門とは呼ばないのですが、楼門にしては貧弱きわまりない代物です。実は水舎という文字が使われていることから、この門は本来の目的とは異なる建造物です。というのは、神社には必ずといってある「手水舎」の屋根を門として代用したものなのです。
水舎門をくぐると東照宮の唐門へとまっすぐに参道がのびています。そしてどこの東照宮でもあるように、大名家が寄進した多くの石灯籠や銅燈籠が置かれています。銅燈籠は全部で50基ほどあります。日曜日の午前中なのですが、東照宮に訪れる参拝客はまばらで、参道は静かな雰囲気に包まれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/18/99d3010bfd22c8c82978dbfec92fd2e2.jpg)
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参道の右側は上野動物園の敷地ですが、その敷地に寛永寺の五重塔が建っています。
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さあ!参道を進んで行くと、ドンツキに構えるのが東照宮の「唐門」です。さて上野東照宮ですが、実は平成21年1月12日から長期間の修復工事に入り、平成25年12月31日まで唐門を含み拝殿、幣殿、本殿すべてが足場で隠されていました。そして平成26年1月初めから再び一般公開されたのです。
それから1年近く経ってしまいましたが、かねてからご府内にある東照宮の中でも一番素晴らしいと評判の上野東照宮の生まれ変わった姿を見るのを楽しみにしていました。その念願叶って、本日参拝をした次第です。
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見事なまでにキンキラキンの姿になった唐門は、総金箔仕上げでいったいどれほどの量の金箔を使ったのでしょうか。これまで全国各地の東照宮を訪れ、それぞれに東照宮の美しさに感動してきました。
圧巻なのはもちろん、日光東照宮ですが、これは別格です。また久能山東照宮(国宝)も日光に劣らず見事なものでした。
そして蘇ったここ上野東照宮も久能山東照宮に匹敵するくらいの絢爛さを誇っています。
さあ!唐門も向こう側にある拝殿、幣殿そして本社殿がどのように蘇ったかを見るのが楽しみになってきます。
拝観料は唐門の左手にある「お札授与所」で支払います。一人500円の拝観料を納めて、社殿を取り囲んでいる「透塀」の外側(外陣)へと進んでいきます。
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外陣部分の土道を進んで行くと、ここにもあまたの石灯籠が整然と並んでいます。はじめて入る場所だったので、こんな風になっているんだと改めて感動してしまいます。
そして社殿を取り囲む見事な「透塀」が長くつづいています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/02/c8998995ac257b63fdc4f12cf614d153.jpg)
そして外陣の石灯籠の傍らには見事な「楠木」が1本。樹齢600年以上と言われているもので、幹回りがなんと8m以上の御神木です。
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それではお待ちかねの内陣へ進んでいきましょう。内陣への入口は透塀の一部分に取り付けられた門から入っていきます。
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内陣に入ると、これまたキンキンキラキラの総金箔張の本社殿部分が目の前に現れます。
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上野東照宮の色彩は金箔の金色と黒漆のコントラストが絶妙なバランスで配色されていて、極彩色の色付けは向背部分に限られているような気がします。このため、日光東照宮や久能山の東照宮に見られるような極彩色の美しさより、「静」の美しさを醸し出しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/5a/8be5fe143920bf1a966ad07174357f11.jpg)
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内陣を回り込むようにして拝殿へ進む途中、蜜柑の木が植えられ、実がなっています。そんな蜜柑と拝殿の向背のコラボ写真を撮ってみました。
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そしていよいよ正面拝殿が現れます。拝殿正面に置かれた4本の柱も金箔、拝殿正面の見事なまでの金箔張です。
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拝殿前には先ほどの唐門を裏側から見ることができます。
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上野東照宮は社殿内部への昇殿はできませんが、重文指定の建造物を間近に見ることができるだけで十分に満足できます。
これほどまでに蘇った上野東照宮が国宝指定にならず重文であることに若干の疑問を感じます。
神君家康公の御威光を肌で感じる上野東照宮でのひとときを過ごし、辞することにしました。東照宮周辺の木々は晩秋の空の下、美しく彩られています。
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