大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

眩いばかりに蘇った上野東照宮

2015年12月06日 16時01分57秒 | 台東区・歴史散策
晩秋の彩が最盛期を迎えたお江戸は師走を迎え、ほんの少し冬の気配を感じるような冷たい風が吹いています。
雲一つない晴天に恵まれた今日(12月6日)、誘われるままに上野の山の紅葉を見に出掛けてきました。

上野東照宮拝殿

実は上野の山の紅葉もさることながら、実は修復なった「東照宮」の参拝が目的なのです。東照宮へ向かう途中、文化会館前の銀杏の木は見事に黄葉し、青空を背景に黄金色の葉が映えています。

黄葉した銀杏

まずは広い上野公園を横切り、東照宮の「大石鳥居」へと向かいます。

大石鳥居

この鳥居は国指定の重要文化財に指定されているもので、江戸時代の寛永10年(1633)に上州厩橋(現在の前橋)藩主で老中を勤めた酒井忠世が奉納したものです。石鳥居の左側の柱に寛永10年 酉四月十七日 厩橋侍従酒井雅楽頭源朝臣忠世(さかいうたのかみ)と刻まれています。 尚、江戸を襲った幾多の地震にも耐えたことで、当時の基礎工事の素晴らしさを物語っています。

大石鳥居をくぐると、前方に見えてくるのが参道入り口に置かれた「水舎門(みずのやもん)」です。

水舎門

ここ東照宮はお寺ではないので、山門とは呼ばないのですが、楼門にしては貧弱きわまりない代物です。実は水舎という文字が使われていることから、この門は本来の目的とは異なる建造物です。というのは、神社には必ずといってある「手水舎」の屋根を門として代用したものなのです。

水舎門をくぐると東照宮の唐門へとまっすぐに参道がのびています。そしてどこの東照宮でもあるように、大名家が寄進した多くの石灯籠や銅燈籠が置かれています。銅燈籠は全部で50基ほどあります。日曜日の午前中なのですが、東照宮に訪れる参拝客はまばらで、参道は静かな雰囲気に包まれています。

参道の風景
参道の風景

参道の右側は上野動物園の敷地ですが、その敷地に寛永寺の五重塔が建っています。

五重塔
五重塔

さあ!参道を進んで行くと、ドンツキに構えるのが東照宮の「唐門」です。さて上野東照宮ですが、実は平成21年1月12日から長期間の修復工事に入り、平成25年12月31日まで唐門を含み拝殿、幣殿、本殿すべてが足場で隠されていました。そして平成26年1月初めから再び一般公開されたのです。

それから1年近く経ってしまいましたが、かねてからご府内にある東照宮の中でも一番素晴らしいと評判の上野東照宮の生まれ変わった姿を見るのを楽しみにしていました。その念願叶って、本日参拝をした次第です。

唐門
唐門
唐門
唐門

見事なまでにキンキラキンの姿になった唐門は、総金箔仕上げでいったいどれほどの量の金箔を使ったのでしょうか。これまで全国各地の東照宮を訪れ、それぞれに東照宮の美しさに感動してきました。
圧巻なのはもちろん、日光東照宮ですが、これは別格です。また久能山東照宮(国宝)も日光に劣らず見事なものでした。

そして蘇ったここ上野東照宮も久能山東照宮に匹敵するくらいの絢爛さを誇っています。
さあ!唐門も向こう側にある拝殿、幣殿そして本社殿がどのように蘇ったかを見るのが楽しみになってきます。

拝観料は唐門の左手にある「お札授与所」で支払います。一人500円の拝観料を納めて、社殿を取り囲んでいる「透塀」の外側(外陣)へと進んでいきます。

東照宮のパンフレット
外陣部分の石灯籠
外陣部分の石灯籠

外陣部分の土道を進んで行くと、ここにもあまたの石灯籠が整然と並んでいます。はじめて入る場所だったので、こんな風になっているんだと改めて感動してしまいます。

そして社殿を取り囲む見事な「透塀」が長くつづいています。

透塀(重文)

そして外陣の石灯籠の傍らには見事な「楠木」が1本。樹齢600年以上と言われているもので、幹回りがなんと8m以上の御神木です。

楠木
楠木

それではお待ちかねの内陣へ進んでいきましょう。内陣への入口は透塀の一部分に取り付けられた門から入っていきます。

内陣への入口
内陣への入口

内陣に入ると、これまたキンキンキラキラの総金箔張の本社殿部分が目の前に現れます。

本社殿部分
本社殿と拝殿

上野東照宮の色彩は金箔の金色と黒漆のコントラストが絶妙なバランスで配色されていて、極彩色の色付けは向背部分に限られているような気がします。このため、日光東照宮や久能山の東照宮に見られるような極彩色の美しさより、「静」の美しさを醸し出しています。

本社殿部分
本社殿の切り妻

内陣を回り込むようにして拝殿へ進む途中、蜜柑の木が植えられ、実がなっています。そんな蜜柑と拝殿の向背のコラボ写真を撮ってみました。

蜜柑と向背

そしていよいよ正面拝殿が現れます。拝殿正面に置かれた4本の柱も金箔、拝殿正面の見事なまでの金箔張です。

拝殿
拝殿
拝殿
拝殿

拝殿前には先ほどの唐門を裏側から見ることができます。

唐門
唐門
唐門
拝殿
拝殿
拝殿の向背
拝殿の向背
拝殿

上野東照宮は社殿内部への昇殿はできませんが、重文指定の建造物を間近に見ることができるだけで十分に満足できます。
これほどまでに蘇った上野東照宮が国宝指定にならず重文であることに若干の疑問を感じます。

神君家康公の御威光を肌で感じる上野東照宮でのひとときを過ごし、辞することにしました。東照宮周辺の木々は晩秋の空の下、美しく彩られています。

黄葉
黄葉
黄葉
黄葉





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猛暑の中の浅草四万六千日御祈祷礼~浅草寺ほおづき市

2013年07月10日 17時37分50秒 | 台東区・歴史散策
記録的な猛暑が東京を襲っています。例年より少し早めに梅雨が明け、本格的な夏がやってきました。

そんな夏を告げる催しがお江戸下町の金龍山浅草寺で行われています。
実は今日10日は月に1日設けられている「功徳日」なのですが、それぞれの功徳日にお参りすると百日分、千日分の参拝に相当するというありがたいお日にち功徳日と呼んでいます。

浅草寺五重塔
浅草寺本堂

そんな功徳日の中で、今日7月10日は「千日分」とされ、「千日詣」と呼ばれているのですが、実はここ浅草寺では江戸時代の享保の頃からは「四万六千日」と呼ばれるようになり、なんとその御利益は46,000日分(約126年分)に相当するといわれる誠にありがたい日なのです。

本堂前

同時に浅草寺境内ではこの四万六千日の縁日にちなんで「ほおづき市」も開催されています。

ほおづき市
ほおづき市
ほおづき市
ほおづき市

仲見世が途切れるあたりから宝蔵門前、そしてご本堂の前の境内には急ごしらえの店が軒を連ね、それぞれの店からは威勢のいい掛け声が聞こえてきます。

宝蔵門前
宝蔵門

たくさんの老若男女に交じって、多くの外国人もこの暑い中で浅草寺の観光を楽しんでいますが、ここ最近はアジア系よりも白人の観光客を目にします。マナーの悪い一部アジアの国々の団体がわがもの顔で闊歩する姿よりははるかにいいですね。

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「花の雲 鐘は上野か浅草か」~上野の山の桜はほぼ満開~

2013年03月22日 10時18分28秒 | 台東区・歴史散策
くっきりと晴れ上がった空を背景にまるで白雲のように満開の桜が咲き誇る様子を詠った芭蕉翁の俳句です。

彰義隊墓と桜

そんな光景を実感できる上野の山へと向かうことにしました。平日とはいえさすが桜の名所である上野は日本人はもちろん、さまざまな言語が飛び交うほどに外国人が日本の春を楽しんでいます。

石段をのぼり西郷さんの像が立つ高台へと進むと、前方には一面の桜の雲が現れます。まさに早すぎる見頃を迎えた上野の桜が迎えてくれます。

清水観音堂脇の桜

清水観音堂の前の鮮やかな色合いの桜も今を盛りに咲き誇っています。
観音堂の舞台からの眺める桜並木も見頃を迎えています。

観音堂の舞台から

上野の山を代表する桜並木がつづく緩やかなスロープへ降りてみると、人人人で溢れ返っています。

上野桜並木
上野桜並木
上野桜並木

満開に近い桜の花を眺めながら、東照宮へと向かいます。

鳥居から参道にかけて屋台が軒を連ねています。上野の山ではもっとも趣のある東照宮参道に無粋にも屋台が並び、せっかくの桜の花が屋台の屋根で隠れてしまいます。

五重塔と桜
参道の桜
燈籠と桜
五重塔と桜
枝垂れ桜

参道からその屋台越しに五重塔と桜のコラボレーションをほんの少し楽しむことができます。

このあと、芭蕉の句で詠まれた上野の山の「時の鐘」を見ながら、再び上野駅へと通じる長いスロープへと進みます。

時の鐘

スロープから見上げると清水観音堂と満開の桜の美しい光景に出会うことができました。

清水観音堂

週末にかけて好天がつづく予想です。急がないと桜の見ごろを見逃してしまうかもしれませんよ。

猛暑の中の浅草四万六千日御祈祷礼~浅草寺ほおづき市
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浅草寺僧坊・伝法院庭園の枝垂れ桜も満開ですよ!

2013年03月21日 18時22分09秒 | 台東区・歴史散策
隅田川墨堤の花見を終えて、ついでに雷門そして仲見世を歩いていくとなんと今日21日から伝法院庭園の一般公開の案内がでていました。

伝法院の庭から

この伝法院は浅草寺の僧坊で普段は一般公開はされていません。特別な時期、期間限定でお庭が解放されますが、入園料は大人一人300円です。

以前もこのような機会に恵まれ異なる季節に入園したことがあるのですが、春の一般公開は初めてなので、とりあえず入園することにしました。

浅草寺境内にありながら、喧騒から隔絶されたような静かな雰囲気はここが浅草の中とは思えないくらいです。

お庭に至るまで浅草寺の寺宝を展示する会場の中を巡ります。これは以前見たものとまったく同じなので簡単にスルー。そして静かな雰囲気を漂わせるお庭へと向かいます。

以前は私の記憶では秋口に入園したような気がします。秋の庭園の趣もいいのですが、春と言えばやはり「桜」です。庭に入るとまず迎えてくれるのが見事な「枝垂れ桜」です。ほぼ満開に近い枝垂れ桜は僧坊の建物にマッチして風情を醸し出しています。

枝垂れ桜
枝垂れ桜
枝垂れ桜

お庭の池の水も春の陽射しに映えて、どことなく柔らかい表情を見せています。



回遊式庭園のこのお庭は池の反対側から見る僧坊の光景はまるで絵葉書のように美しいものです。
満開の枝垂れ桜を従えた僧坊の背景に五重塔とスカイツリーが聳えています。

庭園俯瞰
庭園俯瞰

尚、伝法院の庭園の一般公開は5月7日まで行われています。



春の装いから新緑が美しい5月まで楽しめますので、是非行かれてみてはいかがですか。

猛暑の中の浅草四万六千日御祈祷礼~浅草寺ほおづき市
浅草寺僧坊・伝法院庭園の枝垂れ桜も満開ですよ!
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浅草観音・浅草寺~納めの観音ご縁日・羽子板市~

2012年12月18日 14時11分40秒 | 台東区・歴史散策
師走の恒例行事であるお江戸下町の浅草観音(浅草寺)境内の歳の市として知られる羽子板市が昨日17日から開催されています。

昨夜来の雨も上がり、寒さも和らいだ今日18日の中日に早速歳の市へと出かけてみました。縁日にかぎらず多くの人で賑わう浅草は雷門から仲見世通りはいつもながらの老若男女と外国人でごった返しています。

雷門
雷門から仲見世

仲見世通りには初春を迎える縁起飾りがすでに取り付けられて、まもなくやってくる新年の準備が着々と進んでいるようです。

正月飾り1
正月飾り2

賑やかな仲見世通りを抜けると大きな宝蔵門と美しい姿の五重塔が迎えてくれます。ここも人、人、人で溢れ返っています。

宝蔵門前
宝蔵門と五重塔

まずはこの一年間つつがなく無病息災で過ごせたお礼に観音様がいらっしゃるご本堂にお参りを済ませ、羽子板市の露店が並ぶ境内の一角へと進んでいきます。

浅草寺ご本堂

いくつもの露店が集中して並ぶ一角は大勢の人たちで溢れかえり、処々で羽子板職人との威勢のいい掛け合いと商談成立の手打ちが聞こえてきます。

羽子板市露天

お江戸の風物詩である羽子板市は江戸っ子が好む「縁起物」として愛されてきたのですが、併せて女子が生まれた家に羽子板を贈る風習も江戸後期頃からできたようです。

羽子板市1
羽子板市2
羽子板市3
羽子板市4

毎年、羽子板市にはその年に起こった出来事や、活躍した人物などをデザインしたものが並ぶのですが、今年はそれほど目立ったものもなく、オーソドックスなデザインのものが並んでいます。



先日の選挙で政権交代となった大きな出来事をデザインしたものがあるかと思ったのですがありませんでした。おそらく羽子板造りが間に合わなかったのでは……?!

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錦繍の隅田墨堤秋巡り~三囲社・待乳山聖天・時の鐘~

2012年11月20日 15時39分54秒 | 台東区・歴史散策
このところの朝晩の冷え込みで都内でもようやく木々の葉の色づきが進んでいるようです。一昨日には都内でも木枯らし1号が吹き、せっかく色づいた葉が無情にも落ちてしまったのではと思いつつ、秋晴れの今日、隅田墨堤界隈の黄葉を探しに出かけてみました。

まずは隅田左岸の向島の古社「三囲社」へ向かうことにしました。花街向島のど真ん中に社を構える三囲社は予想通り、秋色に染まっています。鳥居の向こうの銀杏の大木は今を盛りに黄金色に装いを変えていました。

三囲社の鳥居と黄葉

社殿前に鎮座する三囲のコンコンさんも黄葉の銀杏を眺めながら深まりゆく秋を感じている様子です。

三囲社のコンコンさん
三囲社のコンコンさん
三囲社

三囲社から向島検番通りを進み、言問団子を経由して桜橋を渡り対岸の待乳山聖天様へと向かうことにしました。

この時期に毎年訪れることにしている聖天様のお山は全山黄金の葉で包まれているのですが…。
聖天様に近づくにつれお山を覆う銀杏の木が見事な黄金色に染まっているのを見ることができました。石段を上り参道へ足を踏み入れると参道の向こうに黄金色に染まる銀杏の葉に包まれた朱色のご本堂が浮かび上がります。

聖天様の狛犬と黄葉

黄金色の銀杏の葉とご本堂の朱色が見事なコントラストを描いています。そして秋の陽射しが黄金色の葉を通して朱色のご本堂に射し込み、まるで黄金色のレースを纏っているかのようです。

本堂と黄葉
本堂と黄葉
境内の黄葉
燈籠と黄葉

そして黄葉の向こうにスカイツリーの尖塔を見ることができました。



この後、言問通りから裏浅草へと回り浅草寺境内へと向かいます。浅草寺そして三社様境内の木々はまだ黄葉が始まっていません。が、時の鐘の周辺の銀杏の葉の色づきは始まっています。

時の鐘と黄葉
弁天堂と黄葉

お江戸の秋はこれからが本番。あちらこちらの秋を探しにお江戸の散策を楽しみたいと思います。

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今日は浅草・浅草寺のほおづき市~四万六千日のお縁日~

2012年07月10日 16時47分44秒 | 台東区・歴史散策
恒例の夏のほおずき市が下町・浅草の浅草寺境内で盛大に催されています。本日10日は縁日2日目にあたり、日が高いうちからたいそうな人出で境内はごった返しています。

五重塔
境内の賑わい

もともとお江戸のほおづき市の発祥はここ浅草寺ではなく、出世の石段で知られる芝愛宕神社の縁日に始まります。愛宕の山の頂に鎮座する愛宕神社の境内には江戸時代に野生のほおづきが群生していたといいます。この「ほおづき」が子どものカンの虫や夫人の癪(しゃく:胃痛)に効くということで江戸時代に売り始めたのが「ほおづき市」の始まりといいます。現在、毎年6月下旬の土曜と日曜の2日間に渡って愛宕神社で行われる「ほおづき市」はこの両日を「千日詣で」の功徳日として開催されているものです。

浅草寺ご本堂
ほおづき市屋台

一方、浅草寺でも観音様の功徳日である7月10日には「千日詣で」を古くから行っていたのですが、江戸時代の享保年間(1716~36)からはなんと「四万六千日詣で」と呼ばれるようになります。この日7月10日に観音様にお参りするとなんと126年分のご利益をいただけるようです。
そんなこんなで梅雨の晴れ間の炎天下、浅草寺境内は多くの善男善女が126年分のご利益を求めて引きも切らさずご本堂へと吸い込まれていきます。その境内に所狭しと軒を並べるのが「ほおづき」を販売する屋台です。よしず張りの簡素な屋台の中には赤く色づいたほおづきがたわわに実る鉢植えが並んでいます。また、涼しげな音を奏でる「江戸風鈴」がそれぞれの屋台に吊るされ、お江戸の夏の風情を醸し出しています。

ほおづき市景1
ほおづき市景2 
ほおづき市景3
ほおづき市景4
ほおづき市景5

興味本位に鉢植えのほおづきの値段を各店で聞いてみたところ、判で押したように江戸風鈴付きで一鉢2,500円ときた。カルテルでも結んでるんかい!あくまでも個人的な意見ですが、ほおづきに2,500円とはあまりにもぼったくり。観賞用としてもそれほど見栄えのするものでもないし、かといってほおづきの実を食べるわけでもなし、はっきり言えば「雑草」のようなもの。江戸風鈴付きとはいえ、こんなものに2,500円も払えるか!と思いながら雰囲気だけは楽しんできました。
おそらく今日10日の夜には「叩き売り」状態になるのは明らか。まあ~、たとえ500円になったとしても欲しいとは思わない、と思う私にはきっと四万六千日のご利益は授かれないかも……?

猛暑の中の浅草四万六千日御祈祷礼~浅草寺ほおづき市
浅草寺僧坊・伝法院庭園の枝垂れ桜も満開ですよ!
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上野お山の名刹・輪王寺開山堂両大師

2012年02月01日 12時37分29秒 | 台東区・歴史散策
ご存知のように上野の山一帯は江戸時代は天台宗別格大本山「寛永寺」の敷地で、お山全域に寛永時の根本中堂、本坊をはじめあまたの塔中、子院が連なる大伽藍が並び、江戸の大名所として庶民の遊山地となっていた場所です。

>現在の寛永寺根本中堂

江戸名所図会を見ると常緑樹らしき(松や杉など)木々が全山を覆い、その木々の林が整然と区画されている様子がみてとれます。そして幅の広い参道が根本中堂、本坊へとのびています。

名所図会では左端に御本坊の甍が連なり、その御本坊正門の右手に大師堂が描かれています。現在国立博物館がある場所にこそ御本坊、大噴水がある場所に根本中堂そして御本坊の裏手に徳川将軍家の御霊屋が置かれていました。

寛永寺家綱公勅額門
寛永寺綱吉公勅額門

そんな大伽藍も戊辰戦役の一つである上野彰義隊戦争でことごとく焼失してしまうという憂き目にあうのですが、徳川将軍家の菩提寺としてその寺勢を誇った寛永寺は時代の流れの中で徳川幕府とともにその姿を大きく変えざるを得なかったのです。

幸いにも輪王寺開山堂は上野戦争で焼け残ったのですが、なんと平成元年(1989)に本堂と開山堂が焼失してしまうのです。現在の本堂は平成5年(1993)に再建されたものです。

さてここ輪王寺は一般的に「両大師」と呼ばれているのですが、この通称は江戸時代初期に家康、秀忠そして家光の三代に渡って仕えた南光坊天海(慈眼大師)とこの天海僧正が尊敬していた平安時代の僧である良源こと慈恵大師を祀ることに由来しています。

もともとこの輪王寺は寛永寺の伽藍の一部で開山堂若しくは慈眼堂と呼ばれていたものです。寛永寺はそもそも天海僧正が開山であることから、天海僧正が寛永20年(1640)に死去したのちに輪王寺境内に天海を祀る開山堂が建てられ、その際に天海が尊敬する良源(慈恵大師)を併せ祀ったことから「両大師」と呼ばれるようになったのです。

開山堂の前の道を隔てて建つのが科学博物館、そして開山堂脇の道の向こうは国立博物館が建っているのですが、両博物館にはたくさんの見学者が訪れ賑わいを見せています。ほんの道を隔てて門を構える開山堂は訪れる人もなく静かに佇んでいるのが印象的です。

山門脇には「両大師」と書かれた札が立ち、山門の柱には開山堂と両大師の金文字を記した札が掲げられています。

両大師門前
両大師山門

山門をくぐり右手を見ると白壁の阿弥陀堂が建っています。お堂内には三体の像が安置されています。右に南無虚空蔵菩薩、中央に南無阿弥陀如来、左に南無地蔵大菩薩が配置されています。

阿弥陀堂
阿弥陀堂内三像

そして参道を進むとご本堂である開山堂が構えています。開山堂手前の参道脇左右に立派な銅燈籠が置かれていますが、これは寛永寺の徳川将軍家の御霊屋にあった大猷院(家光公)の霊廟に奉納されていたものです。

銅燈籠と開山堂

開山堂には開山である天海僧正の坐像が安置してあるそうです。家康公とは開幕以前から旧知の間柄であったと言われる天海僧正ですが、その人柄は家康公のためなら、さらに言えば徳川将軍家のためなら命も惜しまない位の一本気の方だったと思います。

開山堂

川越の喜多院の住職を務めていた天海は家康公のご遺骸が日光へ下る途中に喜多院で追善法要を営み、その後仙波東照宮を造営するなど、家康公に対する敬愛の気持ちはただならぬものを感じます。そして日光にあった輪王寺を復興させたのも天海僧正であることを考えると、上野輪王寺に天海僧正を祭る開山堂が開かれたのも納得できます。

尚、開山堂両大師にはかつての寛永寺本坊表門が移築保存されているのですが、現在修復中ということで画像におさめることができませんでした。





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お江戸に残る大名屋敷表門~旧因州池田屋敷表門(黒門)~

2012年01月31日 17時31分04秒 | 台東区・歴史散策
お江戸・東京に現存する大名屋敷の中で、その保存の良さと規模から最も貴重な文化財の一つとしてあげられるのが上野の東京国立博物館の敷地縁に移設されている「旧因州池田屋敷表門(黒門)」でしょう。

旧因州池田屋敷表門

博物館正門の前の道を東京藝術大学方向へほんの少し歩いたところに堂々とした姿で構えています。文化財として保存されているため博物館への入場門としては使われていないのですが、個人的な希望としては大名屋敷の表門をくぐって博物館へ向かうのも博物館見学らしくていいのではないかと思うのですが…。

さて、この大名屋敷の表門は江戸時代に因州と呼ばれていた鳥取藩池田家の江戸表の屋敷にあったものです。池田藩の江戸上屋敷(拝領屋敷)は旧丸の内(馬場先門辺り)の大名小路に構えていました。その因州32万石の大大名の江戸上屋敷はそれはそれは大きな敷地をもち、その敷地を取り囲む塀にはいくつもの門があったのでしょう。

幕末から明治へと時代が移り、廃藩置県、版籍奉還を経て封建時代の大名が姿を消すと旧丸の内に軒を連ねた大名屋敷も取り壊されてしまいます。そしてその跡地には近代化の象徴ともいうべき煉瓦造りの西洋建築がとって変わるのです。

大名屋敷はことごとく取り壊されてしまうのですが、この池田屋敷表門は明治に入り当時の東宮御所の正門として活路をみいだすこととなります。現在まで関東大震災と東京大空襲等に遭いながらもかつての姿を残していることに感動すると同時に、当時の建築技術の高さを思い知らされます。この場所に移築されたのはおよそ60年前の昭和28年(1953)に遡ります。

旧因州池田屋敷表門

江戸時代の大名屋敷にあった門は現在、寺院の門などに転用されていることが多いのですが、現存する武家の門としてまず思い浮かぶのは、かつて加賀前田家へ嫁いだ将軍家斉公の姫君である「溶姫」の屋敷の御守殿門として構えた「赤門」ではないでしょうか。この東大の赤門に対し、ここ池田屋敷の表門は「上野の黒門」と呼ばれています。





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またまた浅草浅草寺・年の暮れ歳時記~納めの観音、羽子板市の盛況~

2011年12月19日 16時02分42秒 | 台東区・歴史散策
今年もあと10日余りと迫った年の暮れ。お江戸下町の風物詩、浅草浅草寺の納めの観音と羽子板板が盛大に執り行なわれています。

煌びやかな羽子板

17日から始まった羽子板市は本日19日が千秋楽。どれほどの盛況ぶりかを肌で感じるため今年も行ってまいりました。

羽子板市の看板

雷門からつづく仲見世は月曜日にもかかわらず大勢の人出でごった返しています。いつも変わらぬ浅草の光景なのですが、来る新年のための飾りが抜けるような青空の下で仲見世通りの軒先に浮かんでいます。

仲見世通りの賑わい
招き猫の飾り
絵馬の飾り

羽子板市は宝蔵門と伝法院の間の狭い路地に20軒ほどの老舗羽子板屋の小屋が軒を連ねています。店先に並ぶ羽子板はどれも万単位で販売されているものばかりで、私にとっては「高嶺の花」でとても手が出るものではありません。

軒を連ねる小屋
煌びやかな羽子板

毎年、この羽子板にはその年に脚光を浴びた人がデザインされた「変わり羽子板」が店先を飾っているのですが、今年はやはり「なでしこジャパン」の澤さんや親日家のロック歌手レディ・ガガ、人気アニメ「ワンピース」のキャラクターたちが伝統的な助六や歌舞伎役者、花魁などの羽子板に混じってひときわ輝いていました。

なでしこジャパン羽子板
レディ・ガガ羽子板
ワンピース羽子板

一年の最後を締めくくる浅草の行事である羽子板市が終わると、浅草浅草寺は新年の初詣の準備が本格的に始まります。

猛暑の中の浅草四万六千日御祈祷礼~浅草寺ほおづき市
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