桐島洋子著『50歳からのこだわらない生き方 自由な心とからだで「本物の人生」を楽しむ』2011年2月大和書房発行を読んだ。
まえがきにはこんな主旨のことが書いてある。
後半生に生き方を、「もういいよ、面倒くさい、ただ自然に老いさればえていけばいいさ」と考える消極派、「新しく生まれ直したつもりで精いっぱい頑張ろう」との積極派もいる。著者自身は風まかせの自然派で基本的には前者だが、気分、体調で重心を移す風見鶏だという。
本書は2003年4月大和書房発行の『いつでも今日が人生の始まり!』を改題し、新編集したものだ。
ニューヨークの友人アリスは、一人暮らしなのに、
意外と有名人ネタも多い。
加藤和彦と再婚した安井かずみは二人のファッションや旅や食卓は隅から隅までさりげなく完璧で、本物の贅沢に徹していた。著者がひさしぶりに再会したとき、妖精のようにスリムな彼女が1ミリでも気にするほど体型の管理に神経質になっていて、かって大好きだったパスタをまったく食べなかった。「だってこれがはけなくなったら大変だもの、ミラノで彼とお揃いで買ったのよ」とおそろしく細身もジーンズを叩いた。
シワとか見せちゃったら可哀相だから寝顔はみせないとか、絶対に彼に一人寂しく食事させないとか語ったという。そして彼女は癌で病み疲れた姿を彼に看取らせることになる。
その他、森瑤子、宮本美智子、斎藤澪奈子についてあからさまに書いている。
池田満寿夫第一夫人は30年前に家を飛び出した夫が、富岡多恵子、リラン、佐藤陽子と「結婚」を繰り返すのを尻目に、法的な妻の座を守った。
三船敏郎夫人も、離婚裁判で夫から罵詈雑言を浴びせられて気の毒で、それでも別れない気がしれなかったが、やがて老いさらばえて病気なり長年寵愛した愛人に去られた三船氏を最後まで面倒を見たのは奥さんだった。
桐島さんは言う。「それくらいの覚悟はあってしかるべきだと思う。」しかし、「別れは女を磨く最高のレッスンなのだ、死ぬほど辛い別れを知らずして愛を語るなかれとさえ言いたい」
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
何事も割りきって自然体で、しかも人生を楽しもうという桐島さんの考え方がよく出ている。
最近の本ではひらがなで出てくる言葉が漢字になっているが、文章は読みやすく、わかりやすい。ただし、桐島さんのエッセイを何冊か読んだ人には繰り返しが多くなる。
まえがきにはこんな主旨のことが書いてある。
後半生に生き方を、「もういいよ、面倒くさい、ただ自然に老いさればえていけばいいさ」と考える消極派、「新しく生まれ直したつもりで精いっぱい頑張ろう」との積極派もいる。著者自身は風まかせの自然派で基本的には前者だが、気分、体調で重心を移す風見鶏だという。
本書は2003年4月大和書房発行の『いつでも今日が人生の始まり!』を改題し、新編集したものだ。
ニューヨークの友人アリスは、一人暮らしなのに、
毎日お洒落をして、家中を綺麗に磨き、花を生け、美味しい料理を作り、食器やテーブルマットの取り合わせを考えるまめまめしい暮らしぶりだった。・・・彼女が毎朝窓のよろい戸を開けながら、歌うともなく呟くともなく口にしている言葉がある。・・・「今日は私の残りの人生の最初の日」
意外と有名人ネタも多い。
加藤和彦と再婚した安井かずみは二人のファッションや旅や食卓は隅から隅までさりげなく完璧で、本物の贅沢に徹していた。著者がひさしぶりに再会したとき、妖精のようにスリムな彼女が1ミリでも気にするほど体型の管理に神経質になっていて、かって大好きだったパスタをまったく食べなかった。「だってこれがはけなくなったら大変だもの、ミラノで彼とお揃いで買ったのよ」とおそろしく細身もジーンズを叩いた。
シワとか見せちゃったら可哀相だから寝顔はみせないとか、絶対に彼に一人寂しく食事させないとか語ったという。そして彼女は癌で病み疲れた姿を彼に看取らせることになる。
その他、森瑤子、宮本美智子、斎藤澪奈子についてあからさまに書いている。
池田満寿夫第一夫人は30年前に家を飛び出した夫が、富岡多恵子、リラン、佐藤陽子と「結婚」を繰り返すのを尻目に、法的な妻の座を守った。
三船敏郎夫人も、離婚裁判で夫から罵詈雑言を浴びせられて気の毒で、それでも別れない気がしれなかったが、やがて老いさらばえて病気なり長年寵愛した愛人に去られた三船氏を最後まで面倒を見たのは奥さんだった。
桐島さんは言う。「それくらいの覚悟はあってしかるべきだと思う。」しかし、「別れは女を磨く最高のレッスンなのだ、死ぬほど辛い別れを知らずして愛を語るなかれとさえ言いたい」
私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
何事も割りきって自然体で、しかも人生を楽しもうという桐島さんの考え方がよく出ている。
最近の本ではひらがなで出てくる言葉が漢字になっているが、文章は読みやすく、わかりやすい。ただし、桐島さんのエッセイを何冊か読んだ人には繰り返しが多くなる。
桐島洋子
1937年東京生まれ。作家。
1972年『淋しいアメリカ人』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
以来著作・テレビ・講演などで活躍しながら、かれん(モデル)、ノエル(エッセイスト)、ローランド(カメラマン)の3児を育て上げる。
50代で子育てを了えてからは、“林住期”を宣言。仕事を絞り、年の数カ月はカナダで人生の成熟の秋を穏やかに愉しむ。
70代からは日本で、マスコミよりミニコミを選び、東京の自宅にオトナの寺子屋「森羅塾」を主催している(桐島洋子の森羅塾へ)。
その他、『マザー・グースと三匹の子豚たち』『ガールイエスタデイ -わたしはこんな少女だった-』(絶版)『わたしが家族について語るなら』『バンクーバーに恋する』『林住期ノート』、『刻(とき)のしずく 続・林住期ノート』と、『林住期を愉しむ 水のように風のように』
『林住期が始まる』『聡明な女たちへ』