さくらももこ 絵・文『さくら日和』(集英社文庫さ24-13、2007年3月25日集英社発行)を読んだ。
裏表紙にはこうある。
21世紀を前にして、人生最大の危機に陥ったももこさん。「ママは本当はさくらももこなんじゃないの?」と息子が疑いを抱き始めたのだ……。「深まる息子の疑惑」はじめ、父ヒロシを連れての社員旅行など、抱腹エピソードが満載。「おめでとう新福さん」で前代未聞のパーティーの主役となった、元担当編集者からの渾身の質問をお楽しみ巻末付録に。人気爆笑エッセイがますますパワーアップして登場!
「お兄ちゃんのスカウト」
この冒頭のエッセイは、さくらさんの友人・賀来千香子のお兄さんをさくらプロダクションへ勧誘する話だ。この中で、さくらさんは「小さな会社ですが、私が死んでも印税が入ります。“さくらももこ遺作フェア”も行われるでしょう」と、笑わせどころとばかりに書いている。約10年後とはいえ、2018年さくらさんが53歳で亡くなったことを知る者としてはとても笑うことはできない。
「おめでとう新福さん」
さくらさんのエッセイ三部作『あのころ』『まる子だった』『ももこの話』を担当した集英社の編集者・新福さんに感謝する会を企画し、徐々に派手にハチャメチャになっていく。
「ヒロシの話」
さくらさんの父親で間違ってばかりのヒロシの話。
「深まる息子の疑惑」
幼稚園児の一人息子が、最近また母親がさくらももこではないかと疑いだしている。「ママは、さくらももこなんでしょ」と聞く息子をなんとかはぐらかすさくらさん。
他10編 略
付録 新福さんをたたえるパーティーの脚本
おまけのページ 新福さんからさくらさんへの9つの質問
この作品は1999年7月集英社から刊行された。
私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?)(最大は五つ星)
角田光代さんが、『晴れの日散歩』の中でこの本を、楽しくて面白いと書いていたので読んでみたのだが、私は乗り切れずにコケた。さくらさんの語り口は、ちびまる子ちゃんそのもので、ぼーとして、ゆったりととぼけていて、その点には異存はないのだが、悪ふざけには「おや、おや」と思い、語り口にはあざとさが感じられて、興ざめしてしまう。
さくらももこ
1965年5月8日静岡県生まれ。
1986年「りぼん」で「ちびまる子ちゃん」連載開始。単行本は累計3千万部
1989年 同作品で講談社漫画賞受賞
1990年 作詞した「おどるぽんぽこりん」が日本レコード大賞ポップス・ロック賞受賞。
1991年 初エッセイ『もものかんづめ』がベストセラー
1992年 エッセイ『さるのこしかけ』で新風賞受賞
2018年 53歳で死亡。