hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

中川恵一「がんのひみつ」を読む

2008年05月27日 | 読書2
中川恵一著「がんのひみつ-がんも、そんなに、わるくない-」2007年12月朝日出版社発行を読んだ。

がんに関して一般の人に多くの誤解があり、日本のがん医療も多くの問題を抱えている。放射線によるがんの緩和医療の専門家である中川東大准教授ががんの常識を69にまとめて解説している。13 cm * 12 cmのコンパクトな本だ。

「命と向き合う-老いと日本人とがんの壁-」 を読む」と一部ダブルが最初の方だけご紹介。
 

●日本人の2人に1人が、がんになる。日本人の3人に1人が、がんで死ぬ。10年後には2人に1人ががんで死ぬ。
●日本は、世界一の長寿国、つまり、世界一のがん大国
●普通の細胞は必要な分だけ増えると分裂を止めて、寿命がくると死滅する。DNAが傷ついてがん細胞ができ、増えるだけで死滅しなくなり、栄養を奪い取る。
●がん細胞は健康な人でも一日5千個も発生するが、通常は免疫細胞(リンパ球)に殺される。
●年をとり免疫力が落ち、生き残ったがん細胞は分裂を繰り返し、10年―20年で100万個に増殖し、検査で発見できるくらいの1mmの大きさになる。

以下、●がんの種類によって、行なう検査も違ってくる、●放射線治療の専門医も技術者も、日本では少なすぎる、●日本人の医療用麻薬はアメリカ人の20分の1、●がんの痛みはとった方が長生きする など。


最後の方に、「●日本は医療にお金をかけない国だ」との指摘がある。総医療費のGDPに占める割合は8.0 % 、OECD諸国30カ国中22番目で、アメリカの約半分だそうだ。また、「●医療の現場は疲れ切っている」とくにがん治療を行う病院の勤務医がひどい。部下の人は、勤務医を辞め、開業医になったら勤務時間は数分の1に、収入は2倍になったそうだ。徹夜明けのパイロットが事故を起こせば操縦させた航空会社が問題になるが、徹夜明けの医者がリスクある医療行為に失敗したら、起訴された。



私の評価としては、★★★★★(五つ星:是非読みたい)  がんに身近な、つまり年寄りだけでなく、若い人にも読んでおいてもらいたい本だ。2人に1人が、がんになる時代には、正しい知識を持ちたいものだ。



この本にあったがん情報サイトを以下、ご紹介

国立がんセンターの「がん情報サービス」 :各種がんのイラスト入り解説
  
癌研有明病院の「がん・医療サポートに関するご相談」 :がんになって最初に読む入門篇

日本対がん協会 :がんと、がん検診の啓発

がん情報サイト :米国国立がん研究所配信の最新がん情報(日本語)など
 












コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レベッカ・ブラウン「家庭の... | トップ | 自転車でお出かけ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書2」カテゴリの最新記事