毎日新聞夕刊編集部「女はトイレで何をしているのか?」講談社文庫、2009年10月発行を読んだ。
宣伝文句はこうだ。
毎日新聞夕刊で連載された人気コーナーから面白いものを厳選。表題のほか「東京に美人が多いというのは本当か」「あなたの枕、間違ってませんか」など、現代社会に生きる人間をさまざまな角度から描き出します。驚いてしまうことや納得すること―楽しみながら、ちょっと勉強になってしまう。
毎日新聞夕刊編集部の8人の記者が見聞きした現代日本人の身近な生態学が描かれている。
女はトイレで何をしているのか
トイレの落書は、男女で書き方が違うという。男性は、読む人を意識してウケを狙って書いているのに対して、女性は独白、つぶやきが多いのだという、テーマも、男性は下ネタ中心だが、女性は「○○君、好き」などの告白が多い。・・・最近、トイレの落書が減ったのは、かっては匿名で自己表現できる場がトイレしかなかったのが、今はネットがあるからではないでしょうか。
「生存婚」に群がる女たち
女性が男性に求める結婚の条件について、こう説明している。
「女性の学歴に応じて『生存』→『依存』→『保存』と変化する」・・・高卒者はまず食べていけるということを優先して相手を選ぶ傾向が強いという、つまり「生存」だ。短大卒者は専業主婦となり夫の収入で養ってもらおうとして相手を選んでいるという、これは夫に対する「依存」ということか。大卒で専門職に就いた女性は、結婚を機に自分の生活が変化しないことを望んでいるという。つまり、自分自身の仕事や生活を「保存」できる相手を選んでいるということだろう。
東京に美人が多いというのは本当か
経済力ある男性が東京に集まり、その男性に選ばれた女性も東京に集まる。才能、その一つが美貌、ある女性は東京に集まる。したがって、東京には美人が多い。
子供の婚活をする親たち
親の婚活の流れを作ったのは、オフィス・アンで、同業他社はなかなか成功しないという。
「申し込み時点でも親の愚痴を聞くのに1時間くらいかかるので、人件費がかかり、商売としては割に合わないのです。」
スーパーの国産野菜は安全か?
しおれたほうれん草を水に浸して店頭に並べることがある。
その他、カレ親父がモテモテ/なぜヒトはダジャレを言うのか/ギスギスした職場/あなたの枕、間違ってませんか/「おたんこなす」はどこへ行った/売れる本屋はここが違う
など
私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読めば)
それぞれに掲げられている表題は面白いのに、中身は当たり前のことが並んでいる場合が多い。さすが新聞記者。
もとが新聞なので、ネットや雑誌のようにごく最近の若者の流行が出てくるわけでもない。ちょっとだけ最近の、ナウイねたに留まっている。