ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

ババヘラアイス

2010-09-06 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
志鷹「!?(ギクッ)」肩がビクンと一瞬上がった。
義経「やっぱりッ」お話にならんな。とんだ道草をしちまった。待たせている奴がいるから、
弁慶「あばよっ!」と柳沢慎吾のように親指を突きたて、ウィンクして見せた。
志鷹「きもっ」ウィンクが似合わない弁慶だった。兎に角、一件落着で一列に並んで瑠璃以外リンゴを丸かじりしながら鷹巣を通り抜けた。機嫌が悪い瑠璃はお面を付けたままだ…。
義経「全く、いつまで機嫌損ねてんだか…。なぁ」と後ろの青年に同意を求めた。
志鷹「全くだ」
義経「って、ちょっと待て!皆止まれっ!STOP!なんで、お前付いて来てるんだ!」
志鷹「弟子にしてもらおうと思って…」とはにかんだ。
義経「きもっ!弟子を取る金と心の余裕はない!帰れっ!シッシッ」と追っ払ったが、
志鷹「弟子にしてくれるまで付いて行く」
義経「迷惑千万っ!」
志鷹「百も承知っ!人生、万が一を掛けるまで!」と己の人生を義経に負んぶに抱っこ、しかし、代わりに義経の大荷物を持ってくれた。
義経「あ゛あ゛…」(疲れた…)また面倒な事になった。総勢7人+鹿角君で、まとまりの利かない連中がぞろぞろと集団行動で(しんど…)最後尾からしぶしぶ付いて行った。
鷹巣の岩山の脇道から大通りに出た所で秋田に入った。すると、
義隆「あっ!!」と指差したのは、秋田男鹿発祥のババがヘラ持って愛を救う?「ババヘラアイス!」のパラソルだった。白い木綿布をほっかぶりしたババさんがでっかいアイス缶にアイスを詰めて県道待機中。義隆は目を輝かせて「食べたい!」と駄々捏ねた。
義経「さっきリンゴ食べたばっかりだろ、駄目だ!」残すもん!
義隆「残さず食べる!」と言い切ったから、
義経「分かった、男の約束だかんなっ!」と海尊に頼んでアイスを買ってもらった。
ババヘラアイスはまっピンクのイチゴ味と黄色のバナナ味があり、腕の立つババさんはヘラでバラを作ってくれる。女らはピンクと黄色の花びらを交互のバラを咲かせてもらい、美しい花の命を自らの舌で溶かしつつ舐めていた。義隆はモンキーバナナ刀で、志鷹は淡い恋が破れたピンクと黄色ハーフハーフの真ん中きざきざのハート、海尊は4年越しの恋を実らせてないのでピンクオンリーハート、味と質量重視で口に入れば皆同じで色形どうでもいい義経と弁慶は適当に作ってもらい、ぺろぺろぉ~と舐めていた。鹿角君は恨めしそうに見ていたが、虫歯になったらこっちが迷惑だ!とリンゴで我慢してもらった。