ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~男たちの、女神信仰~

2013-06-27 | 散華の如く~天下出世の蝶~
神と仏は仏師により先に融合を果たし、
マリアと慈母観音は一つになっていた。
子に恵まれない女にとって、マリアは子安の象徴。
生まれた子の無事や成長を見守る観音は母の象徴。
異国と自国の、母と母。その祈りは同じであった。
それは、我ら女、妻や母の信仰に留まらず、
とりわけ、男たちに、その信仰は篤かった。
それが、男たちの女神信仰である。
帰蝶「そなたらの女神も、マリアに似ているのか?」
紺青様…一度、拝見したい。
海の男たちが崇拝する女神、
如何なる御姿なのであろう?
金色の肌に海色の御召し物、
如何にして海男を守るのか?
五兵衛「…大和の神をよ、」
大和の神とは日本武尊(ヤマトタケルノミコト)である。
殿が戦勝祈願、戦の無事を祈る尾張熱田神宮の御祭神。
※三大神器の一つ天叢雲剣(草薙剣)が奉納されている。
帰蝶「ヤマトの神…を?」
海を渡り、嵐に遭遇。
嵐神を鎮めんがため、
五兵衛「一人、海に飛び込んだバカで、そんが、こんよ」
紺と呼んで、見せてくれたのは一枚の絵だった。
帰蝶「こ…」
絵の中に愛らしく、にこり、微笑む異国の少女。
五兵衛「おらぁが乗ってっから、海の神さんが怒ったとよ」
私にだけその娘を見せて、
ささと懐に娘を仕舞った。
帰蝶「…」それ以上、聞かなくても、
五兵衛の過去が、分かってしまった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。