ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~出処進退~

2013-04-04 | 散華の如く~天下出世の蝶~
罪とは、洗っても消えぬモノなのであろうか?
こうして殿の御為、働いておられるというに、
侍女ばかりか、女中端女まで、過去に冷たい。
こい「御方様に何かあっては、我々がお叱りを受けます」
帰蝶「結局、それか…」
保身。
首を切られるのが、怖いだけ。
出世を阻む壁が、嫌いなだけ。
立身出世を急ぎ泳ぐ、鯉幟り。
こい「お茶でしたら、私めが…」
バチャッ、
急須の中のセイロンを捨て、
セイロンの香りを洗い流す。
香り残り、なかなか取れず。
じゃばじゃばじゃばじゃば、
飛沫を飛ばして、雑に洗う。
帰蝶「こい…そなた、少し休め」
こい「は?」彼女の手から、
水責めの、急須を掬い出し、
帰蝶「暇を出す」
急須の水滴を一振り二振り。
こい「暇…?」
帰蝶「亭主のを、設えよ」
こい「あ…あれは、ふく…妹が縫い物を得手して、」
帰蝶「ふくの因ではない」
急須を拭いて、盆に置いた。
セイロンの茶葉を取り出し、
湯が跳ねぬようゆくと流す。
「こい…そなた、何のため、如何に思い、仕事し、させるのか?」
他人に縫われた褌を出され、亭主が気持ちよく思うか?


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