ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~ベツレヘムの星の下~

2014-03-08 | 散華の如く~天下出世の蝶~
こうして、ヤスケの助言を生かし、
安土城の頂点に、ベツレヘムの星、
そして、
帰蝶「美しいございます」
家臣たち城下町の人々までが灯を持ち、
日本発のイルミネーションが完成した。
しかし、ベツレヘムの星の下、
冴えないお顔の殿がおられた。
信長「…」
帰蝶「皆々、星の光に心癒されております。殿も…何卒、穏便に」
信長「黒の心は穏やかか?」
ここにヤスケの姿は無かった。
帰蝶「…」
案の定、明智様は異人の助言に、耳を傾ける事はなかった。
元奴隷、元農民と肩を並べる事も毛嫌いなさる御方である。
ヤスケがどうなるかなど分かっていた。目に見えていたが、
帰蝶「殿…なぜ、ヤスケにあのような…」
信長「黒が助言は然るべき」
帰蝶「…はい」尤もな言い分であるが…、
宴に並んだのは、伝統の京料理であった。
確かに、一流の食材に珍味の数々は豪華。
しかし、それは私たちの目から見て豪華なだけで、
異人の目に映った食事は、如何なものかと思った。
文化も違う、箸の使い方も覚束ない者たちである。
見た目もそう、あまりに食べ辛かったのであろう。
気分を害して、途中退席する者や、
大きな御頭に目を背ける者が続出。
異人たちは見た事のない野蛮な食い物に戸惑っていた。
私は、チキンに喰らい付く異人が野蛮と思っていたが、
違う。御頭をそのまま膳に乗せる、伝統が野蛮だった。