ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

日ノ本一の、女武将

2012-02-28 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
5年前、義仲と別れて、木曾まで逃げる山中、
もう少し…って時に、和田の軍に取り囲まれた。
初めて、恐怖というものを感じた。
いつでもどこでも、戦でも、私たちは義仲に守られていた。
義仲から離れると、甲冑をまとった男たちが脅威に思えた。
巨岩壁のように立ちはだかる和田 義盛に大切な形見を取り上げられ、
和田「お前が、日ノ本一の、女武将…?」訝しそうに見られて、足がすくんだ。
「全員、捕らえろ」
妊娠中の山吹を連れ、侍女数人と木曾まで逃げるのは、無理があった。
待って、病人がいるのッ。返して…お願いッ。
私たちは、容赦なく、全員捕らえられ、山吹は、頼朝の傘下である実家 河越(埼玉)に強制送還され、侍女たちと私は、和田の本拠地である桐生に連行された。
見知らぬ土地で丸腰にされ、男たちに晒される視線が、さらに恐怖心を煽っていた。
大丈夫よ、私が、何とかするわ。
侍女たちに、そう言ってなだめた。
でも、大丈夫という確証もないまま、気休めの言葉が空回り、空虚な言葉だけが法螺を吹く。さらに追い討ちを掛けるように、
和田「粟津で、義仲が討ち取られたってよ。義経の先陣隊に、」
義経に!?義仲が…うそ…。
和田「新人名手に、ド頭打ち抜かれたって。確か…」
そんなッ、兄は?兄は、義仲の側近なの、兄さんが生きていれば…ッ、
和田「さぁ…」と私の肩に手を置いて…「あの頼朝が生かすとは、考え難い」
私…捕虜は、
“いやぁー…”
バッ、伏せて、巴「うぅ…」気持ち悪い。義隆が、義仲にも、義高にも見えて…、
義隆「気持ち悪くて、泣いてるの?」
義隆「赤ちゃん産むって、気持ち悪いの?」
巴「赤ちゃんのせいじゃない…でも、こうして吐き気と…戦わないと、」
義隆「戦う?なら、作戦、考えよッ」
巴「作戦…?」