2014年4月20日 恵那市防災センターで行われた講演会、「リニア新幹線と電磁波問題」(荻野晃也 電磁波環境研究所)主催:リニア問題を考える恵那市民の会での資料を掲載します。
膨大な資料なので、数回に分けて掲載します。
講演会「リニア新幹線と電磁波問題」①
[1] はじめに
2011年3月11日から3年目を迎えましたが、残念なことに「東日本大震災」と「福島原発事故」とで、多くの人々がいまだに悲しい生活を送っています。原発の危険性の根幹は、多量の放射性物質があることなのですが、現在、「電磁波問題」で、もっとも心配されているのが、その福島原発事故に関連した(電離)放射線と、送電線・変電所・電化製品・携帯電話・リニアなどの電磁波問題だと私は考えています。放射線も電磁波の仲間なのですが、被爆(曝)国である日本が「真面目に取組んでいる問題だろう」と思われるかもしれませんが、全く逆です。世界でこれらの電磁波を先進国で一番軽視しているのが、この日本であり、そのことは今回の福島原発事故でも明らかで、弱者無視・棄民政策のようにすら思います。また、電磁波過敏症」が問題になっていて、それも電磁波全体に共通することですが、日本ではまったく知られていません。「化学物質過敏症」は、ようやく知られ始めていますが、実は、化学物質過敏症の方々は、その多くが電磁波過敏症にもなっているそうです。
日本では、科学的論争に関しては、科学者も裁判官もメディアも極めて保守的です。日本経済の重要な技術的問題点に関しては客観的・中立的な科学的主張をすることすら相当な勇気が必要です。その例を、私の経験した原発問題や電磁波問題からもいうことができます。諸外国では「具体的な対策」が取られ始めたことが明らかになるまでは、日本では「悪影響がない」ことにさせられしまうのです。日本のメディアも「放射線や電磁波の危険性には触れたがらない」のは、メディア自身が電波の電磁波発生源ですし、広告などの大スポンサーが電力会社やNTTなどの巨大企業であることも原因でしょう。色々な公害問題でも経験したことですが、国民の健康問題を真剣に考えるという土壌が不足しているのですが、特に原発・電磁波問題、更にリニア中央新幹線問題ではそのことを強く感じています。電磁波の危険性が明らかにならなくて、国民が知らないうちに、原発を推進したのと同じように、建設を急ごうとしているようにしか、私には思えないのです。
[2] 電磁波とは?
電磁波とは、「太陽光線の仲間」で、エネルギーが高いのが原発や原爆で知られるガンマ線という「(電離)放射線(それを放出する能力を放射能という)」で粒子性が極めて強く、一方でエネルギーの弱いのが「電波」と呼ばれる「(非電離)放射線」です。エックス線・紫外線・赤外線も仲間であり、粒子と波との両方の性質があります。電波領域では電気や磁気が波として空間を伝搬していると考えることができます。この電磁波の存在によって形成される場所のことを「電磁界」または「電磁場」といいます。電磁波の影響を考える時には、これらすべての電磁波を対象とすべきですし、すべての電磁波が「遺伝的毒性」を示すと考える必要があって、エネルギーのみで危険性を分類すべきではないと思います。送電線の電気は極低周波でエネルギーが極めて弱く、携帯電話や基地局タワー、放送タワーのアンテナから放射される電磁波は高周波と低周波が混ざったり、圧縮されたりしたアナログ波やデジタル波(パルス波)です。
[3] 人間の身体と電磁波
略
[4] 電気利用と電磁波問題
略
[5] リニア中央新幹線の立地上の問題点
リニア中央新幹線の地上走行は約14%程度で、景色の見えるのは山岳地帯が中心ですが、現在のテスト区間も利用するそうですから、それらを含む地上走行区間での外部への影響が先ず問題になります。また2001年に施行された「大深度地下利用法」により地下40メートルより下を「大深度地下」と定義して公共目的の事業に限り「事業権の設定を知事や国土大臣が認める」わけですが「用地買収や事前の補償は不必要」だそうですから、拒否した場合どうなるのでしょうか?その約1億立方メートルのトンネル残土は海が遠くほとんどが内陸部ですから心配になります。長野県王滝村でのJR東海の2013年10月の説明会では、「一日になんと1736台もの大型ダンプが行き来することの交通が心配だ」との切実な質問があったそうです。また、ユネスコのエコパークに推薦の決まった南アルプスですし、そこに棲む貴重な動植物の問題も指摘されています。特に大鹿村ではクマタカ、イヌワシさらに貴重なミゾゴイなどの生殖地にリニア路線が近いことが問題になっていますが、JR東海は、「リニア工事用地から約600メートル以内の棲息に影響がおよぶ場所でなかった」などと説明しているようです。(信濃毎日2014年2月1日付)そのうえ大滝村には、日本最大の活断層である中央構造線が通っています。すでに名古屋駅では地下6~7階のもの工事をしているようですが、多分、リニア新幹線の駅の準備だと思われます。JRと政府は問題が大きくならないうちに工事を開始し、原発とリニアを輸出路線の目玉にしようと考えているようです。品川~名古屋間には、10カ所の変電所が建設されますからその為の高圧送電線の準備も始っていることでしょう。朝日新聞(2013年9月19日付)の「リニアが抱える3つの問題点」は、①
費用の大きさ:もろい地盤の南アルプス、工事の長期化や費用が膨らむ恐れ ②安全対策:事故時の災害対策は万全か? ③ピーク時消費電力:電力確保は大丈夫?」なのですが、「磁力で浮き上がるリニアは人体にへの影響が懸念される強い電磁波を出す」とも書き建設に反対する市民団体の人の「車内は厳重に防護されるというが、人体に危険なレベルの電磁波を出しているからではないか」との趣旨の談話を紹介しています。とにかく、乗り換えにもかなりの時間がかかるそうですから、わずか1時間の時間短縮のために時代錯誤の自然破壊や健康影響の懸念を無視してまで進める必要があるのでしょうか? もっと時間をかけてユックリと考えてほしいものです。悲惨な福島原発事故に対する真剣な反省もなく、この日本は「そんなに急いでどこへいく」のでしょうか。
膨大な資料なので、数回に分けて掲載します。
講演会「リニア新幹線と電磁波問題」①
[1] はじめに
2011年3月11日から3年目を迎えましたが、残念なことに「東日本大震災」と「福島原発事故」とで、多くの人々がいまだに悲しい生活を送っています。原発の危険性の根幹は、多量の放射性物質があることなのですが、現在、「電磁波問題」で、もっとも心配されているのが、その福島原発事故に関連した(電離)放射線と、送電線・変電所・電化製品・携帯電話・リニアなどの電磁波問題だと私は考えています。放射線も電磁波の仲間なのですが、被爆(曝)国である日本が「真面目に取組んでいる問題だろう」と思われるかもしれませんが、全く逆です。世界でこれらの電磁波を先進国で一番軽視しているのが、この日本であり、そのことは今回の福島原発事故でも明らかで、弱者無視・棄民政策のようにすら思います。また、電磁波過敏症」が問題になっていて、それも電磁波全体に共通することですが、日本ではまったく知られていません。「化学物質過敏症」は、ようやく知られ始めていますが、実は、化学物質過敏症の方々は、その多くが電磁波過敏症にもなっているそうです。
日本では、科学的論争に関しては、科学者も裁判官もメディアも極めて保守的です。日本経済の重要な技術的問題点に関しては客観的・中立的な科学的主張をすることすら相当な勇気が必要です。その例を、私の経験した原発問題や電磁波問題からもいうことができます。諸外国では「具体的な対策」が取られ始めたことが明らかになるまでは、日本では「悪影響がない」ことにさせられしまうのです。日本のメディアも「放射線や電磁波の危険性には触れたがらない」のは、メディア自身が電波の電磁波発生源ですし、広告などの大スポンサーが電力会社やNTTなどの巨大企業であることも原因でしょう。色々な公害問題でも経験したことですが、国民の健康問題を真剣に考えるという土壌が不足しているのですが、特に原発・電磁波問題、更にリニア中央新幹線問題ではそのことを強く感じています。電磁波の危険性が明らかにならなくて、国民が知らないうちに、原発を推進したのと同じように、建設を急ごうとしているようにしか、私には思えないのです。
[2] 電磁波とは?
電磁波とは、「太陽光線の仲間」で、エネルギーが高いのが原発や原爆で知られるガンマ線という「(電離)放射線(それを放出する能力を放射能という)」で粒子性が極めて強く、一方でエネルギーの弱いのが「電波」と呼ばれる「(非電離)放射線」です。エックス線・紫外線・赤外線も仲間であり、粒子と波との両方の性質があります。電波領域では電気や磁気が波として空間を伝搬していると考えることができます。この電磁波の存在によって形成される場所のことを「電磁界」または「電磁場」といいます。電磁波の影響を考える時には、これらすべての電磁波を対象とすべきですし、すべての電磁波が「遺伝的毒性」を示すと考える必要があって、エネルギーのみで危険性を分類すべきではないと思います。送電線の電気は極低周波でエネルギーが極めて弱く、携帯電話や基地局タワー、放送タワーのアンテナから放射される電磁波は高周波と低周波が混ざったり、圧縮されたりしたアナログ波やデジタル波(パルス波)です。
[3] 人間の身体と電磁波
略
[4] 電気利用と電磁波問題
略
[5] リニア中央新幹線の立地上の問題点
リニア中央新幹線の地上走行は約14%程度で、景色の見えるのは山岳地帯が中心ですが、現在のテスト区間も利用するそうですから、それらを含む地上走行区間での外部への影響が先ず問題になります。また2001年に施行された「大深度地下利用法」により地下40メートルより下を「大深度地下」と定義して公共目的の事業に限り「事業権の設定を知事や国土大臣が認める」わけですが「用地買収や事前の補償は不必要」だそうですから、拒否した場合どうなるのでしょうか?その約1億立方メートルのトンネル残土は海が遠くほとんどが内陸部ですから心配になります。長野県王滝村でのJR東海の2013年10月の説明会では、「一日になんと1736台もの大型ダンプが行き来することの交通が心配だ」との切実な質問があったそうです。また、ユネスコのエコパークに推薦の決まった南アルプスですし、そこに棲む貴重な動植物の問題も指摘されています。特に大鹿村ではクマタカ、イヌワシさらに貴重なミゾゴイなどの生殖地にリニア路線が近いことが問題になっていますが、JR東海は、「リニア工事用地から約600メートル以内の棲息に影響がおよぶ場所でなかった」などと説明しているようです。(信濃毎日2014年2月1日付)そのうえ大滝村には、日本最大の活断層である中央構造線が通っています。すでに名古屋駅では地下6~7階のもの工事をしているようですが、多分、リニア新幹線の駅の準備だと思われます。JRと政府は問題が大きくならないうちに工事を開始し、原発とリニアを輸出路線の目玉にしようと考えているようです。品川~名古屋間には、10カ所の変電所が建設されますからその為の高圧送電線の準備も始っていることでしょう。朝日新聞(2013年9月19日付)の「リニアが抱える3つの問題点」は、①
費用の大きさ:もろい地盤の南アルプス、工事の長期化や費用が膨らむ恐れ ②安全対策:事故時の災害対策は万全か? ③ピーク時消費電力:電力確保は大丈夫?」なのですが、「磁力で浮き上がるリニアは人体にへの影響が懸念される強い電磁波を出す」とも書き建設に反対する市民団体の人の「車内は厳重に防護されるというが、人体に危険なレベルの電磁波を出しているからではないか」との趣旨の談話を紹介しています。とにかく、乗り換えにもかなりの時間がかかるそうですから、わずか1時間の時間短縮のために時代錯誤の自然破壊や健康影響の懸念を無視してまで進める必要があるのでしょうか? もっと時間をかけてユックリと考えてほしいものです。悲惨な福島原発事故に対する真剣な反省もなく、この日本は「そんなに急いでどこへいく」のでしょうか。