住民運動がフェロシルト投棄を撤去させる(2005年6月)

2014-02-02 15:05:33 | 桜ヶ丘9条の会



フェロシルト撤去    

     粘りの住民活動実る

 東濃・可児地域に野積みされた埋 め戻し土「フェロシルト」は、放射 性物質を含み、地元主民の不安が高まっ ていたが、三重県推奨のリサイクル 品とされ、産業廃棄物とはみなされなかったことから、行政の対応対応は限られていた。県の調査 で六価クロムが検出され、製造 元の石原産業(本社大阪市) が、撤去することになったが、 大きな.壁を動かしたのは、地元住民らの活動だった。
     調査続け危険性訴え
         岐阜県調査   六価クロム検出決め手



 約一万トンのフェロシルトが埋められた可児市大森平林地区の自治会などは6月5日、石原産業の担当者を同地区に呼び説明会を開催。住民100人以上が参加し、「フェロシルトを持ち帰れ」と石原産業に詰め寄った。
 東濃・可児地域にフェロシルトが持ち込まれ始めたのは2001年11月ごろ。可児市久々利を皮切りに愛知県内の業者などが瑞浪市稲津町、土岐市泉町、可児市大森の私有地に持ち込み、野積みされるなどして、問題が表面化した。
 フェロシルトは、もともとは酸化チタンを精製する際に出た硫酸廃液を再処理して商品化されたもの。三重県がこれにリサイクル推奨品のお墨付きを与えたkとから各地で問題視されながらも各自治体は業者への具体的な指導ができずにいた。
 岐阜県がフェロシルトに対する住民の不安の高まりを受けて動き出したのは、ことし2月。
 「法令に基づく行政指導ではなく、住民の不安を解消する目的(県水環境室)で、土地所有者の同意や協力を得ながら放射線や土壌、水質の検査をした。
 県は、住民が不安を抱いていると業者に撤去を要請し続けたが、最終的にフェロシルトが露出している部分の土壌から、可児市久々利で基準値の十五倍(1リットルあたり0・76ミリグラム)、土岐市、瑞浪市からは三倍(同0・15ミリグラム)の六価クロムが検出され、石原産業は岐阜県内に持ち込まれた約三万トンを自主撤去せざるを得なかった。
           
  最大の不安   微量でも被ばく危険性

 住民が最も不安に感じていたのは、フェロシルトが微量の放射性物質を含むこと。今回の岐阜県の測定によると県内に放置されたフェロシルトの放射線量はいずれも基準値以下だが、放射線の問題に詳しい四日市大学の河田昌東講師は「フロシルトは微粒子になる。わずかな放射線量であっても、風に飛ばされ肺から吸い込んでしまえば、体内から被ばくすることになり、健康被害の心配がある」と危険性を指摘する。
   
 フェロシルトが撤去されることになった東濃地方の造成地

                           推定 トン
              ①     瑞浪市稲津町          1000
              ②     土岐市泉町           4000
              ③     可児市久々利          3300 
              ④     可児市大森           9600
              ⑤     恵那市三郷           少量