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崖っぷちの「知る権利」(東京新聞 11月20日社説)

2013-11-22 10:59:11 | 日記
自民、公明、維新、みんな の各党が、国民の反対や、慎重審議の圧倒的な声を無視して、無理矢理成立を図ろうとする「特定秘密保護法案」について、東京新聞の社説が5回目になった。11月20日の(3)崖っぷちの「知る権利」を載せる。

【社説】

特定秘密保護法案(3) 崖っぷちの「知る権利」

2013年11月20日


 国民の「知る権利」と安全保障は、いわば綱引きのような関係である。政府は「秘密にしたい」と言い、国民は「情報を公開してほしい」と願う。調整をどのように図ったらいいのか。
 「あらゆる人は、公的機関が保持する情報にアクセスする権利を有しており、その権利を制限する正当性を証明するのは、政府の責務である」
 今年六月にできた「ツワネ原則」はそう定めた。安全保障と情報に対する権利の国際原則である。世界七十カ国余りの専門家約五百人で作成した。兵器開発や軍隊の作戦など、限られた範囲での情報制限は認めているが、政府に証明を負わせる点は重要だ。
 秘密指定を行政機関の「長」に委ねる特定秘密保護法案と出発点が決定的に異なる。さらにツワネ原則は国際人権法に反する情報など、「何を秘密にしてはならないか」を明確にしている。どこまで秘密に覆われるか不明な日本の法案とは、まるで正反対である。
 国家の公衆監視も規制し、裁判所で秘密が公開され、審理できる保障も定めている。ことごとく考え方が逆方向なのだ。国連や米州機構、欧州安保協力機構などのメンバーが加わった最先端の原則から、わざわざ踏み外す法案をなぜ政府はつくるのか。
 秘密に対する日本の官僚のおそまつさを示す一例を挙げよう。二〇〇六年と〇八年に当時の「原子力安全・保安院」の審議官クラスらが渡米した。原発への航空機衝突や火災などの場合について、対処法の説明を受けた。
 だが、米国側から「秘密だ」と注意された。そのため、保安院側は原子力安全委員会にも、電力会社にも伝えなかった。原発の過酷事故に関する重要情報をせっかく米国から提供されていたのに、全く生かせなかったわけだ。
 秘密情報であっても、関係機関内で共有され、活用されなくては何の意味もない。重罰で秘匿化をより強める法案は実用的でないうえ、官僚をさらに束縛する。
 逆に官僚は公文書の公開には無関心すぎる。一一年度に保存期間が満了した行政文書のファイル約二百三十万件のうち、廃棄された割合は実に92・5%にものぼる。国立公文書館に移管されたファイルは、たったの0・7%にすぎない。
 このうえ秘密の密封度を高める法案とは何事か。国民の「知る権利」は崖っぷちに立っている。 (論説委員・桐山桂一)

土岐市下石に核融合研が移転する際の反対運動と多治見市の対応

2013-11-11 21:10:00 | 日記
現在土岐市下石に、核融合科学研究所があるが、ここに名古屋にあったプラズマ研究所が移転するに際し、核融合研究の実態が、まるっきり変わってしまうことになり、移転そのものの反対運動が地元の多治見市、研究所に隣接する滝呂住宅団地の住民から始った。
立地自治体でないと言っても土岐市と多治見市の境界線近くで、行政区では、多治見市と土岐市の境界直近である滝呂住宅団地の目の前に作られる核融合研究所の計画には、滝呂団地住民と多治見市は重大な関心を寄せ、核融合についての学習を積み重ね、研究所が出来てから行われる実験、将来像に対し、疑惑がわき起こった。核融合研究、実験について学習を重ねるうちに、とんでもないことが行われる計画であることが、徐々に明らかになり、多治見市を巻き込んで、多治見市に特別委員会が設置された。
その際の、多治見市の特別委員会の委員長をつとめ、後に多治見市長になった西寺雅也氏が寄せた投稿を、載せる。
今は、核融合科学研究所が作られてしまい、最近では、住民の反対があるにもかかわらず、重水素実験を東濃三市と岐阜県が了解してしまったが、もともとこの地に核融合研究所が作られるにあたっては、住民の反対運動が展開されていたのである。





























浜岡原発は永久停止・廃炉しかない

2013-11-10 09:39:11 | 日記
浜岡原発のある御前崎市で行われた「浜岡原発の危険から住民を守る会」の「技術者から学ぶ 原発学習会」についてのブログを転載します。


浜岡原発は永久停止・廃炉しかない 

「技術者から学ぶ 原発学習会」を
 終えて 

  参加者から  『原発は危険! よくわかった』 『脱原発の輪を大きくしたい』 
   
       於:御前崎市民会館ホール(8月21日)


 
 東日本大震災で深刻な事故を起こした福島第一原発を目の当たりにし、「浜岡原発で、もしこのような事故が起こったら大変、何とか止めてほしい」 と地元や周辺住民から切実な気持ちが寄せられています。


 これを受けて「浜岡原発の危険から住民を守る会」は早速、この声に応えようと地元御前崎市で大きな学習会開催を決めました。講師には 浜岡原発の1.2.3号機の基本設計に携わり、建設に力を注いできましたが、今では原発の危険性を訴えている渡辺先生(沼津高専特任教授)にお願いし、学習会が実現しました。


8月21日の学習会には約300名の方が足を運ばれました。地元御前崎市からは60~70名程が参加しなかには原発推進の役職についていた方もおり、収束の目途がつかない原発事故への関心の表れと感じました。
 保守的な町であり、周りの目を気にしながらの参加という方もあったと思いますが、このような風土のなかで「自らの命や生活を守る選択をするために、行動を起こし必要な情報を得る」という姿はとても嬉しく 励まされる思いです。 


 学習会は「浜岡原発と新エネルギー政策」で構成され、原発の構造・地震や津波による損害・放射性物質が人体に与える影響・新エネルギーの種類等、申し分の無い講義内容で、質疑応答の時間が足りない程でした。
 「聴きに来てよかった」、 「危険なことがよ~く分かった」、「引き続き、このような学習会を計画して欲しい」という強い要望、「清水さんらが言っている『永久停止・廃炉』の意味が理解できた。応援するから是非頑張ってほしい」などの声が寄せられました。


 中電は「防波壁」を造れば原発を動かすと公表していますが、津波対策しか講じていません。地震が来れば「原子炉を「止める」「冷やす」「とじ込める」などと「安全」に自信を持っているようですが、M9クラスの東海地震が内陸で発生すればひとたまりもありません。東日本大震災から予測すると、地面は最大7メートルも隆起すると考えられ、配管や電気系統はズタズタとなって電源を失い取水も出来なくなり、あの福島第一原発で起きた炉心溶融(メルトダウン)は防ぎようもありません。


 現在浜岡原発は運転停止中ですが、原子炉の中には6300本にも及ぶ使用済み核燃料があり、、発生する放懐熱を冷やしている状態です。止まっていても危険なことには変わりません。永久停止・廃炉への道筋は長い時間が掛かると思いますが、今こそ二度と動かさないという自治体や住民の意思表示、働きかけが必要です。

原発を止めれば「電気は大丈夫なのか」「雇用はどうなる?」など、心配の声が聞かれます。 しかし、電気は中部電力が持っている水力、火力を稼動すれば十分まかなえるのです。その答えが中部電力の資料(ホームページ)に載っています。
 また、雇用についても「止まっているときの方が人手が必要だ」と中電の職員自身が述べているのですから、雇用についての不安もありません。


 「原発立地の交付金がなくなると市の財政が破綻する」という推進派もいますが、先ず住民の安全が第一です。経済より、かけがえの無い今生きている人の命、これから産れてくる子どもの命を守る立場で、危険な原発は永久停止・廃炉にすることに力を入れていくことが現状に遭遇している私たちの役割りであると考えます。

「おこりじぞう」の怒りをわすれるな

2013-10-26 11:36:17 | 日記
2013年10月26日の中日新聞「編集局デスク」に、「おこりじぞう」 と題する記事が載っていた。
広島や長崎に原爆を投下され、核兵器の非人道性をするどく追求した絵本の話しである。
当時の日本人には、怒りがあったが、そのうちに怒りが薄れていき、被爆者の苦しみも思いやることなく、原発神話の中に埋没して、三度目の福島原発事故を迎えた。
世界中の人々が、心配しているにも関わらず、日本はこれからも被ばくを繰り返すに違いない。
「おこりじぞう」のころの怒りが日本人から薄れているからである。

【編集局デスク】

おこりじぞう

2013年10月26日


 核兵器の非人道性と不使用を訴える共同声明に、日本が世界の百二十四カ国とともにやっと名を連ねました。唯一の戦争被爆国でありながら同様の声明を三度も見送ってきただけに、核廃絶に向けて本腰を入れる一歩にしたいものです。
 このニュースを聞いて思い出したのが、駆け出し時代に取材した絵本『おこりじぞう』(山口勇子作)の読み聞かせ会です。
 広島に落とされた原爆で体じゅうにやけどを負った女の子ひろちゃんは「わらい地蔵」の前で倒れ、「水、水」と小さな声を上げました。すると、地蔵の顔はみるみる憤怒の形相に。その目から涙がこぼれ落ち、涙のしずくを飲んだひろちゃんは動かなくなり…。
 図書館司書が感情を込めて語るストーリーを、幼い子どもたちは口を真一文字に結び、じっと聞き入っていました。
 何が正しくて、何が罪悪なのか。子どもたちでも分かる核廃絶の正当性すら、日本政府は米国の「核の傘」に遠慮し声高に訴えることができませんでした。
 共同声明への賛同をきっかけに、核軍縮に向けて主動的な役割を果たすことができれば、「おこりじぞう」の怒りも少しは和らぐのではないでしょうか。
 (名古屋本社編集局次長・岡安大助)


 なお、ユーチューブに、「おこり地蔵」の動画が投稿されている。http://www.youtube.com/watch?v=jIs2D6L9E1s

大地震によって浜岡原発全体で事故が起こったら(原子力資料情報室上澤千尋)

2013-10-18 17:19:21 | 日記
大地震によって浜岡原発全体で事故が起こったら
03/5/14  上澤千尋(原子力資料情報室)(浜岡訴訟資料)

浜岡原子力発電所を,地震の専門家のあいだで想定されているような東海地震が襲ったら,どういう放射能被害が予想されるか,いくつかの条件をおいて計算してみました。

結果から先にいうと,発電所から風下方向の70キロメートルまでの範囲の人全員が全身被曝によって死亡し,110キロメートルの範囲の人の半分がやはり全身に浴びた放射線や放射能によって死亡する,という被害予想がでてきました。

浜岡原発から70kmといえば静岡県のかなりの範囲に及びますし,110キロメートルだと静岡県全体と愛知県の半分以上と山梨県の半分程度がその範囲に含まれ,これらの地域がその放射能の害を被る危険性があるということになります。





計算の結果は,白血球の異常や脱毛,皮膚の異常,脱毛など早期に現れる健康障害(急性障害)が,350キロメートルの範囲までおよぶ可能性があることを示しています。ガンなどによる健康被害ははるか遠くまで及びます。

地震が原発の敷地を襲ったとき,1つの原子炉だけで事故が起こると考えるのでは十分ではありません.つぎつぎと多発的に事故が発生する危険性が高いのです。

浜岡原発にある1号炉・2号炉・3号炉・4号炉・5号炉のうち,建設中の5号炉をのぞく4つの発電所が運転中に地震に襲われ,施設の安全システムが破壊し,原子炉の冷却装置が働かなくなり,核燃料を閉じ込めている容器がこわれて,大量の放射能が環境中に放出されます。

チェルノブイリ原発で起きたような規模の放射能放出事故が,4 つの原子炉で次々に起こり,原子炉の事故に引き続いて建物内にあった使用済みの核 燃料のプールまでが干上がって環境中に放射能をまき散らす,ということを想定して 被害の予想を行ないました。

雨が降ればスポット的に放射能の汚染の高い地域が出て来て,地面が乾いたあとに放射能の再浮遊によって被曝も考慮しなければなりません。風が強ければ,放射能は薄まりながらより遠くまで広がってゆきます。風向きや風速,降雨の有無などによって,計算の結果に大きな幅が出て来ます。この計算結果もその一つだと考えてください。