古賀総合病院で医療福祉相談室勤務をしている頃、相談事項の約4割は、「経済的問題」でした。
医療が高度化し、長期療養を余儀なくされると病状の次に心配になるのが医療費負担の問題です。
また治療により就労が困難になれば、収入が閉ざされ家族の生活困窮にも直結してしまいます。
症状や障がいによっては、特定の医療費助成制度がありますが、多くの方々には、高額療養費制度の利用を案内していました。
ご存知の方も多いと思いますが、この制度は保険診療で自己負担額が、一定の金額(70歳未満で一般所得者の場合、月8万1000円)を超えた場合に、それ以上が払い戻されるという制度です。
またこの適応が直近1年間で3回以上あった場合、4ヶ月目からは自己負担限度額が4万4400円まで下がります。
一昔前は“金の切れ目が命の切れ目”とも言われていた時代もあったようですが、日本が世界に誇る社会保障制度は、網の目の小さい制度として評価されている一面もあります。
国では先進医療や高価な新薬の治療法を受ける患者が増えていることから、さらに患者・家族の経済的負担を軽減しようと高額療養費制度の見直しを検討しているようです。
そのこと自体に異論はありませんが、果たしてその財源をどう確保していくのか…頭を傾げざるをえません。
すでに年金制度も、介護保険制度も破綻していると言っていい状態にまで陥っています。
現在の高齢社会を支えるために消費税を引き上げるとすれば、17~18%にする必要があるとの文献を読んだことがあります。
今の国と国民の間に、にその英断をくだす信頼関係があるとは到底思えません。
絵に書いた餅はいくら立派に描かれていても、国民に満足を届けることはできません。
限られた財源で最大の効果を生まなくてはいけないことは県とて同じです。
光りの射さないとことろを照らせるような政策を訴えていきます。