奇跡への絆

図師ひろき

安心して老いれる国 2

2007年10月07日 14時34分47秒 | Weblog

 それでは安心して老いれることとは、どういうことなのかお伝えします。
 これは夢物語ではなく、今この瞬間もデンマークでは実践されている内容です。驚愕の事実ですよ。

 まず医療制度。
 医療費の自己負担なし!
 子供から高齢者まで負担金なく、医療施設を利用できるそうです。
 日本の医療保険制度のように、毎月保険料を納めて、病院にかかったときには自己負担分を支払うというシステムではなく、保険料を支払うという行為そのものがなくても受診できるのです。なぜ保険料も支払わずに、自己負担なしで医療施設を利用できるのか・・・後ほど種明かしをしましょう。

 続いて年金制度。
 デンマークでは60歳から老齢年金が支給され、月額約20万円。
 65歳から受給すれば月額約26万円。
 日本の場合は、年金保険料を納めた期間に応じて支給額が異なり、国民年金の方は平均月額約7~8万円。厚生年金の方でも月額20万円受給されている方はあまりいないはずです。
 さらに日本は、年金額は引き下げられ続け、支給開始年齢は年々引き上げられていきます。

 障がい年金は日本でいう一級障がい者が、デンマークは月額約30万円の支給。
 日本では、その3分の1にもみたない支給額の方がほとんどです。
 さらに障がい者自立支援法により、福祉サービスを利用する度に障がい者にも1割負担を強いるようになっています。
 
 話が少し横道にそれますが、この障がい者自立支援法が成立する時の国会放映の中で
「国民すべての方と等しく重荷を分かち合い、思いやりのある日本を築いていきたい」
という旨の発言を議員がしていたことを思い出します。
 
 間違っている!
 障がい者の方は、その障がいと共に生きることで十分すぎる荷物を背負っている。そこにさらなる重みをかけることは、分かち合いとは言えない。

 話を戻します。
 デンマークでは基本的に高齢者も障がい者も在宅で生活することを前提にサービス提供が行われています。
 このことは遅ればせながら日本も同じような方向性を示していますが、根本的に違うのは、デンマークは家族との同居率が極めて低いという点です。
 日本の場合、家族介護が前提にあり、家族ができないところを福祉がカバーするような制度です。家族機能が低下してしまっている今、在宅福祉の推進は、単なる医療福祉関係費の抑制策にしか映りません。
 デンマークは“ノーマライゼーション”の理念のもとに、高齢者の障がい者も住み慣れた環境で、人生を全うすることを実現するための福祉サービスが組み立てられています。

 次に教育制度です。
 デンマークでは、小学校から大学まで学費は無料。
 成績表すらないそうです。
 高校の進学率は約45%。
 その代わり専門学校への進学率が高いそうです。
 学校は知識を押し込むところではなく、人間性を育てるところと位置付けられ、福祉教育が小学生の頃からカリキュラムに組み込まれているようです。

 まだまだ特記すべきことはあるのですが、これらの制度を創り上げるための裏づけ、つまり予算はどこからうまれているのか!を次回のブログでご紹介します。
 お楽しみに!
 
 なお、千葉理事長の話を必死で聞くあまり、メモがなぐり書きになってしまい、それを拾い集めて文章にしていますので、デンマーク事情に詳しい方からすれば、実際と食い違う点があるかも知れませんが、ご了承ください。