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井手の里

2018-05-20 | 日記
立春から数えて88日目、今年の八十八夜は5月2日(水)だったよな。お茶の新芽が出そろう丁度この時期に摘まれるお茶が新茶(一番茶)と呼ばれ、二番茶は6月下旬~7月上旬、そして三番茶は8月下旬に摘まれる物を言うそうだ。
新茶は栄養分も旨味もその後に摘まれるお茶よりも多く、「八十八夜に摘まれたお茶を飲むと長生き出来る。」とさえ言われる縁起物らしい。
実に美味しい新茶を頂き、この時期になるとその味とその人を思い出せるのは私の小さな幸せの1つである。
茜たすきに菅の笠とはいかないが、一度は茶摘みを体験したいと思い続けてきた。

  5月20日(日)
JRのイベント、宇治茶歴史街道ウォークに参加した。所は奈良時代の橘諸兄(たちばなのもろえ)所縁の井手(いで)である。JR奈良線、急行列車の停まらない駅・山城多賀駅に集合した。窓から見える緑の景色にうっとりしているともっと長く乗っていたいなぁ~と思いながらホームに降りた。18人の参加者に5・6人のボランティアさんが同伴して下さり、スタートから和気あいあいとした雰囲気に包まれていた。

歩き始めて間もなく乗蓮寺の手前に古い大邸宅・平間家住宅があった。写真にあるお家だ。屋根には「おどし」に貝が取り付けられている。貝が太陽に反射するので鳥が近寄らないのだそうだ。素敵だなぁ~。。。。
野面積み石垣に積まれている石は形こそ小さいが、まるで天守台の様だ。小さい石臼も転用石に使われていて面白い!昔の人はあの石臼で「きな粉」等を作ったんだよな・・・・
昭和28年、凄まじい集中豪雨で池や川が決壊し、南山城で起きた大水害の折に流されたという門もまるで大名屋敷のそれの様だった。

       (画像はクリックすると拡大する)

さてさて10時10分、多賀駅より約1.5km、井手町の観光名所・高神社に来た。
こちらの鎮守の森は京都百景の1つだそうだ。狛犬が迎えてくれる長い石段に一の鳥居、二の鳥居が続きその奥に社殿が建っていた。とても静かな佇まいだ。1604年に再建されたという本殿は三間社流造で桃山時代の絢爛豪華な建築を伝える貴重な建物らしい。
社殿前の舞台では猿楽が奉納されていた記録が、鎌倉時代の高神社文書にあって、それは日本最古級の猿楽奉納の記録文書だとか。
絵馬堂には絵馬の他に祝米寿の手形が沢山奉納されていて、地域の人達と密に結びついている神社のようだった。

             
 
石段を登り切った所に座す狛犬の説明もあった。
神社に向かって左側は獅子ではなく口を閉じた犬で、右側は口を開いた獅子(ライオン)だそうである。犬の頭には尻尾の様な〝とんがり”が付いているそうだ。へぇ~・・・狛犬に犬もいるんだと初めて知った。それから冗談か真か私には初耳の話:「狛犬の阿吽は人間の一生を表しているんですよ。人は口を開いて阿で生まれ、口を閉じて吽で死ぬんです。」知っていましたかと問われ、知らなかったわと首を振ったのが大半だった。(笑)

参拝を終えてふと見上げると、もみじの若葉に差し込む木漏れ日の優しい光に心が和んだ。檜皮葺の本殿屋根の葺き替えに使われる桧の樹皮が剥がされた赤い木肌の桧を見て感動した。キノコの赤ちゃんやサルノコシカケを見つけて喜んだりしながら鎮守の森を抜けた。
そして「山背(やましろ)古道お茶探検隊茶園」に向かう途中では、南谷川のせせらぎを聞きながら野イチゴの赤い実を見つけると手を伸ばし「甘い!」「美味しい!」など喜び合って歩いた。
      
 
茶園に到着。
茶葉の摘み方を教えて頂いてからそれぞれ好きな場所で摘んだ。黒いネットの覆いの下の葉に触ってビックリした。愛しい程柔らかだった。
皆んな無心になって摘んでいる。私も帽子を脱いで楽しんだよ。(笑)
皆んなが納得した頃合いを見計らって下さり、茶摘みは終了した。収穫した葉は持ち帰りOKだった。
次はフルーツ街道を通って食事会場の「みどり農園」に向かう。いちご狩り・ブドウ狩り・柿、みかん狩り色々出来るらしい。
  
            
  
「みどり農園」では手作り羊羹に無農薬新茶をご馳走になって感激!お茶の淹れ方も勉強させていただいた。それなりに解っていても旨味の出る時間が待てず手っ取り早く済ませるのが普通になっていた日常を反省し、これからは落ち着いて淹れてお茶を楽しもうと思った。
特製の小野小町弁当もたいへん美味しくて完食。
それにサプライズがあって、杵での餅つきをして下さり、希望者には搗かせて下さった。よく練った柔らかいお餅で、私でも杵が真っ直ぐに降りて嬉しかった。憑きたての〝きな粉餅”はやっぱり美味しいね。

          
  
充分な休憩時間の間に満腹のお腹も落ち着いて、次は「龍王の滝」へ行った。落差13mの滝は今日は水量も多いそうで、勢いが有りそれなりに見応えがあった。
明治中頃までは高神社の末社「祈雨神社」が在り、日照りの続く時は龍王神に雨乞いをする神事が行われたという。昔話も滝の傍に立つとつい最近の事の様に感じたよ。(笑)
        

山城多賀駅で解散であったが、ボランティアの皆さんがとても温かくて親切で、ユーモアいっぱいの楽しい方達だったのでお別れが名残惜しかった。
南谷川では6月10日~15日頃蛍がいっぱい飛び交うとの事、「きっと来ます。」と告げてさようならをした。
高神社の境内に円墳があったけれど、この辺には古墳が多く16ケ所も点在しているそうで、古墳巡りをしている彼も「また来よう。」と言っていた。



 追記
  5月22日(火)
茶摘みの翌日は用事があって出来なかったけれど、私には貴重な茶葉を無駄にしたくなかった。1日遅れで、頂いたレシピを見ながら緑茶も紅茶も頑張った。
緑茶の手もみ作業と紅茶の揉捻(じゅうねん)作業は思いのほか力仕事であった。自分で一生懸命に作ったお茶に大大満足!

              












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