さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

アブラゼミ

2015-07-31 22:02:40 | 昆虫

*2015年7月31日撮影

 梅雨が明けて蝉の季節です。

 桜の葉に鈴なりになった蝉の抜け殻。こういう景色は震災のあった2011年にも見ました。
 毎年それなりに蝉の抜け殻はあるのですが、この密度は2011年以来です。

 たぶんこの抜け殻はみなアブラゼミのものと思います。
 けれどほかの蝉が混じっていても分かりませんね。
 地面には蝉が出てきたと思われる穴がたくさんたくさん空いています。





*2015年7月31日撮影

 今年は2011年以上の蝉の大発生だと思うのは、桜の木以外にも、背の低い草などにも蝉の抜け殻がいっぱいあるからです。
 そしてなかには、この写真のように草の茎で羽化しようとしているアブラゼミがいたりします。
 始める時間が遅すぎて、夜明けまでに終わらなかったのだと思います。
 まだ体が白くて動ける状態ではないようです。
 早くしっかりした成虫となって生き延びてもらいたいものです。

 蝉の第一の天敵は野鳥だそうです。
 今日も、飛んでいるアブラゼミをムクドリが追いかけてきて空中で食べてしまうのを目撃しました。
 野鳥というのはすごいものだなと改めて認識させられました。
 
 アブラゼミやミンミンゼミ、そしてツクツクボウシの声も聞こえます。
 しかしどこにいるのか見つけられないのが悩みです。

ママコノシリヌグイ

2015-07-30 22:10:27 | 草花

*2015年7月30日撮影

 小さい花ですがとても美しいタデ科の花。
 
 この花にはママコノシリヌグイ(継子の尻拭)という、とても嫌な名前がついています。
 茎にびっしりと下向きのトゲが生えていて、さわるととても痛いのです。
 継子というのはそんなに憎いものなのか、継子の尻はこのトゲで拭いてやれという継母の悪意を草の名に付けたということのようです。

 細い茎の先に、先端がピンク色の米粒のようなつぼみが固まって付いています。
 その米粒が開くと花が咲いたということですが、花が開いたところはなかなか見ることができません。
 今日は朝早かったせいか、開いている花を見ることができました。
 ヒラタアブの一種が花にとりついています。





*2015年7月30日撮影

 ピンクの米粒の先端が黒くなっているのがたくさんあります。
 これは花が終わって実ができているのです。
 実ができてもピンク色の外皮に包まれています。
 だからこれは花びらではなくて「花被」というのだそうです。





2015年7月15日撮影

 ママコノシリヌグイは先月から咲いていました。
 この写真は今月なかばに、花盛りを撮ったものです。
 花盛りといってももともと目立つ花ではないので、いろいろな草の中に埋もれながらひっそりと花を咲かせていました。
 
 ミゾソバやタデ類などはこれから花が咲きますが、この花は早くから咲きます。





*2015年7月7日撮影

 美しい花のたたずまいをもういちど。
 これは今月初めに撮った写真です。
 ママコノシリヌグイという名前の印象とはまったく違います。

 いい花です。
 

アメリカネナシカズラ

2015-07-29 22:00:12 | 草花

*2015年7月29日撮影

 ムラサキツメクサが咲く原っぱに黄色い網が捨てられているように見えます。
 これが植物だとはなかなか信じがたいことです。
 これはアメリカネナシカズラという草です。
 ネナシカズラというのは根を持たないツル性の植物で、他の植物に寄生することで生きています。
 そのネナシカズラの仲間のうち、黄色いそうめんのような細い茎の草がアメリカネナシカズラです。
 名前のように北アメリカから来た外来種です。





*2015年7月29日撮影

 こんなふうにからまってからまって、自分自身にもからまって、生きています。
 ツメクサなどの植物に寄生するために吸盤のようなものでくっつき、根を出して養分を吸い出します。
 葉は退化してしまって痕跡しかありません。それで葉緑素を持たず、全身が黄色い色をしています。





*2015年7月29日撮影

 アメリカネナシカズラの花です。
 下のほうの花は中心部がふくらんで実ができつつあるように見えます。
 雄しべが花の外に飛び出しているところが、在来種のネナシカズラではなくアメリカネナシカズラだとされるゆえんです。
 
 こういうものがしだいに増え続けているそうで、環境省の要注意外来生物リストにも載っています。
 

イチモンジチョウ

2015-07-26 23:24:23 | 昆虫

*2015年7月26日撮影

 今日は猛暑が復活しました。梅雨明けではないかと思っています。

 今年はイチモンジチョウによく出会うような気がしています。
 ご覧のように白い線が一本、表(背側)にも裏にも通っています。
 ミスジチョウ類は白い線が3本あるわけですが、全体の雰囲気はイチモンジチョウと似ていて、線の数をよく確かめないといけません。





*2015年6月22日撮影

 表側の写真です。
 濃い茶色の地に白いつぶつぶが並んで、白線が一本できています。
 イチモンジチョウという名前を納得してもらえると思います。





*2015年7月26日撮影

 今日はタイミングよく裏側をしっかり見せてくれました。
 表側とはがらりと変わって明るい色調の茶色です。
 白線のほかにも複雑な模様があり、白い部分もあって、イチモンジチョウの翅の裏側はとても美しいと思います。

イヌゴシュユ

2015-07-23 21:55:13 | 樹木

*2015年7月22日撮影

 昨夕は激しい雷雨があって、そのままずっと今日も一日雨模様です。
 梅雨に戻って猛暑から解放されて、こんなときには雨もいいものだなどと勝手なことを言っています。

 さて昨日のコガタスズメバチの写真で、名前の分からない木の花がでてきました。
 花が咲き始めた今月初めから気になっていていたのですが、名前にはたどりつけないでいました。
 それが今日、たぶんイヌゴシュユ(正式にはシュユ)という木だと結論づけました。

 木の雰囲気としてはこの写真のような木です。





*2015年7月22日撮影

 花は遠目にはミズキの花のようですが、ごく近くで見るとこのようなちょっと変わった花です。
 この花の形はサンショウに似ていると思って、サンショウの近縁種を調べました。
 まずサンショウ類はこんなに白い花を咲かせないし、この木はサンショウ類のようなトゲがありません。
 ハマセンダンという木もよく似ていますが、南国の海岸に生育するというので違います。
 ニガキという木もよく似ていますが、花がもっと緑色をしているのと花の時期が4~5月と早いので違うようです。





*2015年7月22日撮影

 これは木の幹を撮った写真です。
 木肌の感じが図鑑にあるニガキの写真によく似ているので、ネットでニガキを検索してみます。
 白い花のニガキというものがあるかもしれないと思ったわけです。
 そこで発見したサイトに、ニガキではなくイヌゴシュユであるという情報を発見したわけです。
 なんというありがたいことでしょう。





*2015年7月22日撮影

 これは葉の形を撮った写真です。
 奇数羽状複葉という形です。葉は大きめです。

 シュユというのは「茱萸」と書き、小さな赤い実をつけるミカン科の樹木の総称で、実を漢方薬として利用します。
 「茱萸」は日本では通常グミと読んでまったく違う木をさしますが、これはどこかで間違えたのだとされています。
 そのシュユのなかで呉の国からきたものが品質が良いとされ、ゴシュユ「呉茱萸」と呼ばれるようになります。
 ゴシュユに似て葉などが大きい種類のシュユをイヌゴシュユ「犬呉茱萸」と言うようになったというわけです。

 名称については現在イヌゴシュユのことを「シュユ」というのが正しいそうです。
 ただ情報がきわめて少ないので、真実はよく分かりません。





*2015年7月19日撮影

 もう一度イヌゴシュユ(と思われる木)の花の写真。
 この木は雌雄別株で、この木の花は雄花です。
 
 ゴシュユもイヌゴシュユも江戸時代に漢方薬の原料とするために、雌株のみを株分けして増やしたと言われています。
 雌株だけでは種子を作りませんが、実は出来るので十分なのだそうです。
 そのためイヌゴシュユの雄株はきわめて珍しいとされています。

 それがなぜ会津の鶴ヶ城公園にあるのか、これが新たな謎です。
 
 イヌゴシュユは別名をビービーツリーといって、イヌゴシュユの花にはミツバチをはじめ多くの蜂が集まるのでその羽音が「ビービー」と聞こえるというところから名付けられたようです。
 そこで、ミツバチの蜜源として各地で植えられるようになりました。
 その場合は雌株でも雄株でも構わないので、雄株もそれなりに植えられているのではないかと推測します。
 鶴ヶ城公園のイヌゴシュユと思われる木も、蜜源として近年植えられたものかもしれません。


 *今回参考にさせていただいたブログ⑴-------かわ遊び・やま遊び日記
  *今回参考にさせていただいたブログ⑵-------86netの南麓日記