さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

オンブバッタ

2017-09-26 22:13:46 | 昆虫

*2017年9月26日撮影

 まずまずの良い天気が続いています。

 秋の虫たちが鳴き始めています。ただ声が聞こえても姿は見つけられません。
 そんななかで、鳴かないけれどよく見かけるのがオンブバッタです。
 今日出会ったこれは大きさから言ってたぶん雌です。





*2017年9月13日撮影

 そしてこれは小さいのでたぶん雄です。
 写真だと大きさというのは伝わりませんが、体の幅などを注目してほしいと思います。





*2017年9月13日撮影

 そしてこれがよく見かけるオンブバッタの交尾の図です。
 子が親にオンブしているように見えることから、オンブバッタの名がつきました。
 でも上に乗っているのは雄で、下になっているのは雌です。
 交尾中はもちろんこの体勢ですが、交尾していないときでもしばしばこの姿のままでいるようです。
 昆虫の場合は、トンボなどを見ても、交尾の前も後も長い時間つながっていることが多いように思います。
 人はこういうことを愛情のありようとして考えがちですが、昆虫は人のような感情は持ち合わせないので、もっと別な理由があるのだと思います。

 

イヌコウジュ

2017-09-25 22:12:12 | 草花

*2017年9月25日撮影

 小さな花をひっそりと咲かせているイヌコウジュに出会いました。
 シソ科に属するので花穂の雰囲気がシソに似ていますが、花は上の方にまばらに咲いているだけで、シソのように花がびっしりと並んでいたりはしません。
 小さな葉は、シソの葉に似ていなくもないですが、だいぶ違う雰囲気です。





*2017年9月25日撮影

 コウジュというのは「香需」と書いて、漢方薬の名前です。
 ナギナタコウジュという草を干して乾燥させたものが「香需」で、解熱剤などとして使われます。
 このナギナタコウジュに似ているけれど、薬用にならない(役に立たない)のでイヌコウジュなのだそうです。
 イヌ=役に立たない、という命名法則が適用されています。





*2017年9月23日撮影

 これは小さいけれど、一本でしっかり立っているイヌコウジュです。
 花はたくさん咲いているほうです。

 シソ科イヌコウジュ属に属するイヌコウジュですが、同属にヒメジソという草があります。
 小さなシソという意味のヒメジソで、優雅な名前です。名付け方はイヌコウジュとは大違いです。
 ところが、このヒメジソがイヌコウジュと瓜二つで、区別することが大いにむずかしいのです。
 したがって、今回イヌコウジュとして紹介している植物が、じつはヒメジソである可能性もあるわけです。
 間違いがあったら、ご容赦を願うのみです。
 

イカリモンガ

2017-09-23 22:31:52 | 昆虫

*2017年9月23日撮影

 予想に反して曇り空の1日でした。

 ヤマハッカの花に取り付いている、見たことのないチョウを発見しました。
 小さいのでシジミチョウの一種かと思ったり、セセリチョウの一種かもしれないと思ったりしながら撮影。
 ところが調べても、チョウの図鑑には該当するものが見当たりません。
 ひょっとしたらと、ガを調べたら、いました!
 イカリモンガというガでした。





*2017年9月23日撮影

 イカリモンガは「碇紋蛾」と書き、前翅にあるオレンジ色の模様を船の碇(いかり)に見立てて、「碇の模様のある蛾」という意味だそうです。
 
 問題は昼間に花にとまって吸蜜をするこの虫がチョウではなくガだというのはなぜかということ。
 チョウは美しく、昼間活動し花にとまって蜜を吸う。
 ガは見た目が不気味で、夜活動し、葉の裏にとまっているなど日陰者。
 こういうイメージからするとイカリモンガは明らかにチョウの一種だと思うのですが。





*2017年9月23日撮影

 じつをいうと、チョウとガを区別する言語は、英語と日本語などごく少数派なのだとか。
 そして古い日本語もチョウとガは区別されておらず、ガが気持ち悪い毒のある虫というイメージができたのも、明治以後の近年であると言われています。
 英語圏の文化を輸入して、チョウとガの区別についても英語にならったせいだとされています。

 チョウもガも、分類状は昆虫綱のチョウ目に属しています。
 そのなかでアゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科、タテハチョウ科、セセリチョウ科のどれかに所属するものがチョウと呼ばれます。
 イカリモンガはイカリモンガ科に属するのでチョウではないということです。
 見た目や生態の違いというよりは、分類がたまたま「ガ」になっただけのようです。
 はじめにイカリモンチョウと名付けられていれば、イカリモンチョウ科ができてチョウの仲間だったかもしれません。

キアシナガバチ

2017-09-21 22:23:03 | 昆虫

*2017年9月21日撮影

 晴れているのに風が冷たい感じがするようになってきました。
 秋本番です。

 アシナガバチやスズメバチをよく見かけるようになりました。
 よく分かりませんが、秋はこれらのハチの活動が活発な時期とされています。
 ハチ達の個体数が最大になる時期なのだと思います。
 もう少しすればハチ達の今年の活動も終わるので、女王蜂候補を育てたり、雄蜂を産んだり、忙しいのかも。

 このアシナガバチは、キアシナガバチといいます。
 全体的に体が黄色っぽいということですが、似たようなセグロアシナガバチとの比較です。
 セグロとキ、両アシナガバチは、アシナガバチとしては最も大きくて、危険です。





*2017年9月1日撮影

 セグロアシナガバチは市街地にも多いのですが、キアシナガバチはどちらかといえば山間部に多いとされています。

 ハチに刺されるのは、不用意に巣に近づいたことが原因となることが多いようです。
 アシナガバチ類はたいてい円錐形の巣を木の枝や軒先などに作ります。
 よくよく注意していないと目につかずに、うっかり近づいたり触ってしまったりして、襲われるはめになります。
 アシナガバチは小さいのでスズメバチよりは毒性が少ないのですが、何にせよ注意が肝要。





*2017年9月1日撮影

 アシナガバチの幼虫もスズメバチと同じく肉食で、チョウやガの幼虫つまりイモムシやケムシなどを食べます。
 それでアシナガバチやスズメバチは、農作物をイモムシなどの食害から守る益虫という見方もできます。
 刺されないための用心をしっかりすれば、ハチと人も助け合える存在かもしれません。
 この世は思わぬ形で利害がつながっています。

 




ヤブマメ

2017-09-20 22:21:53 | 草花

*2017年9月20日撮影

 こちらでは台風の雨も風もさほどではなく通過しました。
 台風が去って、昨日は快晴、今日は薄曇りと、まずまずの天気です。

 茂みの中に隠れるように咲いているこの花はヤブマメです。
 花の形の通りマメ科の花で、小さなエンドウ豆のようなさやマメが実ります。
 つるを伸ばして他の植物に絡みつきながら広がります。





*2017年9月19日撮影

 ヤブマメは花を咲かせて受精して実を作るほかに、地面の中に枝を伸ばして閉鎖花をつけます。
 閉鎖花には直径1cmほどもある大きな実がみのり、翌年同じ場所に発芽します。
 地上の花は子孫を広げるための実をつけ、地下の花は翌年同じ場所に生きるための実をつけるというわけです。





*2017年9月19日撮影

 夜の間の雨に濡れたヤブマメの花にオオチャバネセセリがとりついています。
 
 地中の果実は私は見たことがありませんが、食用にしておいしいといいます。
 たくさん集めるのはかなり大変だと思いますが。





*2017年9月19日撮影

 つる状にぶら下がっているヤブマメの花と葉です。
 葉は3出複葉で3枚セットでつきます。
 ひとつ一つの葉は、先が丸いおにぎり型をしています。
 
 ちょっと地味な花ですが、見つけたらなかなか可愛い花でもあります。