さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

ノブドウ

2019-10-21 22:01:53 | 樹木

*2019年10月21日撮影

 今日も曇り空でしたが時には青空も見えて、暑くもなく寒くもなく散歩日和でした。

 川沿いにノブドウの実が目立ちます。
 さまざまな色の実が、丸いのばかりではなくて、少しづつ形が違っていたりして、とても風情のある実です。
 




*2019年10月21日撮影

 ここ会津ではノブドウの実は一般的に「ブスの実」と呼ばれます。
 「ブス」というのはトリカブトの根で作る毒薬のことではないかと思われます。
 毒薬を飲まされた人の顔が青黒くはれあがるところから、ノブドウの実の色を見て連想したのではないかと想像します。

 ブスの実という名前から、この実は毒だという思い込みが生まれ、今でも普通一般的にはこれは毒だと思われています。





*2019年10月21日撮影

 ノブドウの実は毒ではありません。
 ただ、まずいので食用にはしません。
 見た目が気持ち悪いと思う人は特に、毒だと言われれば納得する雰囲気があります。

 それでも、じっくり眺めると、なんとも言えぬ美しい実だと思うようになります。





*2019年10月21日撮影

 数年前まで「ブスの実の焼酎漬け」をつくるのが流行りました。
 毎日少しづつ飲むと、胃腸系のガンなどの特効薬になると言われました。
 そのことの是非はともかく、なぜかブームは去り、今では実を採る人はほとんどいなくなりました。
 以前は争うように実が採られたノブドウですが、いまはその独特の姿をここかしこに展開しています。

ヒゲナガカワトビケラ

2019-10-20 22:26:27 | 昆虫

*2019年10月20日撮影

 先週は台風19号がたいへんな被害をもたらしました。
 ここ会津はとりあえず大きな被害は出ませんでしたが、福島県内では阿武隈川の氾濫などで被害が広がりました。
 ちかごろは自然災害が次々と発生します。
 平穏無事な生活に感謝しつつ、災害への備えも心がけたいと思います。

 気候はすっかり秋で、朝晩は暖房が必要なほど冷えるようになりました。
 今日は曇り空でしたが、日中はそれなりに暖かく過ごせました。

 写真は、イロハモミジの木にとまっているヒゲナガカワトビケラです。
 トビケラというのは川や沼などに住む昆虫で、主に川に住むものをカワトビケラといい、ヒゲナガカワトビケラはその代表格です。
 独特の褐色の斑紋があり、木の皮などとの判別が難しかったりします。





*2019年7月5日撮影

 これは夏の頃、柳の若葉にとまっているヒゲナガカワトビケラです。
 これなら虫の姿もはっきり見えると思います。

 ヒゲナガカワトビケラの幼虫は水中の石の下にいて、ザザムシとも呼ばれます。
 ザザムシは、長野県伊那市などで食用にされることが知られています。
 天竜川で冬になるとザザムシ漁が行われるそうです。

ヤマガシュウ

2019-10-07 22:06:11 | 樹木

*2019年10月7日撮影

 朝はよく晴れて爽やかな天気でしたが、午後からは曇り空で寒くなってきました。
 これから夜が更けるにつれ雨模様に変わるようです。

 黒っぽい実をつける、つる植物を発見しました。
 黒い実ならアオツヅラフジだろうと思い込んでいましたが、どうも雰囲気が違うので調べました。
 答えはヤマガシュウ(ヤマカシュウとも言う)です。





*2019年10月7日撮影

 黒い実ですが、よく見ると濃い緑色をしていることが分かります。

 名前は山に生える「カシュウ」という意味です。
 「カシュウ」は「何首烏」と書き、漢方薬の名で「ツルドクダミ」という草の根を干したものを言います。
 つまり「ツルドクダミ」のことを「カシュウ」と呼んでいるわけです。

 「ツルドクダミ」はドクダミに似た葉を持つ、ツル性の草です。
 その「ツルドクダミ」に似ていて、山に生えるというのが、「ヤマガシュウ」の由来です。
 「ツルドクダミ」にはヤマガシュウのような実はなりません。





*2019年9月22日撮影

 先月撮影したヤマガシュウの実です。
 まだ熟していないのか、緑色が濃い感じです。

 ヤマガシュウの花は、春の4月ごろ小さな緑色の花をたくさん咲かせます。
 ごく地味で目立たない花のようです。
 花だけを見ればサルトリイバラに似ているとも言います。

 いろいろなものに似ているとされるヤマガシュウ。
 けっこう珍しい部類の植物なのかも。
 

アキノキリンソウ

2019-10-05 22:05:17 | 草花

*2019年10月5日撮影

 夜半から朝にかけて雨がちらつき気温もぐっと下がりました。
 朝は寒かったのですが、昼近くには日が差して気温が急上昇、暑い暑いというしまつ。
 どうも極端に気温差があるので困ったものです。

 アキノキリンソウが咲いています。
 黄色い小さな花が集まって、穂状に咲きます。華やかな印象の野草です。
 アキノキリンソウという名は、秋に咲くキリンソウのような花という意味で、ごく分かりやすい名前です。
 キリンソウというのは春に咲く黄色い花で、小さな花が集まって丸い花をつくります。
 アキノキリンソウとは花の形も違うし、似ていないといえば似ていないのですが、その気になって見れば花の雰囲気が似ているようにも思えます。





*2019年10月5日撮影

 キリンソウという名は黄色い花が集まって一輪の花のようだからとか、輪になって咲くからだとか言われています。
 それで「黄輪草」と書くのですが、いつのころからか「麒麟草」と誤って書くのがひろがり、今では「麒麟草」と書くのが正しいかのようになっています。
 アキノキリンソウについても「秋の麒麟草」という表記がふつうになっていますが、本来は誤りです。





*2019年10月5日撮影

 「麒麟」と書くのはなんとなくカッコいい感じもします。
 誤用も定着してしまえば通用してしまうもの。
 おまけに、アキノキリンソウの花の姿は麒麟を思わせるような勢いがあるとか、麒麟の胸は黄色いから黄色い花のキリンソウを麒麟草というとか、こじつけの新説まで生まれています。
 
 人の暮らしの中でのあれこれが、何が真実か分からなくなっていく過程というのは、こういうものかとふと思います。

シロスジベッコウハナアブ

2019-10-02 22:01:30 | 昆虫

*2019年10月2日撮影

 10月になりました。
 もう10月なのに、日によっては真夏のような暑さが戻ってきます。今日も日中の気温はは30℃近くになりました。
 
 ミゾソバが花盛りです。
 そしてその花にハナアブたちが群がっています。
 そんなハナアブたちのなかから、大きくて目立つやつを撮影しました。
 これはシロスジベッコウハナアブといいます。
 腹部に太い白い帯模様があるので、シロスジが名前につきました。





*2019年10月2日撮影

 ベッコウハナアブに似ているけれど腹部に白いスジがある、というわけでシロスジベッコウハナアブです。
 ベッコウハナアブというのは、このシロスジベッコウハナアブと体形がよく似ているのですが、背中がいわゆるベッコウ色をしています。
 シロスジベッコウハナアブの場合は、背中に黒い模様があるので、ベッコウ色があまり目立ちません。
 この写真のシロスジベッコウハナアブは雌で、背中にベッコウ色が残っていますが、雄の場合は背中が真っ黒なのでベッコウ色はありません。
 シロスジベッコウハナアブも、雄と雌でずいぶん感じが違うようです。