さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

ツリフネソウ

2022-09-23 19:53:55 | 草花

*2022年9月21日撮影

 秋の彼岸です。
 朝晩や雨の日は寒いと感じることが増えました。日中は日がさせば暑いこともあるのですが、風が冷たくなりました。
 季節の変わり目は突然やってくるので、びっくりするばかりです。

 いま、ツリフネソウが花盛りです。
 河原というよりは川の中に生えています。
 どちらかといえば日陰の方が好きなようで、ヨシの茂みのなかに隠れるように咲いています。





2022年9月21日撮影

 赤い花という印象ですが、赤紫というのが正しいようです。

 とても変わった姿形をした花です。
 大口を開けた魚が吊り下げられている、ように私には見えました。
 尻尾のところがくるりと巻いている姿などは、思わず笑ってしまいます。

 ツリフネソウという名は、帆掛船を逆さに吊った姿から名付けられたという説や、「釣船」という花器の名に由来するという説などがあるようです。
 「釣船」というのは船の形を模した花を生けるための器で、茶湯の席で飾りとして吊り下げられたのだそうです。





*2022年9月21日撮影

 花の大部分はくるりと巻いたしっぽ(きょ「距」という)を含め、袋状の萼(がく)が占めていて、このなかに蜜があるようです。
 蜜に誘われてマルハナバチなどがやってきます。
 萼の先端に、下を向いた大きな2枚の花びらと、上に小さめの花びらがあって、3枚の花弁があるわけです。
 不思議な形をした美しい花です。





*2022年9月15日撮影

 この写真は、左側の花が大きく口を開けた中が見えています。
 口の中の、上の方に白い突起がありますが、これが雄しべです。雄しべは中に雌しべを包み込んでいて、やがて雌しべが成長してくると脱落してしまいます。
 つまりツリフネソウの花は、雄花である時期と雌花である時期とがあって、時期が分かれることで同じ花での受粉を避けているということのようです。





*2022年9月15日撮影

 群生しているツリフネソウ。
 たくさん咲いている景色もなかなか見事です。

ヒメベッコウハゴロモ

2022-09-05 21:33:59 | 昆虫

*2022年9月3日撮影

 9月になりました。
 涼しくなったと思ったら急に暑い日がやってきたりします。不安定な天気です。台風も心配です。

 河原に生えている細長い葉っぱに、妙な虫がいるのを発見しました。
 ごく小さいのですが、一見貝殻のようでもあり、蛾のようにも見えます。
 これは、カメムシ目のハゴロモ科に属する、ハゴロモという虫の一種だと分かりました。
 ハゴロモはセミの仲間だと、自分なりに納得しています。

 ハゴロモのなかでは珍しいとされている、ヒメベッコウハゴロモの写真です。





*2022年9月3日撮影

 ヒメベッコウハゴロモは全国に分布するものの、個体数が少ないのだそうです。
 昆虫図鑑のハゴロモの項目には「ベッコウハゴロモ」は必ず登場するのに、「ヒメベッコウハゴロモ」はまったく取り上げられません。
 ネットで検索しても、ごく限られた情報しか得られません。

 この写真には、真ん中の2匹のほかに、ピントが外れていますが左側に1匹、右奥にも1匹写っています。
 つまり生息場所にはそれなりにたくさんいるというわけです。





*2022年9月3日撮影

 横から撮った写真です。
 翅の下にちゃんと体があって、当たり前ですが足もあります。
 葉の上をするすると足で歩きます。ただ、不用意に近づくとピュッと飛んで逃げます。





*2022年8月31日撮影

 これは後ろから撮った写真。
 体のお尻側が写っています。
 翅の大きさと比べて、けっこうぷっくりした体型をしているようです。





*2022年8月31日撮影

 ヒメベッコウハゴロモは、イネ科の植物の汁を吸って生きています。
 この葉もイネ科の植物だと思うのですが、何という草かは分かりません。

 よく似たベッコウハゴロモは、翅の二本線の模様が黒地に白線なので、線が黒いヒメベッコウハゴロモと区別できます。
 大きさもベッコウハゴロモの方がひと回り大きいようです。
 ベッコウハゴロモが体長1cmだとすると、ヒメベッコウハゴロモは8mmくらいというところでしょうか。
 ベッコウハゴロモはクズやヤマノイモなどの茎から汁を吸います。





*2022年8月24日撮影

 ハゴロモという虫の名は、天女の羽衣から名付けられたのだとか。
 この姿のどこが「羽衣」なのかと思うところですが、じつは幼虫の時に白い綿毛をまとっているのです。
 幼虫の姿を、ぜひネットで見ていただければ、すぐに納得です。

 私はまだこのヒメベッコウハゴロモの幼虫に出会えていないのですが、いつかきっと幼虫の姿を撮影したいものだと願っています。