さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

ウスバシロチョウなど

2023-05-21 22:45:43 | 昆虫

*2023年5月11日撮影

 5月も後半に入って、山の緑も濃くなってきました。夏が近づいています。

 この時期によく目にする蝶が、このウスバシロチョウです。
 白い翅が半透明で透き通るように薄いので、ウスバの名が付いたのだと思います。
 ただ、分類的にはシロチョウ科ではなく、アゲハチョウ科に属するのだそうです。
 モンシロチョウなどの仲間ではなく、アゲハなどの仲間ということになります。
 なのでウスバアゲハとも呼ばれるのですが、あまり一般的ではないようです。





*2023年5月3日撮影

 ウスバシロチョウは姿の美しい蝶ですが、飛び方もふわふわとしてじつに優雅です。
 大きな体で、春に咲くハルジオンの花にとりついています。
 ウスバシロチョウが見られるのは、春の一時期だけで、梅雨の前には姿を消します。
 ハルジジオンの花が咲く頃に現れ、ハルジオンの花が終わる頃にはいなくなる、というふうに私は思っています。





*2023年4月24日撮影

 今日は、そのほかの蝶もごらんください。

 まず、日本の蝶の代表と言ってもいい、アゲハです。
 一般的にはアゲハチョウといいますが、アゲハチョウという言葉はアゲハチョウ科に属する蝶類の総称としても使われるので、標準的な和名はアゲハとすることが多いようです。
 他のアゲハチョウと区別するために、ナミアゲハという名も普通に使われます。

 アゲハの風格はやっぱり見事なものです。





*2023年4月20日撮影

 そしてこれはキアゲハです。
 黄色いアゲハなのでキアゲハです。ただし色の濃さは個体によりさまざまで、黄色い色だけをたよりにアゲハと区別することは難しい場合も多いのです。
 前翅の前の方の付け根に黒い線状の模様があるのがアゲハ、線状の模様がないのがキアゲハとするのが、いちばん確かな見分け方です。

 キアゲハは本家のアゲハより一段と美しく見えます。





*2023年5月9日撮影

 翅を広げた姿が、まるでシジミ貝を広げたように見える小さな蝶たちをシジミチョウと呼びます。
 そんなシジミチョウ科に属する蝶をいくつかご紹介します。

 はじめの写真は、トラフシジミです。
 歩道の砂利の上にいるのを発見しました。
 ごらんのような縞模様を、虎の模様に見立ててトラフの名が付いたようです。
 翅の表側(背中側)は、濃いブルーの美しい色をしているのですが、この日は見ることが出来ませんでした。





*2023年4月29日撮影

 次はおなじみのツバメシジミです。
 後ろの翅にはオレンジ色の模様があって美しいのですが、その後翅にぴょんと突き出た糸状の突起があります。
 尾状突起と言われるもので、これをツバメの長い尾に見たてるという、なかなか強引なやり方でツバメの名がついています。





*2023年5月9日撮影

 これは、たぶんシジミチョウのなかで最も親しまれている、ベニシジミです。
 春も早くから出現し、美しい姿で私たちを楽しませてくれます。
 ハルジオンの花にとまっているいい瞬間を撮影できました。





*2023年4月13日撮影

 アゲハと並んで、日本の蝶を代表する存在、モンシロチョウです。
 ギシギシの葉の上で交尾中です。
 モンシロチョウはもちろんシロチョウ科の蝶ですが、シロチョウ科の蝶は、白い蝶だけでなく、黄色い蝶も含まれています。
 そして白いモンシロチョウも、翅の裏側は黄色いことが多く、特に雌は黄色味が強いのです。
 なので、この交尾中のモンシロチョウは、右側の挟まれているほうが雌のようです。





*2023年5月10日撮影

 モンシロチョウと並んでおなじみの蝶、モンキチョウです。
 モンシロチョウの黄色いバージョンと思われることも多いのですが、両者は別種の蝶で、模様も違います。
 こちらもギシギシの花にとまって交尾中です。
 モンキチョウの場合は本来黄色い蝶なのですが、白い色をしていることもあり、特に雌の場合に白いことが多いとされています。
 なので、この写真の場合は下側になっている蝶が色白で、雌なのではないかと思われます。

 今日は、蝶の写真でした。
 ふつうの、おなじみの蝶ばかりでしたが、いかがだったでしょうか。

エンドウ3種

2023-04-28 22:24:33 | 草花

*2023年4月24日撮影

 明日からはゴールデンウィークの連休です。
 4月に入っても妙に朝晩が寒い日が続きました。ようやく今日から、日中は暑いくらいの気温になりました。
 天気というものは人間の都合とは関わりなく、予測不能の変化をするものと、つくづく思います。

 カラスノエンドウが花盛りです。
 雑草の茂っているところには、もれなく生えているような気がします。





*2023年4月21日撮影

 エンドウの名がついているので、いわゆるエンドウマメの一種です。
 サヤエンドウのような実がつくのですが、食用のサヤエンドウよりは小さくて、熟すと種子もサヤも黒くなります。
 この黒い実がカラスにたとえられて、カラスノエンドウというわけです。
 
 別名はヤハズエンドウといい、こちらの方が植物学界では標準的な呼び名とされているようです。
 しかし、一般的にはカラスノエンドウという名のほうが普通に使われています。





*2023年4月23日撮影

 これはカラスノエンドウに似た草ですが、花が小さくて白っぽいので違いはすぐ分かります。
 白紫色の小さな花は、葉の根元から伸びた柄に、ふつう4個づつ付きます。
 花だけでなく草丈も含めて全体的に小さいので、カラスに対比してスズメというわけで、スズメノエンドウと名付けられました。
 
 ちなみに、カラスノエンドウの花は紅紫色で、葉の根元に1個から3個付きます。

 



2023年4月23日撮影

 カラスノエンドウとスズメノエンドウは、しばしば混在していて、当然のようにカラスノエンドウは目立ちますが、スズメノエンドウはよくよく見ないと目につきません。
 なのでスズメノエンドウはあまり世に知られていません。





2023年4月24日撮影

 そしてもうひとつ、カラスノエンドウに似た草がこれ。
 花はスズメノエンドウよりは大きくて、薄い紫色をしています。
 それでも、カラスノエンドウよりはずいぶん小さくて、花の色もカラスノエンドウよりは地味な色をしています。
 カラスとスズメの間だから、カスマグサだという、冗談のような名付けがされました。
 エンドウマメの仲間なのに、エンドウという名が付けられなかったのは、どういうことでしょうか。





*2023年4月24日撮影

 カスマグサはカラスノエンドウやスズメノエンドウと混在することもありますが、単独で群生することが多いようです。
 そもそもカスマグサは他の2種よりずっと少なくて、なかなか目にしない植物だと思います。

 この写真のカスマグサの花はみなつぼみです。
 これはこれで、風情があります。





*2023年4月21日撮影

 カスマグサの花は、葉の根元から伸びた柄に1個から3個付きます。
 花の付き方はカラスノエンドウと似ています。
 カラスノエンドウよりは柄が長いところが違います。





*2023年4月21日撮影

 この3種の野生のエンドウは、食用のエンドウマメと近縁種で、いずれも食べることができます。
 カラスノエンドウは3〜5cmのサヤの中に10個ほどの豆ができ、スズメノエンドウは1cmくらいのサヤの中に2個の豆、カマスグサは1.5cmくらいのサヤの中に4個の豆ができます。
 エンドウマメと同じように、まだ熟さない緑色のうちに茹でて食べるわけですが、味の方は保証の限りではありません。

 これらエンドウマメ類は、中央アジアを原産地としていて、各種の豆類の中から現在のエンドウマメにつながる種が選ばれて、栽培と品種改良が進められたと考えられます。
 カラスノエンドウなど3種は、残念ながら選ばれなかったというわけですね。

 







 

オオシマザクラとヤエベニシダレ

2023-04-11 22:06:36 | 樹木

*2023年4月11日撮影

 会津の鶴ヶ城公園の桜は、例年より早く咲いて、もうだいぶ散ってしまいました。
 ただしそれは大半を占めるソメイヨシノの話。
 数は少ないとはいえ、ソメイヨシノ以外の遅咲きの桜もまだまだあるのです。

 そのひとつが、色白で大きめの花を咲かせるオオシマザクラです。
 写真の桜がオオシマザクラではないかと思っています。
 オオシマザクラは野生種のひとつで、多くの栽培品種の親となっています。
 それだけにオオシマザクラによく似た栽培品種も多いとされていて、写真の桜もオオシマザクラに似たそっくりさんである可能性もあります。





*2023年4月10日撮影

 そういうややこしい話は常についてまわって、桜の種の特定は至難の技です。
 なので自分だけ納得できればよしとして、これはオオシマザクラだと思って、毎年楽しませてもらっています。





*2023年4月10日撮影

 野生種だから、というのが関係しているのかどうかは不明ですが、かなりの大木になります。
 大きな木に満開の花は見事です。
 葉が出るのが早めで、花とともに小さな葉がついていて花の姿をひきたてています。





*2023年4月10日撮影

 さてこちらは、濃いピンクが華やかな八重咲のしだれ桜です。
 姿の通りにヤエベニシダレといいます。
 名前の通りの見た目なので、間違いないと思います。
 鶴ヶ城公園のあちこちに存在していて、とても良いアクセントになっています。





*2023年4月10日撮影

 石垣をバックにヤエベニシダレ。
 お城ならではの風情です。
 花があまり多くなく、ちらほらと下がっている姿を選びました。





*2023年4月10日撮影

 シダレザクラは本来、エドヒガンという桜なのだそうです。
 たまたま枝垂れるようになったエドヒガン、ということでしょうか。
 枝垂れるようになった桜の色違いやら八重咲やらと、いろいろな派生種ができて、このヤエベニシダレはこの上なく華やかな花を咲かせる桜になりました。
 そのかわり、あまり大きな木になることはなくて、背の低い木が多いようです。
 この写真のヤエベニシダレは、比較的大きいほうだと思います。
 満開の花が見事です。

3月の小鳥たち

2023-03-28 21:57:25 | 

*2023年3月24日撮影

 3月も残りわずかです。
 桜もまもなく咲きそうで、春本番です。

 今日は、今月に撮影できた小鳥たちの姿をご紹介します。

 最初の写真は春の定番、梅にメジロの写真です。
 メジロは一年中身近なところに住んでいる鳥ですが、やっぱり春に見かけることがいちばん多いと思います。
 花の蜜や果実など甘いものが大好きなメジロなので、花が咲く春は集団で姿をみせることがあります。
 この日も、梅の花にメジロの群れが飛び回っていました。




*2023年3月22日撮影

 春の小鳥の大本命はなんといってもウグイスです。
 ウグイスはよく通る大きな声で存在をアピールしていますが、なかなかその姿は発見できません。
 この日は、幸運にもケヤキの枝にとまるウグイスを発見して、撮影することができました。
 ウグイスはこのようにとても地味な姿をしています。





*2023年3月22日撮影

 姿形がかわいい小鳥といえば、ダントツの1位はこのエナガでしょう。
 会津の鶴ヶ城公園のエナガは、秋冬に見かけることが多いのですが、この冬はさっぱり出会えませんでした。
 春になってから見ることが増えました。
 繁殖の季節をむかえて、巣作りも始まっているのではないかと思います。
 夏の子育ての時期にはほとんど姿を見せなくなります。
 人間の目の届かない安全な場所で子供たちを育てているのかも。





*2023年3月17日撮影

 今、一番よく見かける小鳥はこのカワラヒワです。
 番(つがい)と見られる2羽で、さかんに飛び回っています。
 繁殖のための場所を探しているのか、巣作りをしているのか、カップルで生きることの楽しさを全身で表現しているかのように飛び回っています。
 2羽が並んでいるところとか、集団でとまっているところとかの写真を撮りたいと思うのですが、これが難しい。
 それで、この写真も雄が1羽だけの写真になっています。





*2023年3月22日撮影

 アトリは冬鳥なので、越冬のためにここに来ているので、まもなく北の国へ帰ります。
 繁殖地は北方の地ということになります。
 大きな群れを作って行動することがよく知られています。
 この冬の鶴ヶ城公園のアトリは、集団といっても10羽から20羽くらいの数で、大集団ではなかったように思います。
 この時も10羽以上の数がいましたが、そのなかの1羽です。





*2023年3月20日撮影

 これはカシラダカです。
 ホオジロの仲間のカシラダカも冬鳥で、北海道以北を繁殖地としています。
 今年はあまり姿を見せませんでした。





*2023年3月20日撮影

 最後は、おなじみのコゲラです。
 コゲラはキツツキの1種で、日本では最も小さなキツツキとして知られています。
 身近な街路樹などに住んでいることも多く、都市部にもなじんでいる小鳥です。
 もちろん、1年中見ることができます。
 この冬はシジュウカラやヤマガラなどと一緒に群れをつくる「混群」として、しばしば観察できました。
 ときには10羽以上の集団が見られたことも、珍しいことだったと思っています。





ヨシガモなど

2023-02-16 22:38:27 | 

*2023年2月16日撮影

 数日雪の降る日が続きましたが、今日は晴れました。
 雪も積もるほどではなく、この冬は雪の少ない冬ということで確定しそうです。

 会津の鶴ヶ城のお堀に、ヨシガモがいるのを発見。
 ヨシガモを見るのは10年ぶりくらいでしょうか。
 その位ここでは珍しいカモです。





*2023年2月16日撮影

 「ナポレオンの帽子」に例えられる頭部の緑色の冠羽をはじめ、全体的にじつに美しいカモです。
 ヨシガモは「葦鴨」と書くように、ヨシの繁る水辺にいるカモという意味だそうです。

 ヨシガモの後ろを泳いでいるカモは、もしかして雌のヨシガモか?と思ったのですが、どうもコガモのメスのようです。
 雌のカモの識別は難しいものです。





*2023年2月16日撮影

 写真の一番手前の黒い鳥はオオバンで、その後ろのクチバシの黄色いカモはオカヨシガモの雌、さらにその後ろの2羽はオカヨシガモの雄です。

 ヨシガモは雄の1羽だけしかいませんでしたが、このオカヨシガモはたくさん泳いでいます。
 オカヨシガモというのは、ヨシガモと同類だけれども「丘にあがる」つまり陸上にいることが多いという意味の命名であるようです。
 実際は、オカヨシガモとヨシガモは見た目はまったく違うし、オカヨシガモが陸上にいる姿を見ることもありません。
 命名の不思議のひとつです。

 オカヨシガモはもともとあまり数の多くないカモとされてきましたが、ここ数年鶴ヶ城のお堀にはおなじみの姿となっています。
 特に今年はたくさんのオカヨシガモを見ることができます。
 




*2023年2月16日撮影

 カモたちの中に混じって泳いでいる黒い鳥はオオバンです。
 オオバンはカモ類の仲間ではありませんが、水鳥として水の上で生きています。
 水中の植物が主な食べ物ですが、昆虫や魚類も食べるようです。
 額とクチバシが白くて体は真っ黒という特徴的な姿をしているので、よく目立ちます。
 ここ数年で鶴ヶ城のオオバンは急に数が増えました。

 2羽のオオバンが、なにやら親密そうです。





*2023年2月16日撮影

 オカヨシガモの群れの中に、これも珍しい一羽。
 ホシハジロです。
 ホシハジロやキンクロハジロなどは、いわゆる「潜水採餌型」のカモで、水に潜って餌を採ります。
 潜水採餌型のカモは海に住む「海ガモ」に多いため、ホシハジロなども海ガモとされるのですが、実際は淡水に住むことの方が多いと言われています。

 写真のいちばん手前のカモはオカヨシガモの雄。
 左端のカモはオカヨシガモの雌です。
 きょうはキンクロハジロの姿は見えませんでした。





*2023年2月16日撮影

 おなじみのコガモの雌の写真です。
 コガモの雌が3羽、氷の上を歩いてきて、1羽が急に飛びました。
 左側に残された2羽のコガモ。
 しかし左端のカモはクチバシが黄色いので、コガモではないようです。
 どうやらこれもオカヨシガモの雌のようです。

 雌のカモはなかなか見分けられない。