さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

スモモ(花)

2021-04-15 23:18:35 | 樹木

*2021年4月15日撮影

 今年は4月3日に開花した会津の鶴ヶ城公園の桜、ソメイヨシノは盛んに花を散らせています。
 あと数日で花の時期は終わります。
 ソメイヨシノ以外の、八重桜などはまだこれからです。

 今年は、ウメとサクラがほぼ同時期に咲きましたが、少し遅れてハナモモやスモモも咲いています。
 みなバラ科のサクラ属で同じような花が咲くので、見分けるのはなかなか難しい。

 そんななかから、今日はスモモの花をごらんください。





*2021年4月15日撮影

 スモモは真っ白な花で、花と一緒に葉も伸び始めるので、サクラよりは少し地味な印象があります。
 ウメやハナモモは花の「柄」がごく短いのが特徴で、枝に直に花がついているように見えます。
 サクラやスモモは花の「柄」が長くて、枝からちょっと離れたところに花が咲きます。
 サクラの花びらには先端に切れ込みがあるのですが、スモモには切れ込みがなく、丸い花びらとなっています。
 花で見分けるには、ざっとこんなふうに言われています。
 でも、実際に見分けるのはとても難しいと感じています。





*2021年4月15日撮影

 スモモという名前は「酸っぱい桃」という意味で、「酸桃」というふうにも書きます。
 一般的には「李」という字を当てますが、これは中国での表記から来ています。
 もともとの原産地は中国ということです。
 
 現在、果実のために栽培されているさまざまな品種は、アメリカで品種改良されて里帰りしたものと言われています。
 江戸時代末期から、スモモはアメリカに渡ったようです。
 アメリカでは珍しかったのでしょうか。





*2021年4月15日撮影

 果実目的で栽培されているスモモとは別に、花を愛でるための庭木として植えられているスモモがあります。
 今回取り上げているのは庭木の方のスモモで、実をつけることはあまり無いとされています。

 この写真の木は、だいぶ葉が大きくなっています。
 咲いている場所や、たぶん品種などによって葉が育つタイミングもずいぶん違うようです。





*2021年4月12日撮影

 華やかさではサクラに負けるけれども、白く輝く花がビッシリ枝に付いたところは豪華な美しさがあります。
 
 ソメイヨシノが散っても、スモモの方はもうしばらくは楽しめそうです。

ウグイス

2021-04-12 22:02:09 | 

*2021年4月12日撮影

 今年は、会津の鶴ヶ城公園に、ウグイスの声がたくさん聞こえる年です。
 そして今日は、そのウグイスの姿を間近に見ることができました。とてもラッキーです。

 ウグイスの写真です。さえずっていたので雄です。





*2021年4月12日撮影

 ウグイスの名は、その鳴き声に由来するとされています。
 もともとは「ウー、グイス」と鳴く鳥というのが一般的な感覚だったそうです。
 いつから「ホーホケキョ」に変わったのかといえば、200年前ぐらいなのだとか。
 明治維新が150年前なので、その50年ほど前、江戸時代の末期ということになります。
 仏教関係者が流行らせたのでは、という邪推もそれらしく聞こえてしまいます。





*2021年4月12日撮影

 鳥や動物の声を人間の言葉で置き換える、いわゆる「聞きなし」は世界中で行われていて、例えば犬の鳴き声も各国で違うとよく話題になります。
 ウグイスの声も「ホーホケキョ」だと思い込んでいるから、そう聞こえるわけです。
 試しに「ウー、グイス」だと思って聞けば、すぐに慣れて、違和感はなくなります。





*2021年4月21日撮影

 「ウー、グイス」と声高らかにさえずるのは雄のウグイス。
 雌を求めて鳴く、あるいは雌と共につくった巣や子供を守るための「縄張り宣言」と言われます。
 声はすれども姿は見えずというのが普通で、極めて見つけにくい小鳥です。
 雌の姿となったら、見つけるのはほぼ絶望的です。

コブシ(花)

2021-04-10 23:06:58 | 樹木

*2021年4月10日撮影

 会津の鶴ヶ城公園の桜は今が満開で、とても見事です。
 今年はこれまでになく早い開花だったので、梅やそのほかの花木類と同時期に一斉に花が咲いたように感じます。

 少し地味ですが、コブシの花も咲いています。
 もうそろそろ終わりかけでしょうか。
 今日はコブシの花の写真をごらんください。





2021年4月8日撮影

 コブシによく似た花として、ハクモクレンがあります。
 ハクモクレンはモクレン(紫色の花をつける、シモクレン)の仲間で、白い花を咲かせます。
 コブシよりも花が大きくて、密集して咲きます。
 モクレンやハクモクレンは花が同じ方向に傾いて咲くので、コブシとは花のつき方の雰囲気が違います。





*2021年4月7日撮影

 ハクモクレンよりももっとコブシに似た花が咲くのは、タムシバという樹木です。
 タムシバは山に咲き、コブシは里に咲くと言われますが、それほどきれいに棲み分けられてはいません。
 コブシは花の下に小さな葉が1枚つくのが特徴で、タムシバの花には葉がつかないので、それで見分けます。





*2021年4月7日撮影

 コブシという名は、花のあとにつく実の形が握り拳のようだというので、コブシになったとされています。
 コブシの実はとてもユニークな姿をしているので、いつかご紹介したいと思っています。

 コブシは「辛夷」と書きますが、これは中国での辛夷(しんい)という漢方薬の名で、モクレンやハクモクレンなどの花のつぼみを乾燥させたものとされています。
 なので、コブシという樹木名を「辛夷」と書くのは、誤用であるとされています。
 誤用であっても、日本ではこの表記が定着してしまいました。





*2021年4月3日撮影

 青空をバックにコブシの花を撮影できました。

 コブシの花は咲き始めはとてもきれいなのですが、花がすぐに茶色く痛んでしまうのが残念です。
 いちばんいい状態の輝いている花のときを、せめて写真にとどめておきたいと、撮影に励んでいます。

            

アズマイチゲとキクザキイチゲ

2021-04-03 22:58:45 | 草花

*2021年4月3日撮影

 4月になり、暖かい晴天の日が続いています。
 会津の鶴ヶ城公園の桜も開花が発表されました。

 桜の花も素晴らしいけれど、地面のほうもいろいろな草花が咲き始めています。
 なかでも今年たくさん咲いているのがアズマイチゲです。
 アズマイチゲとともに、キクザキイチゲも咲いています。今日はこの2つの花の写真です。
 まずはアズマイチゲから。





*2021年3月30日撮影

 アズマイチゲは草丈が20cmほどの小さな花です。
 一本の茎の上の方に固まって葉が付き、その上に菊の花のような花を咲かせます。
 実はこの白い花びらに見えるものは、萼片なのだそうです。




*2021年3月26日撮影

 今年は特にたくさん咲いている印象があります。
 日当たりの良い場所には群生しています。





*2021年4月3日撮影

 さて、こちらはキクザキイチゲです。
 アズマイチゲとは違う場所に咲いていますが、アズマイチゲの集団の中にも混じっているようです。
 アズマイチゲとは葉の形が違います。





*2021年4月3日撮影

 鶴ヶ城公園に咲くキクザキイチゲは白い花ばかりですが、一般的にはキクザキイチゲはピンクだったり紫だったりすることが多いようです。
 花の大きさはアズマイチゲと同じで、直径3cmくらい。
 ただ、花の印象は少し違って見えます。





*2021年3月30日撮影

 群生しているキクザキイチゲの様子です。
 
 アズマイチゲもキクザキイチゲも、今この時期だけ地上に花を咲かせ、まもなく消えてしまう植物です。
 いわゆるスプリングエフェメラルと呼ばれる存在。
 美しくもはかない、春の妖精です。