さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

ケイヌビエ

2020-08-24 22:11:49 | 草花

*2020年8月24日撮影

 今日のこちらの最高気温は32℃でした。少しづつ下がってきています。

 会津の鶴ヶ城の南側を流れる湯川。
 昨年から今年の春にかけて、川底の土砂を撤去するという大規模な工事が行われました。
 洪水などに対する対策なのだと思います。川底を掘り下げたので、当然川の中に生えている樹木や草は根こそぎ撤去されました。
 それでも、一部分は手を付けないで、柳やヨシが茂るままに残されました。
 ここを散歩などする人たちに、景観を残してくれたのだと、ありがたい思いがします。

 その湯川の、草が全て撤去された場所、本来ならヨシが繁っていた場所にイヌビエが茂り始めました。
 野草の生命力を見せつけられています。
 やがてはヨシの方が優勢になるのでしょうが、今はイヌビエの天下です。
 イヌビエにはいくつかの種類がありますが、毛がたくさん生えているので、ケイヌビエだと思います。





*2020年8月24日撮影

 イヌビエは、食用にするヒエに似ているけれど食用にならない(=役に立たない)ということで、イヌの名がつきました。
 しかしヒエという穀物は、イヌビエを品種改良したものだという説が有力視されいます。

 水田の雑草として最も厄介なのがイヌビエです。
 水辺が好きなので、川にも生えます。
 ふさふさの毛が目立つので、これはケイヌビエに違いありません。





*2020年8月23日撮影

 穂に毛が生えているものがケイヌビエ、これは分かりやすくて私などには何の問題もありません。

 ところが植物の分類上は、近頃はケイヌビエを認めない傾向が強まっています。
 イヌビエとケイヌビエとを区別する境界が極めて曖昧なのだそうです。どちらなのか判別できない個体が多いということでしょうか。
 ケイヌビエもイヌビエの中に含めるのが正しいという見解が優勢のようです。





*2020年8月21日撮影

 水辺に立つ毛イヌビエ。
 草丈は1mを超えていて、なかなか見事です。
 風に吹かれて、少し赤みがかった穂を揺らす姿は、ずっと見ていたいと思うほど魅力的です。
 来年には、この風景はどんなふうに変わっているでしょうか。

アメリカザリガニ

2020-08-23 22:20:21 | 甲殻類

*2020年8月23日撮影

 日中は暑いのですが、それでも幾分過ごしやすくなってきているように思います。
 朝や夜には吹く風が気持ちよく感じられるようになりました。

 今日は偶然、ザリガニを撮影できました。
 ザリガニといえばアメリカザリガニですが、誰もが知っているこの生き物を撮影するのはなかなか難しいものです。
 今日は幸運が重なって、細い水路の中にいるザリガニを観察し、撮影もできました。

 2匹のアメリカザリガニが激突しそうな雰囲気の写真ですが、大きな争いにはならずにお互いに避けて通っていきました。
 後ろにいる2匹も、それぞれを応援している雰囲気ですが、もちろん全然関係なく事態は治ったわけです。





*2020年8月23日撮影

 石の間に隠れているアメリカザリガニ。
 この個体は体の赤みが強いので、成熟しつつあるようです。
 右手のハサミは無くなっていますね。どうしたのでしょうか。

 他のアメリカザリガニはあまり赤くないので、まだ若い個体なのかもしれません。
 大きなハサミだけが、赤い点々模様で目立っています。
 





*2020年8月23日撮影

 草の陰、石の下に潜んでいるアメリカザリガニ。
 これもハサミの他は、体が赤くありません。赤い大人になるまでには、何日ぐらいかかるのでしょうか。

 ザリガニの在来種は、北海道と青森、秋田、岩手の3県にのみ、ごくわずかに生息しているとされています。
 在来のザリガニは赤くなくて、体も小さいようです。

 食用のウシガエルの養殖のために、餌として導入されたのがアメリカザリガニです。
 食用ガエルの事業は頓挫して、今やウシガエルは各地での嫌われ者。
 一方のアメリカザリガニは、全国に広がるとともに、赤い姿が子供達に人気です。
 どちらも、環境への影響が懸念されながらも、全国どこでも増え続けています。


クロスキバホウジャク

2020-08-20 22:11:58 | 昆虫

*2020年8月20日撮影

 今日も快晴。猛暑でした。

 河原に植えられているアベリアの花に、クマバチなどの蜂が群がっています。
 その中に、キビキビと動きが速くて目立つのがホウジャク達です。
 ホウジャクというのは蛾なのですが、飛んでいるところは蜂のように見えます。
 色々な種類のホウジャクがいて、飛んでいる姿では区別が難しいので、とりあえず頑張って写真を撮ってから調べることになります。

 この写真のホウジャクは、クロスキバホウジャクのようです。
 なかなか珍しいホウジャクかもしれません。





*2020年8月20日撮影

 ホウジャク類は大きくはスズメガ科にくくられる蛾の仲間です。
 スズメガという蛾の仲間は、形が大きく胴体も太いのですが、静止した時背中側から見ると左右の翅で三角形に見えるのが特徴です。
 スズメの名は、見た目ではなくて、ちょこちょこと忙しく飛ぶところがスズメに似ているとされたようです。
 スズメガ科の蛾は大抵飛ぶのが速いのですが、ホウジャクという名がついた一群は特に高速飛行が得意です。
 ホウジャク類はホバリング(空中に静止)して花の蜜を吸うという特技を持っています。
 花の周りを飛び回る姿が蜂のように見えるので、「蜂雀」つまり蜂のような雀蛾という意味のホウジャクと名付けられました。





*2020年8月20日撮影

 今日の写真のホウジャクは、翅が透明で透けて見えるので、スキバあるいはスカシバと呼ばれます。
 「透翅」の意味です。
 それでスキバホウジャク、あるはスカシバホウジャクというわけです。
 スキバホウジャクには2種類あって、クロスキバホウジャクとただのスキバホウジャクです。
 スキバホウジャクは後ろの翅の付け根が橙色をしていることで判別できます。
 この写真のホウジャクは後翅の付け根に橙色はないので、クロスキバホウジャクということになります。





*2020年8月20日撮影

 じつは、写真のホウジャクとよく似た、オオスカシバという蛾がいます。
 オオスカシバもホウジャクの仲間なのですが、スカシバ「透翅」を持つ大型の蛾ということで、別格のようにオオスカシバという名がついています。
 オオスカシバは姿形も大型ですが、そのほかに、翅の周りの黒っぽい縁取りがスキバホウジャク類のように太くなくて、翅がすっきり透明に見えます。
 オオスカシバはよく見かける蛾ですが、スキバホウジャク類は数が少ないとされているようです。

ミサゴ

2020-08-19 22:02:06 | 

*2020年8月18日撮影

 昨日、今日と、快晴の日が続きました。猛暑です。
 それでも、今日の早朝は風が爽やかで、お盆が過ぎたので少しづづ気温も和らぐのかなと思わされました。

 さて、昨日撮影した写真ですが、ミサゴという鳥の飛んでいる姿です。
 タカなどの猛禽類の仲間ですが、私にとってはミサゴはかなり珍しいので、ご紹介させてください。

 遠くの空にトビが飛んでいると思って見ていたのですが、少し近くなると下部(腹側)が白いことが分かって、慌てて撮影しまいた。
 あとで調べて、ミサゴであると判明した次第です。





*2020年8月18日撮影

 ミサゴは大きな川や湖沼で魚を獲って暮らしています。
 会津にも猪苗代湖をはじめ湖沼はたくさんあるし、阿賀野川水系の大きな川もいくつかあります。
 環境としては悪くないと思いますが、どうもミサゴは数が減っているように言われています。





*2020年8月18日撮影

 水中に足から突っ込んで生きた魚を捕らえることから、「水探る」が次第になまって「ミサゴ」になったと言われています。
 漢字表記は「鶚」「魚鷹」「水沙児」などいくつかあります。
 「魚鷹」というのは、魚を獲る鷹だからと分かります。
 「水沙児」というのは、ミサゴの音を文字に置き換えたのだと分かります。
 一番よく使われる「鶚」は、どうもよく分かりません。

アカネ

2020-08-17 20:53:17 | 草花

*2020年8月17日撮影

 もう8月で、お盆も過ぎました。
 長いお休みをいただきましたが、そろそろ再開します。

 6月の半ばに梅雨入りしてから、じつによく雨が降りました。
 1日のうち雨が全く降らなかった日は無いのではないかと思っています。
 新型コロナへの警戒の気持ちもあって、散歩はままならず、気持ちも落ち込んでいました。

 8月に入って、梅雨は開けましたが、猛暑の日々がやってきました。
 雨はいまだによく降ります。雨が降っていれば気温は少し下がりますが、雨がやめば猛暑です。

 なかなか、のんびりと散歩する雰囲気には至らないものです。

 今日は朝早く雨が止み、日中は晴れましたが、それなりに風もあって過ごしやすい1日でした。
 会津の鶴ヶ城公園に咲く、アカネという雑草を撮影してきました。





*2020年8月17日撮影

 アカネは蔓(つる)植物で、草むらを這いまわっています。
 今が花の時期なのでできるだけ大きく撮影してみました。
 アカネの花は直径3〜4mmほどのごく小さい5弁の花です。
 白く見えますが、真っ白ではなくて黄緑色がかっています。





*2020年8月17日撮影

 アカネは茎の先端が立ち上がり、茎の途中に4枚の葉を輪生させます。
 茎は断面が四角くて、下向きの細かいトゲがあります。

 アカネは「茜」と書きます。
 「茜色」といえば誰もが知る赤い色の一種ですが、私の感覚としては夕焼けや朝焼けの空の色でしょうか。
 アカネの根で布を染めた色が「茜色」と呼ばれる色で、この雑草のアカネが「茜色」のもとなのです。





*2020年8月17日撮影

 4枚の葉が輪生しているところから、脇芽が出て、そこに花がつきます。
 脇芽はどんどん育って大きな花の房になります。
 ところが、脇芽の出ないものも多くて、そういう茎は花を咲かせることなく、4枚の葉をどんどん輪生させながら伸びていきます。
 どういうわけでそうなっているのかは分かりません。





*2020年8月17日撮影

 花が咲く脇芽の出始めの様子です。
 これが次第に伸びて花の房になります。

 アカネは花が終わってから、黒っぽい実をつけます。
 これもまた風情があるのですが、それはまたのお楽しみに取っておきます。