さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

スミレモ

2019-08-31 21:46:57 | 藻類

*2019年8月31日撮影

 8月も今日で終わりです。
 降り続いた秋雨もひとまず止んで、今日は晴れました。

 会津の鶴ヶ城の石垣には、さまざまな苔が生えています。
 ペンキをスプレーしたかのように黄色くなっている石もあります。
 そんな中に、濃いオレンジ色をした苔のようなものに心引かれて、撮影してみました。

 写真を見ると、細かい毛のようなものがびっしりと生えていることが分かります。
 これは苔でもなく、地衣類でもない、スミレモのようです。





*2019年8月31日撮影

 スミレモとは「菫藻」と書くのだと思います。
 スミレの香りのする藻、という意味だそうです。
 スミレの香りについてはなかなか確認できないようですが、問題は「藻」です。
 藻というのは一般的に、水の中に生える植物を言います。
 ただ分類学状の「藻類」というのは、酸素発生型の光合成を行う生物のうち、苔やシダや種子植物ではないものをさす、とされていてなかなかに難しいのです。





*2019年8月29日撮影

 石垣の石を少し離れて撮影したものです。
 遠くから見れば、ただの苔にしか見えませんが、スミレモは緑藻類に属しながら陸に生きる藻類なのです。
 緑藻類にはアオノリなどが含まれますが、このオレンジ色の苔のようなものが海苔の仲間とは信じがたいものです。

 藻類という不思議な生き物のことも少しづつ知識を得たいと願っています。

ムモントックリバチ

2019-08-29 22:04:37 | 昆虫

*2019年8月29日撮影

 秋雨が降り続いています。
 今日は朝になって雨が止み、8時過ぎにはわずかに日がさすようになりました。
 午後にはまた雨に戻りましたが、午前中の少しの時間に出かけてみました。

 イノコズチの花にとりついている、小さな黒い蜂を発見。
 トックリバチの仲間だとは思ったのですが、調べた結果ムモントックリバチだと決めました。
 これは顔をこちらに向けている写真です。
 




*2019年8月29日撮影

 逆さになっているムモントックリバチ。
 トックリバチというのは、ドロバチ科の蜂で、泥を固めて丸いトックリ型の巣を作るためにトックリバチと呼ばれます。
 トックリバチの代表はミカドトックリバチという蜂です。
 そのミカドトックリバチに似ているけれど、黄色い模様がごく少なくてシンプルな姿をしているのがムモントックリバチです。
 ムモンというのは、紋が無い、つまり模様が無いという意味のようです。





*2019年8月29日撮影

 これはオオアレチノギクにとまったムモントックリバチです。
 この写真なら全身の姿が分かりますね。

 ムモントックリバチは壁や石などの窪みを利用して、丸い巣を作ります。
 窪んだところを利用するので、半球状の巣を作ればいいわけで、たいへん効率的です。
 トックリバチ類は種ごとにそれぞれ好きな営巣地があって、草の葉の裏だとか、草の茎だとか、壁面だとかにトックリ型の巣を作ります。
 巣はごく小さくて、直径2cm程度のものです。
 その気で探さないと見つけられません。

キツネノカミソリ

2019-08-25 23:02:17 | 草花

*2019年8月25日撮影

 今日は基本的には晴れの日だったのですが、ときおり急に雨が降るという厄介な1日でした。
 雨は秋雨で、気温は急に下がります。
 日がさせば暑い夏を思わせる気温になりますが、30℃にはならずに過ぎました。

 キツネノカミソリという花が咲いています。
 ノカンゾウに似ていますがちょっと違います。
 花はノカンゾウより赤みを帯びていて、花の作りがシンプルです。





*2019年8月25日撮影

 キツネノカミソリはヒガンバナ科に属していて、花の頃には葉が無いことが特徴です。
 ノカンゾウも近縁なのでしょうが、今はススキノキ科のワスレグサ属ということになっていて、よく分かりません。
 植物の分類も今はDNA鑑定が主流で、頻繁に分類の変更がなされているようです。





*2019年8月25日撮影

 分類の話はともかく、「狐の剃刀」という名の由来をちょっと。

 花の頃には葉が無いキツネノカミソリですが、春に芽生えるころにはまず葉が伸びます。
 このときの葉の形が、日本伝統のカミソリの形に似ているというので、キツネノカミソリと名付けられたそうです。
 なぜキツネなのかはよく分かりませんが、よく親しまれた動物なのだと思います。
 日本伝統のカミソリというのがどういうものかというのは、ぜひそれぞれでお調べいただきたいと思います。

ミンミンゼミ

2019-08-23 22:13:28 | 昆虫

*2019年8月23日撮影

 お盆の8月15日前後は台風が来て、雨模様の日々でした。
 その後はまた猛暑が戻りましたが、今週の水曜日21日からは秋雨が降り始めました。
 つまり、今年の夏は8月20日で終わりました。
 まだ日がさせば、気温は30℃近くなりますが、35℃を超える猛暑はもうないでしょう。
 7月末から実質3週間あまりの「夏」でしたが、気温の高さは異常でした。

 ミンミンゼミはいまが最盛期のようです。
 夏の終わりの名残に、ミンミンゼミをごらんください。





*2019年8月23日撮影

 ミンミンゼミの分布は、北海道の一部から九州までのほぼ日本全域とされています。
 しかし、関東から東の地域では平地に普通にいるのにくらべ、関西から九州にかけては山地でないといないと言われます。
 なので、こちらではセミといえばミンミンゼミが代表なのですが、関西以西ではクマゼミが代表なのだそうです。





*2019年8月20日撮影

 こうした分布の仕方などから「ミンミンゼミは暑さに弱い」説が生まれましたが、実態は分かりません。
 今年会津の鶴ヶ城公園で、きわだってミンミンゼミが鳴き出したのは、8月の10日でした。
 まだ2週間しか経ちません。
 気温が最高になるのを待って出てきたのか、あるいは夏の終わりの気配を感じて出てきたのか。
 どうも後者のような気がします。
 ミンミンゼミは猛暑には弱いのかもしれません。





*2019年8月19日撮影

 7月の寒さの頃は心配しましたが、今になってみると今年はセミは多かったように思います。
 アブラゼミもツクツクボウシも、ミンミンゼミも盛大に鳴いてくれました。
 ニイニイゼミは鳴き始めが遅かってせいで、声の大きなセミたちにまぎれてあまり目立ちませんでしたが、それなりにいたように思います。





*2019年8月19日撮影

 「セミの幼虫は7年後に出てくる」という話を信じていましたが、根拠のない伝説だそうです。
 7年説のもとになった本があるのだそうですが、著者はそもそもそのような主張はしていないのだとか。
 誤解をもとにして広まった7年伝説です。
 実際にセミの幼虫の成長期間を特定することは極めて難しくて、いまでもよく分かっていないらしいのです。
 ミンミンゼミやアブラゼミは、2年から5年程度を幼虫で過ごすとみられています。
 

サルスベリ

2019-08-12 22:48:26 | 樹木

*2019年8月12日撮影

 日中は相変わらずの猛暑で、今日も36℃になりました。
 ただし朝晩は涼しいと感じられる程度になりました。暑い夏もそろそろ終わるのかなと、期待しています。

 今、花の盛りのサルスベリです。白い花です。
 サルスベリは「百日紅」と書くように、本来は華やかな赤紅色の花なのですが、白花のサルスベリもあります。
 白花の場合は「百日紅」と書くのは違うような気もするので、「猿滑」でしょうか。





*2019年8月12日撮影

 サルスベリの樹皮ははげ落ち、木肌がつるつるになるので、猿でも滑って登れないだろうということからサルスベリの名が付いたようです。
 その名前からすれば「猿滑」なのですが、原産国の中国の表記「百日紅」をそのまま使いながら、読みだけをサルスベリにしたわけです。
 「百日紅」という名は、紅色の花が100日咲き続けるという、花の特性を表した名前です。
 日本語読みで「ヒャクジツコウ」ともいいます。

 花とともに緑の球形のものが多数ついていますが、これから花が開く蕾だと思います。
 花の後の若い果実も同じような姿をしていますが、時期的にこれは蕾のようです。




*2018年8月10日撮影

 ちりちりの花がシャーベットのようです。
 サルスベリの花は中心に雌しべ、その周りに雄しべがあって、花びらは細い柄がついていて中心部から離れて縮れた花弁が6弁ついています。
 それで花全体が縮れているように見えます。黄色い雄しべが目立ちます。

 今回は白花のサルスベリの、花のアップの写真でした。