さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

老木の苔

2020-01-09 22:03:09 | 苔など

*2020年1月9日撮影

 どうやら今冬も雪のない冬になるのは確定のようです。
 雪の降らない冬は2016年に初めて経験しました。それでも2016年の1月には、ほんの少し雪が降ることが度々あったように思います。
 今年は、それ以上に雪が降らないようです。

 曇り空で、雨がときどき降るという1日でしたが、晴れ間も少しありました。
 雲間から日が差すと、老木にびっしりと生えている苔が美しく輝きます。
 この場合の老木というのは、古い桜の木です。





*2020年1月9日撮影

 苔の種類は分かりません。
 数種類の苔が混在しているように見えます。
 雨が多いので、苔が生き生きとしています。





*2020年1月9日撮影

 桜の古木も、こういう風情になると、ものすごい貫禄です。
 一方で朽ちていく古木もあり、新しく植えられる桜もあり、全体的には少しづつ桜並木が維持されていくのかなあと思いますが、はたしてどうなのでしょうか。
 会津の鶴ヶ城の桜の木の行く末については、ときどき考えさせられます。
 しかし、遠い先のことについては見届けることもかなわないことなので、桜を維持しようとする人々の努力が続けられることを願うのみです。

ハイゴケ

2017-03-19 22:15:24 | 苔など

*2017年3月19日撮影

 雪はほとんど消えて春もすぐそこというところですが、なぜか一進一退で今日も寒い1日でした。
 それでも鶴ヶ城公園の梅のつぼみも膨らんできました。

 今日は苔です。
 よく見かけるハイゴケが鶴ヶ城の石垣にもたくさん生えています。





*2017年2月25日撮影

 先月のまだ雪があるころのハイゴケです。
 ハイゴケは園芸用にも売られていて、鉢植えに植えたり庭に植えたりするようです。
 苔の中では大きめで存在感があることと、たぶん栽培が容易なのだと思います。





*2017年2月14日撮影

 これも、雪のなかのハイゴケです。
 
 ハイゴケは生えている場所や光の加減で、さまざまな色合いに見えます。
 今回は私の好きな明るい黄緑系のハイゴケの写真が揃いました。
 実際はもっと濃い緑のものも多く、茶色っぽい姿のものもあります。

 苔類はごくたまにしか取り上げませんが、見れば見るほど面白い存在で、ハマりそうです。

ウメノキゴケ

2017-02-14 22:37:51 | 苔など

*2017年2月14日撮影

 先週の月曜日(6日)は雨でしたが、その夜から雪になって、土曜日(11日)まで断続的に雪が降り続きました。
 世界は雪景色に逆戻りです。
 日曜(12日)になってようやく雪は一休みになり、今日火曜日は、待望の青空と暖かい日差しが戻ってきました。
 そうはいっても雪はいつでも降り出すので、春はまだ来ません。
 

 雪をかぶったサクラの古木はとても風情があります。
 幹の苔むした感じというのは、日本画などによく描かれるもの。
 今日は、このサクラの古木に張り付いている、コケを見ていただきます。
 幹に丸い薄緑色のものがぴちゃっと張り付いています。たくさん張り付くと隙間なく幹を覆うようになります。
 これはウメノキゴケといいます。コケの名がついていますがじつはコケではなく、地衣類という植物になります。





*2017年2月14日撮影

 ウメノキゴケは名前のとおり、ウメの木によく生えることが知られています。
 ウメの木だけでなくはなく、サクラをはじめとしたさまざまな樹木にも生え、さらに岩石にも生えます。
 会津の鶴ヶ城の石垣にもこのように張り付いています。





*2017年2月13日撮影

 サクラの古木に生えたウメノキゴケ。
 小さな葉のようなびろびろしたものが少しずつ生え広がっていくようです。
 サクラに限らずこうしたコケやキノコの類は、若い木には発生しないようです。
 コケやキノコが生えるのは、少し弱って来た古い樹木のようです。
 コケやキノコはさらに木を弱らせるのでしょうか。





*2016年2月13日撮影

 雪をかぶったサクラの太い枝が、びっしりとウメノキゴケに覆われています。

 ウメノキゴケは地衣類の中では最も知名度の高い植物なのですが、例によってウメノキゴケによく似た近縁の地衣類がたくさんあって、区別することはたいへん難しいとされています。
 とりあえず、そのように見えるものはみなウメノキゴケとして扱うことにします。





*2017年2月12日撮影

 雪がかなり多かった12日に撮影のサクラ。
 雪の風情といっしょに、ウメノキゴケの雰囲気も味わってください。
 サクラに生えるコケ類はたくさんあって、それぞれに独特の雰囲気を持っています。
 

エゾスナゴケ

2016-08-25 22:28:33 | 苔など

*2016年8月25日撮影

 今日は久しぶりに良い天気。暑さは相変わらず。

 今日の写真も久しぶりの苔です。
 河原の土手などに多いとされるエゾスナゴケです。
 葉が星型に開き葉の周囲が透明に輝くので、美しい苔です。
 とはいっても苔なのでごく小さくて、よくよく鑑賞するのはたいへんです。





*2016年8月25日撮影

 この写真の苔は、縄を切って並べたような感じです。
 葉が茎に巻きついているのです。
 これがじつはエゾスナゴケの乾燥した状態の写真です。
 今日は天気が良かったので、こういう状態のエゾスナゴケのほうが多かったのです。





*2016年8月23日撮影

 乾燥した時と湿った時で全く姿の違うエゾスナゴケです。
 数日前の雨模様の時の、葉が開いた写真をもういちど。
 やっぱりこちらの姿の方がだんぜん美しいと思います。

 湿ったときの姿が好まれて、苔庭などに植えられることも多いとか。

ゼニゴケ

2016-07-14 22:10:07 | 苔など

*2016年7月14日撮影

 昨日は久しぶりに日が照って夏が来たようでしたが、今日はまた雨模様に戻りました。
 もうしばらく梅雨は続きそうです。

 湿っぽい毎日にふさわしく、苔の写真です。
 まるで椰子の木のように茂っているのは、ゼニゴケの雌の繁殖体で「雌器托」というものです。





*2016年7月10日撮影

 ゼニゴケは日本を代表するような、どこにでもある苔です。
 茎と葉の区別がない「葉状体」という葉っぱのようなものが本体です。
 地面に深く根を張り、駆除するのは大変困難です。
 日本庭園などでは苔類は景観をつくるのに歓迎される存在なのですが、ゼニゴケ類は嫌われています。





*2016年7月10日撮影

 ピンボケになっていますが、雌器托が2本伸びていて、黄色い胞子がついています。
 下にある葉状体には丸いカップのようなものがついています。
 このカップは「無性芽器」というもので、カップの中には「無性芽」という生殖によらない子供がたくさん入っていて、地面にこぼれることで増えていきます。
 もちろん生殖によってできた黄色い胞子も、やがて子供になります。
 無性芽はごく小さいのですが、その形が小判に似ているというので、銭苔という名がついたとされています。





*2016年6月25日撮影

 もういちど雌器托の姿です。みごとに立ち並んでいます。
 雌器托は卵子をつくり雄器托がつくる精子を取り込むことで、胞子が生まれます。
 胞子はやがて苔の子供に成長するというわけです。
 雌器托は胞子を撒き終えると、茶色く枯れていきます。
 この写真は、胞子をほぼ撒き終えた姿でしょうか。まだ枯れてはいませんが、黄色い胞子はほとんど残っていないようです。

 雄器托は発見できませんでした。
 複雑怪奇な苔の世界を少しだけ覗いてみました。