さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

エゴノキ

2015-05-31 22:15:58 | 樹木

*2015年5月31日撮影

 ふと気がつくと目の前の木にびっしりと白い花。足元には地面を埋めつくすように白い花びら。
 甘い香りがただよって、これがエゴノキとの出会いです。

 思いのほか花期は短くて、もう花は終わりかけています。





*2015年5月25日撮影

 一週間前、最盛期といってもいい頃のエゴノキの花です。
 下向きにたくさんの花が下がっていて、花の中心には黄色い雄しべ(10本あるそうです)が目立ちます。
 まだつぼみもちらほら見えています。





*2015年5月25日撮影

 エゴノキという名は実がエグいことによるとされています。
 漢字表記は「斉墩果」という当て字を使うようですが、あまり一般的ではなく、誤用だとも言われます。
 果皮には毒性があり、魚を獲るすり流し漁に使われたそうですが、それほど強い毒ではないようです。
 種子はキジバトやヒヨドリなどの鳥の好物なのだそうです。

フランスギク

2015-05-30 22:15:32 | 草花

*2015年5月30日撮影

 春に咲く菊、多くの人がマーガレットだというこの花はフランスギクです。
 ヨーロッパ原産で江戸時代に観賞用に持ち込まれたとされています。
 今は野生化して日本中どこにでも生えています。よく目立つ花の風情から園芸用の花がそこここに植えられているのだと誤解されているようです。
 もちろん花壇に植えられることもありますが、野生のものが増えているのも事実です。





*2015年5月30日撮影

 マーガレットという花は明治時代に園芸用に持ち込まれました。
 フランスギクと花はほぼ同じですが、葉が春菊のような形をしています。
 マーガレットは耐寒性がなく冬を越せないので基本的に野生化することはないとされています。
 フランスギクは耐寒性の多年草で、北日本を中心に全国的に野生化しています。





*2015年5月23日撮影

 フランスギクのなかの一種がマーガレットだという見方もできます。
 外国産の草花の日本名というのはなにかとややこしいことになるようです。
 
 いつも見慣れた花もこうしてみるとなかなかいいものです。

ナミハナアブ

2015-05-28 22:10:13 | 昆虫

*2015年5月28日撮影

 花のまわりはハチやハナアブがたくさん飛び交っています。
 気温が高くなるにつれ、ハナアブの種類も増えてきました。
 なんとか撮影できても名前を特定できないこともしばしばです。
 今日はいちばんポピュラーなナミハナアブを取り上げます。
 すこし前まではハナアブと呼ばれていて、ハナアブ類全体を指すときのハナアブとまぎらわしいので、ナミハナアブと呼ぶ方が普通になりました。





*2015年5月28日撮影

 横顔はこんな感じです。
 ナミハナアブが蜜を吸っている花は、キレハイヌガラシです。
 背の低い草ですが、びっしりと咲き広がって黄色い絨毯を形成していて目を奪われます。
 いろいろなハナアブ類やハチたちがやってきていました。





*2015年5月25日撮影

 ハルジオンにとりついているナミハナアブです。
 このナミハナアブは目と目がくっついているので雄のようです。
 アブはハエの仲間で、体の割に大きな複眼を持つことが特徴です。
 大抵の場合この複眼は雄と雌で大きさが違っていて、両の目がくっついている方が雄、離れている方が雌ということになるそうです。
 なので、キレハイヌガラシにとまっているナミハナアブは雌ということになります。
 体の色合いも違っていて、どちらかというと雄の方が全体的に明るい色をしているようです。

ヤマボウシ

2015-05-27 22:10:03 | 樹木

*2015年5月27日撮影

 ヤマボウシの木に花が咲きました。
 じつは我が家の庭にもヤマボウシが植えてあるのですが、今年はあまり花をつけません。
 それでこの写真は鶴ヶ城公園周辺のヤマボウシです。
 繁った葉の上にぴょんと飛び出して花が咲き、整列しているように並ぶところが楽しい花です。





*2015年5月27日撮影

 ちょっと遠くからヤマボウシの木の様子がわかるように撮った写真です。
 緑の葉はたくさん繁っていますが、花はそれほど多くありません。
 それぞれの木で適度なバランスがあるのでしょうね。





*2015年5月25日撮影

 ヤマボウシの花を近くで見ればこんな感じです。
 ヤマボウシという名は「山法師」で4枚の白い花びらを法師の頭巾に見立てたのだそうです。
 じつはこの白い花びらは「総苞」という葉に近い部分で、本来の花は中心に固まっているつぶつぶです。
 花粉の媒介を担う虫たちを招くために目立つ「装飾花」を作っているというわけです。





*2015年5月25日撮影

 ヤマボウシはミズキ科ミズキ属でハナミズキと大変近い植物です。
 そう思って見ると花もよく似ています。
 ハナミズキは花びらの先端が丸くなっていること、色違いのたくさんの品種があることがヤマボウシと違います。
 ヤマボウシは園芸用にあまり人気がないのか、白い花の一種類しかないようです。

カモガヤ

2015-05-26 22:22:27 | 草花

*2015年5月25日撮影

 イネ科の雑草のなかでもひときわ大きくて目立つカモガヤが花盛りです。
 英名のひとつをオーチャードグラスといい、こちらの名前は牧草として有名です。
 明治時代に優れた牧草のひとつとして導入され、いまや全国どこにでも生えている文字通りの雑草でもあります。
 大きくて(高さ1mくらい)、風貌になかなかの存在感があるので、私の好きな草のひとつです。





*2015年5月25日撮影

 カモガヤという名は、英名のひとつコックズフットグラス(鶏の足の草)のコックズをカモと誤訳したものといい伝えられています。
 はたして真相はどうなのでしょうか。
 「鶏の足」というのは花穂を構成する小穂の形を鶏の足に見立てたものと思われます。
 鴨と鶏は足の形もずいぶん違います。





*2015年5月25日撮影

 イネ科の植物はごく大雑把に言って、春に花を咲かせ夏に枯れてしまうものと、夏から秋にかけて花を咲かせ冬に枯れてしまうものとに分かれます。
 麦と稲をイメージしてもらえばいいと思います。
 この仕組みは観察しているとじつに劇的で、感動的でもあります。
 夏になると枯れてしまう春の草にかわって、秋に咲く花が夏に伸び始める。
 花といってもイネ科の花は地味で、まさに雑草なのですが、これがまたふしぎに味わい深いものです。