さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

オオシマザクラとヤエベニシダレ

2023-04-11 22:06:36 | 樹木

*2023年4月11日撮影

 会津の鶴ヶ城公園の桜は、例年より早く咲いて、もうだいぶ散ってしまいました。
 ただしそれは大半を占めるソメイヨシノの話。
 数は少ないとはいえ、ソメイヨシノ以外の遅咲きの桜もまだまだあるのです。

 そのひとつが、色白で大きめの花を咲かせるオオシマザクラです。
 写真の桜がオオシマザクラではないかと思っています。
 オオシマザクラは野生種のひとつで、多くの栽培品種の親となっています。
 それだけにオオシマザクラによく似た栽培品種も多いとされていて、写真の桜もオオシマザクラに似たそっくりさんである可能性もあります。





*2023年4月10日撮影

 そういうややこしい話は常についてまわって、桜の種の特定は至難の技です。
 なので自分だけ納得できればよしとして、これはオオシマザクラだと思って、毎年楽しませてもらっています。





*2023年4月10日撮影

 野生種だから、というのが関係しているのかどうかは不明ですが、かなりの大木になります。
 大きな木に満開の花は見事です。
 葉が出るのが早めで、花とともに小さな葉がついていて花の姿をひきたてています。





*2023年4月10日撮影

 さてこちらは、濃いピンクが華やかな八重咲のしだれ桜です。
 姿の通りにヤエベニシダレといいます。
 名前の通りの見た目なので、間違いないと思います。
 鶴ヶ城公園のあちこちに存在していて、とても良いアクセントになっています。





*2023年4月10日撮影

 石垣をバックにヤエベニシダレ。
 お城ならではの風情です。
 花があまり多くなく、ちらほらと下がっている姿を選びました。





*2023年4月10日撮影

 シダレザクラは本来、エドヒガンという桜なのだそうです。
 たまたま枝垂れるようになったエドヒガン、ということでしょうか。
 枝垂れるようになった桜の色違いやら八重咲やらと、いろいろな派生種ができて、このヤエベニシダレはこの上なく華やかな花を咲かせる桜になりました。
 そのかわり、あまり大きな木になることはなくて、背の低い木が多いようです。
 この写真のヤエベニシダレは、比較的大きいほうだと思います。
 満開の花が見事です。

桜の落葉

2022-11-19 21:29:32 | 樹木

*2022年11月8日撮影

 季節の移り変わりのなんと速いことか、もう紅葉の時期も過ぎ、冬枯れがすぐそこに。
 年齢を重ねると自分の中の時間はとてもゆっくりで、外界の時間の流れについていけません。
 11月も半ばになってしまいました。

 今年は紅葉が美しいという話だけは耳にしましたが、撮影に出かけることはできませんでした。
 いつもの鶴ヶ城公園ではモミジはもちろんですが、桜やケヤキが美しく色づいていました。
 それで、少し前の写真ですが、桜の落ち葉を撮影した写真をご覧いただきたいと思います。

 始めに桜(ソメイヨシノ)の根元に降り積もった落葉の写真。
 黄色、オレンジ、赤と色の取り合わせがきれいです。





*2022年11月11日撮影

 川沿いの散歩道に設置されている、テーブルと椅子が一体になった木造の休憩所。
 桜並木の下にあるので、落葉が積もっています。
 草の緑と紅葉の対比が目に鮮やかです。





*2022年11月11日撮影

 テーブルの上にはこんな感じで桜の落葉。
 とてもいい景色です。





*2022年11月10日撮影

 鶴ヶ城のお堀に浮かぶ落葉たち。
 ほとんど桜の落葉ですが、ほかの木の落葉も混じっているようです。
 緑色の水面にモミジの紅葉が写っていて、少し幻想的なイメージがあります。





*2022年11月8日撮影

 お城の歩道に積もった桜の落葉。
 桜はここではすべてソメイヨシノです。
 右側にくの字に曲がった、灰色に舗装された道路が一部写っています。
 大部分を占める左側の部分は土が剥き出しの歩道です。





*2022年11月8日撮影

 土の歩道の、特に落葉が多い場所の景色です。
 ここも桜はみなソメイヨシノです。
 道を埋め尽くす落葉が見事に美しいと思います。





*2022年11月5日撮影

 最後は、丸く剪定されたイヌツゲの葉の上に乗る桜の落葉です。
 黒っぽい緑の葉の上に、鮮やかな紅葉が輝いて、見事な景色でした。

 こんな感じで今年の紅葉鑑賞は、地面の上の桜の紅葉を愛でるという、地味な体験でありました。

 

 

菊咲きの桜

2022-04-30 22:15:39 | 樹木

*2022年4月30日撮影

 ゴールデンウィークが始まりましたが、急に寒くなってきました。
 昨日の朝には会津の鶴ヶ城公園に熊が1頭現れて、およそ5時間後に駆除されてしまいました。
 ウクライナ戦争やら、知床の観光船遭難やら、連日のコロナ感染者の多さやら、暗いニュースの続く日々です。

 今日は再度、桜です。
 もうとっくにソメイヨシノは散ってしまって葉桜になっていますが、今は八重桜が満開です。
 華やかなカンザン(関山)や、上品なたたずまいのイチヨウ(一葉)などを楽しめます。
 枝垂れ桜たちもまだ咲いています。

 写真の桜はちょっと変わった花で、八重咲きよりも花弁の数が多い「菊咲き(きくざき)」という咲き方の花です。
 すでに葉が大きくなっているので、樹木全体としては花が咲いていることがあまり目立ちません。





*2022年4月30日撮影

 写真の桜の花の大きさは八重桜のカンザンなどよりは少し小さくて、花の中心部が赤いのが特徴です。

 菊咲きの桜にもたくさんの品種があるようです。
 その名の通りのキクザクラという桜は、岡山県の品種だそうですが、これが元祖というわけでもないようです。
 〇〇キクザクラという名の桜が全国にあって、〇〇には多くの場合地名が入るようです。
 たとえば、ケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)という桜は、兼六園にあったからそう名付けられたのですが、原木が枯死してしまった今でも栽培品種が流通しています。





*2022年4月30日撮影

 少し離れてみた花の様子です。

 〇〇キクザクラ以外にも、菊咲きの桜があります。
 有名なものにバイゴジジュズカケザクラ(梅護寺数珠掛桜)という長い名前の桜があります。
 新潟県阿賀野市の梅護寺というお寺に原木があり、国定天然記念物となっています。
 そのバイゴジジュズカケザクラの写真を見ると、この鶴ヶ城の菊咲きの桜と、とてもよく似ています。





*2022年4月28日撮影

 花の中心部が赤いのですが、じつは花が開花する前の蕾の状態の時にはこの中心部が小さい赤い花のように見えるという、不思議な花でもあります。
 その開花前の花の姿を撮影したわけだったのですが、どうもうまく撮れていません。
 ぜひ、バイゴジジュズカケザクラをネットで検索して、開花前の姿を見てほしいと思います。





*2022年4月28日撮影

 バイゴジジュズカケザクラの名前の由来は、親鸞上人がこの桜に数珠を掛けて、この数珠のようによく花が咲くようにと祈念したという言い伝えによります。越後流罪になった親鸞上人が、梅護寺近くに滞在したことがあるのだそうです。
 新潟県阿賀野市は広いのですが、梅護寺のあるのはJRの駅で言うと新津駅の近くになります。

 鶴ヶ城にある菊咲きの桜がバイゴジジュズカケザクラだという断定はできませんが、よく似ているということは確かです。
 バイゴジジュズカケザクラも園芸品種として販売されているので、ここにあったとしても不思議ではありません。





*2022年4月28日撮影

 もういちど、離れて見た菊咲きの桜の姿です。
 あまり目立たないので、ここに桜が咲いていることに気づかない人も多いのです。
 開花の時期が遅いので、もう桜の花を愛でる気分でないということもあるかもしれません。
 しかしこの桜こそ、鶴ヶ城公園でいちばんの珍しい桜ではないかと思います。
 私だけがひそかに、ツルガジョウジュズカケザクラと呼んでいます。
 

 

ソメイヨシノ(桜)

2022-04-15 23:13:12 | 樹木

*2022年4月14日撮影

 季節は巡って、4月、春たけなわです。
 会津の鶴ヶ城公園の桜も満開を迎えました。

 おなじみのソメイヨシノの咲き具合をごらんください。
 桜の花は、みな同じような印象の写真になってしまいますが、そこはご容赦を。





*2022年4月14日撮影

 石垣をバックに、咲き乱れる桜の花。
 いのちの、いきおいを感じます。





*2022年4月14日撮影

 緑の草を背景に、薄ピンクのソメイヨシノです。
 これはとてもやさしい印象です。





*2022年4月13日撮影

 天守閣下の石垣をバックにした桜です。
 日差しが強くて、コントラストが強すぎの写真になりました。

 



*2022年4月13日撮影

 青空の下の桜並木。
 少しだけ歩いている人が映り込みましたが、実際はかなりの人の波でした。
 相変わらずのコロナ禍で、花見の宴会は今年も自粛要請。
 ちょっと物足りない、ソメイヨシノの花の春です。





エノキとエゾエノキ(実)

2021-11-07 21:07:16 | 樹木

*2021年11月6日撮影

 11月になりました。今年ももうすぐ終わりです。
 よく晴れる日が続いています。
 ただ、ここ会津では秋が深まると朝のうち空は雲地上は霧で、陽がささないことが多いのです。
 朝の10時すぎ、ときには昼ごろまで、それが続きます。現在の天気が「晴れ」であってもそうなので、晴れてくるのを待つ以外にありません。
 晴れてくれば、以後は晴れです。

 近くの山の紅葉が徐々に進んでいます。
 よく見かけるエノキも早めに鮮やかに黄葉する木なのですが、少し黄色くなってきたところです。
 そのエノキの実を撮影しました。
 熟していますが、赤黒い色をしています。






*2021年11月2日撮影

 少し前、まだ葉が緑だった頃の、エノキの実です。






*2021年10月28日撮影
 
 エノキの実は甘くて、食べてもおいしいと言われています。
 野鳥がついばむことで種を拡散するわけです。
 エノキの実は葉が落ちてしまっても残ることが多く、じつは冬の2月3月頃には多くの鳥たちの貴重な食料となります。
 このころは落下した種子もシメやイカルなどの鳥たちに食べられます。






*2021年11月6日撮影

 さて、エノキと思って見ていたこの木は、実が赤くなくて真っ黒です。
 この黒い実のなるエノキは、エゾエノキという木です。






*2021年11月2日撮影

 エゾエノキとエノキはよく見ると葉が違うのですが、なかなか分かりにくいと思います。
 この、熟した実の色の違いというのは、いちばん分かりやすい違いだと思います。






*2021年10月29日撮影

 エゾエノキの黒い実も鳥たちの好物。
 人が食べても、エノキより甘くておいしいという説もあります。
 私はまだ食べてみないのでわかりませんが、試してみたいとは思っています。