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故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

私の原風景

2015-09-13 03:57:34 | 思い出話

美味しい栗ごはんが炊けるかな


   
私の原風景は、崩れる赤土の山です。

台風一過、れんが用の赤土を採集する山がいつも崩れていました。
その度に、海の近くのう回路を通って、小学校に通いました。
高学年になると、1m近くの土砂を踏み越えていました。

この赤土は、島の幹線道路を塞ぐのでした。

心象風景として、私の中に留まったのは、
その赤土が決まって2-3日のうちに片付けられることでした。
きっと、煉瓦工場に運ばれたのでしょう。

人間形成になったのは、崩れても片付けるの繰り返しを見ることでした。
大雨は、木造家屋の壁を濡らしました。
やがて出て来た太陽が、黒板塀に湯気を起こしていました。
このもやもやの湯気が好きでした。回復する瞬間でした。

つらいことがあっても、大人たちはすぐに治してくれました。
心をほぐしてくれる風景がありました。
厳しい自然と向き合いながら、私達を温かく守ってくれる大人たちがいました。
思い出される顔は、黒くて誰とは言えません。
おばさんであったり、おじさんであったり。

大きくなっても、つらいことの連続でした。
この赤土が片付けられる原風景は、私のよりどころとなっていました。

黒板塀から出る湯気は、心を落ち着かせてくれました。
また、温かいあの日が帰ってくると思わせてくれました。

私は、顔の見えない大人になることが出来たでしょうか。
俺が俺がの世の中で、黒衣でいられたでしょうか。
不平不満の世の中で、温かい湯気を発することができたでしょうか。

私達の生きざまが、次の世代の人間形成に少しでも役立ったでしょうか。
小さいことで悩む私の心のよりどころは、崩れた赤土の山です。

あきらめを 崩しほぐして のぼる湯気

2015年9月13日


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