故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

おじさんになる

2018-07-01 11:14:38 | よもやま話

今日のタイトルは、「おじさんになる」です。
この辺りでは、機械などが故障して使えなくなることを、「おじさんになる」と表現されます。
使う側も悪気はないのだけれでも、ショッキングな言葉でした。
おじさんは使えない。
何で、おじさんは使えないのか。
身体能力が落ちた。
口ばかりで、身体が動かない。
自分の成功体験を押し付けるだけで、新しいことに挑戦しない。
パソコンやSNSに不慣れなのが、おじさんです。
人の意見に柔軟に対応できない。
うるさいだけで、仕事ができない。

職人の動きを観察しているとよく分かることがある。
二人で、ものを固定する時、いち早くボルトを付けるのは決まって年寄りの職人でした。
若い方は、力づくでボルトの穴をあわせる。大汗をかくことになります。
年寄りの職人は、しのを使って自分の受け持ちの穴を合わせた後に、ボルトを入れる。
一本入れたら、あとは簡単に入れられる。この一本目の合わせが成否を分けます。

二人で物を運ぶ時も同じです。
いち早く、腰を入れて持ち上げるのは、決まって年寄りの職人でした。
立ち位置になって保持しながら、斜めになった方を持ち上げる若者を待っていました。
斜めになった分、力が必要です。

おじさんは使えない。
もう、ぼろ同然の扱いです。
つまりは、新品ではなく中古品を意味します。
いやいや使い込んだ道具は、手になじみ扱いやすいのですがいかがでしょう。

使えないおじさんをいとも簡単に扱う若い女性がいる。
気をつけているのは、「さしすせそ」を頭文字とする魔法のキーワードです。
「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスいい」「そうなんですね」という5つの言葉。
おじさんは、舞い上がらんばかりに俄然やる気を出して活躍し始めます。
このどれかの言葉を聞いたら、「やられたな」と密かに思い、頑張りましょう。

おじさんは、「ひねくれもの」で次に「きめっこ」(拗ねる。広島弁でははぶてる)です。
控えめでちょうど良い。
若いものが困った時に、相談するのはおじさんです。
その時のために、刀を常に研いでおきましょう。

2018年7月1日
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